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第9章 CSS Nite鷹野雅弘のプレゼン・ハック

第1回 プレゼンは聞き手とのコミュニケーション


こんにちは。株式会社スイッチの鷹野と申します。「CSS Niteの…」といったらご存じの方もいらっしゃるかもしれません。CSS Niteやその他の講演、ビジネスの現場などを通して、また、教室でのトレーニングの現場で培ったプレゼンやデモに関してのノウハウなどを共有できればと思います。


[プロフィール]鷹野雅弘(たかの・まさひろ)

株式会社スイッチ。DTP制作、トレーニングをコアスキルとしてスタートし、Web制作、プロデュース、執筆などを業務としている。2005年に「CSS Nite」をスタート。55回以上の開催を通し、のべ1万人以上が参加するセミナーイベントに。名古屋、大阪をはじめ、青森、沖縄などの地方版も10都市以上で開催。



挙手アンケート後は、結果を知らせる


「これこれの方は手を挙げてください」という“挙手アンケート”。プレゼンター(講師)にとって、聞き手の属性を把握することは重要ですが、手を挙げさせて終わってしまうことがほとんどです。

あなたが後ろの方に座っていない限り、何人くらいが手を挙げたのかを知ることはできません。そんな状況で、何回も手を挙げさせられると、イヤになってしまいますよね。

もし、挙手アンケートを行う場合には「20人くらい」とか「およそ半分くらい」のように、その結果をフィードバックしましょう。その結果はその場にいる人全員で共有すべき情報です。

ちなみに、CSS Niteでは参加申し込み時に、性別や勤務スタイル、職種などをうかがい、集計結果を発表するようにしています。


質疑応答は、質問を繰り返して


あなたはセミナー修了後に質問をしますか? セミナーの規模に関わらず、質問するのはなかなか勇気がいりますし、実際、その場になると思いのほか緊張したり、余計なことを話してしまって長くなってしまうものです。

マイクがあっても、口を近づけて喋なければ聞こえにくいですし、マイクがないときは言うまでもありません。質問を受ける場合には「いただいたご質問を繰り返すと~ということですね」と、一度、確認するようにしましょう。複数の質問で構成される場合には「いただいた質問は3つですね。1つ目は~」のような形式を取ります。

質疑応答はプレゼンターと質問者だけのものではありません。質問を繰り返すことで、その質疑応答は会場にいる全員にとって共有されます。多くの場合、質問者は長々と喋ってしまうので、繰り返すという行為を通して、質問を整理し、意図を確認する役目も果たします。

もちろん、回答後に「質問のお答えになっていましたか?」と確認することも忘れずに行いましょう。

なお、答えにくい質問や答えがわからないケースもあるでしょう。その場合には下手にごまかさずに「わからない」「この場では答えられない」と伝え、フォローできる場があれば“お預かり”してもよいでしょう。



お尻を向けない(スクリーンに向かって喋らない)


「パワポ地獄」とか「PowerPoint Hell」という言葉が存在するように、紙芝居形式のプレゼンテーションが退屈なのは、洋の東西を問いません。その理由はプレゼンの主役が、プレゼンターでなく、スライドになってしまっているからです。

スライドの内容は、ある程度把握しておいて「チラ見」で済ますか、手元のパソコンの画面に目をやりながら、始終スクリーンに対して喋ってしまわないように心がけましょう。

どうしてもスクリーンを見なければならないときには、体の向きに注意してください。演劇では観客に対してお尻を向けることは御法度ですが、プレゼンもひとつの舞台なのです。

なるべく聞き手にプレゼンター自身を見てもらようにするためのTips

・詳細な配布資料は事前に配らない。
・スライドと配布資料を同じにしない。
・アニメーションやトランジション(スライドの切替効果)は控えめに。
・スライドの文字量をなるべく少なくし、文字サイズも大きくする。
・文字を少なく、イラスト、写真などを多用する。
・PowerPointならBボタンで暗転(Wボタンで白く)したり、空白のフレームをはさむなど、ここぞというときには、スライドを消していまう。
・プレゼンターが立ち位置を移動する(=動く)。

改めてスティーブ・ジョブスのプレゼンテーションを見ると、「スライドが脇役」として使われていることが明確にわかります。

スライドばかり見せられたら誰だって嫌気がさす。スライドを主役にしないこと
スライドばかり見せられたら誰だって嫌気がさす。スライドを主役にしないこと


●まとめ


本日取り上げた内容は、プレゼンが聞き手とのコミュニケーションのひとつのカタチであることを考えれば、至極当然のことばかりです。一方通行の「説明」や「発表」に終わってしまってはプレゼンの成功はありません。


次回をお楽しみに!
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