第9章 CSS Nite鷹野雅弘のプレゼン・ハック
第6回 スライド制作について(最終回)
今までのプレゼン基礎知識の総決算として、最終回では具体的なスライド作成を取り上げてみます。
[プロフィール]鷹野雅弘(たかの・まさひろ) 株式会社スイッチ。DTP制作、トレーニングをコアスキルとしてスタートし、Web制作、プロデュース、執筆などを業務としている。2005年に「CSS Nite」をスタート。55回以上の開催を通し、のべ1万人以上が参加するセミナーイベントに。名古屋、大阪をはじめ、青森、沖縄などの地方版も10都市以上で開催。 |
ステップ・バイ・ステップで見るスライド作成
Keynoteの「すかし」テーマを使い、デフォルトのまま作成したスライドが図1です。スライドの配付資料化を前提にした場合には、このままでもOKですが、プレゼンのスライドの箇条書きでは、ですます調などの文章でなく、言い切りや体現止めを使い、なるべく文字数を少なくした方がキーワードがすっと入ってきます。
図1:デフォルトのまま、文字を入力してスライドを作成してみた
文字数を減らすと右側にスペースが空きすぎてしまうことがあります。その場合には、箇条書き全体を中央に移動するとよいでしょう。
図2:それぞれの項目をキーワードだけにした
口頭でもよいが、「4つのポイント」のようにタイトルを付けると締まります。
図3:箇条書き全体を中央に移動した
Webと同様、スクリーンで見る場合、明朝系のフォントは視認性が低いため、ゴシック系のフォントにした方がベターです。
図4:フォントを「ヒラギノ角ゴシックW4」に変更した
箇条書きなどで文章が行をまたがる場合、改行に気を配りたいところ。図5の例では、「/MT」とひとかたまりにするべきところ、「/」と「MT」で、「ペア」も「ペ」と「ア」で改行されてしまっています。
図5:文字を入力したままの状態
図6では、文節や意味の区切りで改行してみました。改行位置を調整すると意味が伝わりやすくなります。
図6:当然、この作業を行うのは、完成に近くなり、文字レベルの修正が少なくなった段階だ
そのほか、漢字とひらがな/カタカナのバランスにも気を配りましょう。雑誌などでは「出来る」「為」「全て」などはひらがなで表記されています。対象となる聞き手の属性や、プレゼンの方向性(マジメ度)によっても調整可。
図解化のすすめ
プレゼンのスライドのパーツは、「テキスト<イラスト<表、グラフ<写真<動画」の順番でインパクトが増します。当然、実物はさらにその上ですが…。
多くのスライドでは、タイトルに対しての要素を箇条書きなどで表現しますが、その際、要素同士の相関関係は箇条書きでは表現できません。
四角や丸で要素を囲んで線や矢印などでその関係を示したり、また、図形を重ねたり、位置関係によってその関係を示すのが「図解」です。表やグラフの図解も一種です。
実際、なかなか面倒なのですが、図解を使いこなせば、文字だけのスライドに比べ、訴求力が増すのは当然です。作り込むことよりもシンプルに表現した方がよいかもしれません。
図解を行う上で、非常に強力なツールを紹介しましょう。Office 2007(Windows)、Office 2008(Mac)に搭載されているSmartArtグラフィックを利用すると、箇条書きを入力後、ウィザード形式でそれなりの図解に変更してくれます
通常通り、箇条書きを入力
上部の[SmartArtグラフィック]をクリックして、エレメンツギャラリーと呼ばれる領域を表示して、アイコンをクリックするだけで図解化される
まとめ
6回にわたってお読みくださり、ありがとうございました。ちょっとライフハックでもなくなってしまった回もありましたが、ひとつでも使えそうなものがあれば幸いです。
今回で9章は終わりです。