第5回 プレゼン制作ツールについて | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて
クリエイターのライフハック できる人の仕事術を盗め。


第9章 CSS Nite鷹野雅弘のプレゼン・ハック

第5回 プレゼン制作ツールについて


今回は、PowerPoint、Keynoteなど、プレゼン制作ツールについて考えてみます。


[プロフィール]鷹野雅弘(たかの・まさひろ)

株式会社スイッチ。DTP制作、トレーニングをコアスキルとしてスタートし、Web制作、プロデュース、執筆などを業務としている。2005年に「CSS Nite」をスタート。55回以上の開催を通し、のべ1万人以上が参加するセミナーイベントに。名古屋、大阪をはじめ、青森、沖縄などの地方版も10都市以上で開催。



PowerPoint


プレゼン制作ツールの代名詞とも言える「PowerPoint」。これの強みは、スライドを縮小し、面付けした「配付資料」をプリントアウト時に選択できることです。

ビジネスプレゼンでは、発表用のスライドと配布用の資料が基本セットですが、スライドを作り上げたら、配付資料もできている、というのはうれしいです。

また、多くのビジネスの現場では、レイアウトの自由度が高いことからIllustratorをはじめとするドロー系のツールの代わりとして使われている節もあります。

Windows版のみならず、Mac版もあり、また、Mac版ではWindows版との互換のためにMS系のフォントもインストールされますので、ひとつの共通フォーマットとしてPowerPointが指定されることも少なくありません。

配布資料を選択するダイアログボックス。スライドを3枚分面付けし、横にメモ欄を付けるパターンが席巻した
配布資料を選択するダイアログボックス。スライドを3枚分面付けし、横にメモ欄を付けるパターンが席巻した



Keynote

ここ数年、注目を浴びているのがKeynoteです。これはiWorkというパッケージに入っているもので有償です。また、Mac版しかありません。

Keynoteは元々、スティーブ・ジョブスのプレゼンのために開発されたアプリケーションで、その後、市販されるようになりました。

昨年公開された映画『不都合な真実』は、PowerBookとKeynoteのプロモーションムービーか、と思うほど、フィーチャーされていました。

Keynoteは、派手なアニメーションやトランジションが持てはやされますが、グラフィックやWebに関わる人間に嬉しいのは、対応する画像フォーマットが多様なことです。まず、PSDやPNGの透過が使えることで、切り抜き画像をダイナミックに使うことができます。

そしてIllustratorやPDFなどのベクトルデータもそのまま使えます。ベクトルデータは拡大縮小を行っても劣化しませんので、修正にも柔軟に対応できます。

最新バージョンでは、PowerPointのように複数スライドを1ページに面付けして出力する機能もあります。また、PDF、Flash(swf)、iPod再生用のムービー、PowerPointなどにデータをコンバートすることも可能です。

Keynoteの書き出しダイアログボックス
Keynoteの書き出しダイアログボックス


S5/HTML Slidyなど

S5HTML Slidy <>などHTML+CSS+JavaScriptなどの基本技術を使い、ブラウザ内で完結するソリューションもあります。自分で開発してしまう強者もいます。

これらのツールの利点は、アプリケーションを利用しないため制作環境を選ばないこと。また、スライドをオンラインにアップすれば、配付資料としてURLを案内すれば済むという点で優れています。

基本技術に習熟していても、制作時にはコンテンツに集中できないことが難点かもしれません。



選択する際のポイント


<元データを複数人で修正することがあるか>

この点では、PowerPointが有利かもしれません。もちろん、ツールいらずのS5/HTML Slidyもポイント高いですね。

<対応する画像フォーマット>
この点では、Keynoteがダントツです。

<配布資料を容易に作成できるか>
現在、スライドを縮小印刷するタイプの配付資料は使われなくなりつつあります。特に、事前配布の場合、同じものがスクリーンにも手元にもあるため、「ただ、読み上げている」という印象を持たれてしまいがちです。

紙ベースでなくURLで案内すればよいS5/HTML Slidyがユニークですが、どのツールを使っても、発表時のスライドと配布資料を同じものにしてしまう場合、(資料だけ見ても意味が通じるようにするため)スライドが主役になってしまいがちです。

逆のパターンとして、口頭で伝えている部分が抜けてしまって、資料だけ見た人には意味が通じないというケースもあります。
プレゼンのスライド作成ツールと、配付資料は別にするのがよいのではないかと考えます。

<アニメーションやトランジション>
時と場合によりますが、アニメーションやトランジションはさりげなく使うのが基本です。あまり派手に使うと安っぽくなりますし、何より内容より効果に意識が行ってしまいます。

<書き出しフォーマットの多様さ>
プレゼン時のトラブルを想定し、そのマシン、作成したアプリケーション、インターネット回線がない場合でもプレゼンを進めるための準備が必要です。

対策としては、PDFにしてUSBメモリに保存しておく。ブラウザで見れる状態にして、オンラインに保存するなどです。


まとめ

それぞれのツールのメリットや選択の際のポイントをざっくりと見てきました。先日、ある知人がPowerPoint(Windows)からKeynote(Mac)に変えたというのに、ほぼ同じテイストのスライドを作っていました。スライド作りのコアなノウハウは、アプリケーションの中でなく、アタマの中にあるのかな、と実感しました。いろいろなスライドを見て、いいところを盗んでいきましょう。



次回をお楽しみに!
twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在