CMSの選び方(4) ファイル管理方式の種類と特徴 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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目的と運用体制から考える
CMSの選び方 (4)


「コンテンツ」を「管理」するという言葉がもつ多様性は、CMS製品の種類や数に表れている。比較検討に時間がかかり、ひとつに決めたとしても、導入中にもっと良さそうな製品を見つけてしまう。こんな事態を避けるためのCMSの選び方について紹介したい。


文=清水 誠
文=清水 誠
実践系Web/CMSコンサルタント。各種大手企業に対するIT/IAを活用したネットビジネス改善プロジェクトに11年間従事




ファイル管理方式の種類と特徴

ファイル単位でサーバへコンテンツをリアルタイムにアップロードするのはミスが多く、作業者が時間を拘束される。指定日時になったら必要なファイルをサーバへ転送または動的にページを生成する仕組みによって、この作業を自動化できる。

また、コンテンツの公開を管理するためには、更新コンテンツの差分を把握する必要があるため、バージョン管理も不可欠な機能といえる。

ファイル転送と管理における制御の細かさが、製品によって大きく異なる。

アイコンの見方
アイコンの見方


即時反映タイプ
即時反映タイプ

「知識共有サイトや少人数スタッフによる運用を想定しているため、バージョン管理と差分管理さえあれば、公開の日時指定は不要」と考えるアプローチ。

意外に普及していないが便利な機能として、更新差分の比較とメール通知機能がある。たとえば、だれでもページを更新できる運用形態を想定したWikiでは、ページ更新時に該当ページ名と更新個所(更新前と更新後)が書かれたメールが管理者へ送信される。これを読むことで、だれがいつ何をどう変更したのかを確認することができ、問題があれば修正したり前のバージョンに戻すことができる。また、画面上に変更前と後のソースを左右に並べて、変更個所をハイライト表示できるCMSもある。

スケジュール管理タイプ
スケジュール管理タイプ

「Webは対外的な情報発信のメディアであり、公開タイミングを指定できる機能は必須」と考えるアプローチ。静的なHTMLファイルを生成してFTPなどでWebサーバーへ転送するCMSの場合、指定日時に指定ページのみが公開されるのか、それともサイト全体が最新化されるのか、が製品によって異なる。

また、運用時に便利だが選定時に見落とされがちな機能として、過去や未来など任意に指定した日時におけるサイトの見え方をプレビューできる機能がある【4】。複数の更新者がそれぞれ別のタイミングで頻繁に更新しているサイトや、ユーザーサポートの一環でいつの時点にどのようなFAQを掲載していたかを知る必要がある場合などに便利な機能だ。どこまで必要とするかで製品のコストは大きく変わってくる。

高度なサイトプレビュー機能
【4】高度なサイトプレビュー機能

資産管理タイプ


「コンテンツはアセット(資産)として一元管理し、いろいろな場所・形で再利用すべきもの。そのためには細かい管理が必要」と考えるアプローチ。管理機能の細かさは製品によって異なる。

たとえば、アセットがいろいろな場所で利用されている場合、それを編集するとどのページに影響が及ぶのかを知る必要がある【5】。削除しようとしたときにそのアセットが使われているページがあることを警告したり、アセット更新時にそれを使っているページの担当者へ更新のお知らせメールを出す、などCMSベンダーはそれぞれ工夫を重ねている。

マルチユース時に必要な情報共有
【5】マルチユース時に必要な情報共有

また、資産管理のアプローチとして、画像ファイルを一元管理できるCMSもある。画像を個々のページにアップロードするのではなく、サイト全体で共通のライブラリに登録しておき、複数のページから呼び出すことができる。さらに、フォーマットを自動変換できるECM系製品もある。たとえば、ひとつの製品画像を更新すると、それをリサイズやフォーマット変換した画像もすべて自動で更新される。

選定のポイント

このソリューションは、機能によってCMS製品のコストが大幅に変わってくる。費用対効果を分析し、本当に必要な機能を絞り込む必要があるだろう。

また、CMS導入後にサイトや運用体制が成熟していった結果、CMSをアップグレードする必要が生じるケースもある。その際のコストや必要期間についてもあらかじめ想定しておくというアプローチもある。


本記事は『Web STRATEGY』2006年 7-8月号 vol.4からの転載です
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