緊急時の通話用にもう1台いっとく? 格安SIMカードが使えるカードサイズの携帯電話 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

緊急時の通話用にもう1台いっとく? 格安SIMカードが使えるカードサイズの携帯電話

2018.12.16 SUN

ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ 
緊急時の通話用にもう1台いっとく? 格安SIMカードが使えるカードサイズの携帯電話
~フューチャーモデル「NichePhone-S 4G」レビュー
2018年09月18日
TEXT:山口真弘(ITライター)

災害などの非常時に備えて、ふだん使っているスマホとは別にもう1回線、通話が可能な電話機を携行しておきたいという人は、少なくないのではないでしょうか。とはいえスマホを複数台持つとなると維持費もかかりますし、荷物も増えます。維持費を最小限に抑えつつ、持ち歩いても邪魔にならないサイズの製品があれば、興味を持つ人は多そうです。

そうしたニーズに合致するのが、フューチャーモデルの「NichePhone-S 4G」です。通話とショートメールに特化しつつ、本体は90×50mmという名刺サイズ、重量はわずか52gしかない、名前の通りニッチすぎる端末です。ちなみにベースになっているのはAndroid 6.0ですが、アプリの追加などはできず、あくまでも携帯電話という位置づけになります。
パッケージ。今回紹介しているブラックのほかにホワイトもラインナップしています

パッケージ。今回紹介しているブラックのほかにホワイトもラインナップしています

同梱品一覧。右端はUSBケーブルに差し、本体に磁力で吸着させるためのDC端子

同梱品一覧。右端はUSBケーブルに差し、本体に磁力で吸着させるためのDC端子

スマホの中では小柄なiPhone SE(右)と比べてもこのコンパクトさ。重量はわずか52g

スマホの中では小柄なiPhone SE(右)と比べてもこのコンパクトさ。重量はわずか52g

2018年9月に発売されたばかりのこの製品、初代「NichePhone-S」の後継に当たるモデルですが、従来モデルは個人的に、印象はあまりよくありませんでした。通話およびショートメールに特化した小型端末というコンセプトは惹かれるものがあったのですが、筆者の周囲で購入した知人から聞こえてくるのは酷評ばかり。特にバッテリーまわりについては、使いものにならないという評価ばかりで、購入を見送ったという経緯があります。

しかし今回の製品は、バッテリー容量が550mAh→1000mAhへとほぼ倍増したことで、電池の持ちは大幅に改善され、実用レベルに仕上がっています。試しにテザリングを2~3時間使っても、その後バッテリーが約1日持ちましたので、終日テザリングで繋ぎっぱなしにするなどの極端な使い方でなければ、ガラケー並とは行かなくとも、スマホと同じような運用で大丈夫そうです。

専用のマグネット式DC端子をUSBケーブルの先端に挿し、磁力でくっつけて行う独特の充電方法はそのままですが、バッテリーの持ちが改善されたことで外出先でこまめに充電する必要がなくなったため、従来のようにバッグの中で端子が外れないよう気を使う必要はなくなりました。

ただし、マグネット式DC端子が必須であることに変わりはないため、自宅とオフィスの両方で充電をするのであれば、マグネット式DC端子を常時持ち歩くか、あるいは買い足す必要があります。ここは少々不便さを感じるところです。
充電にあたってはmicroUSBケーブルにDC端子を取り付け、本体に磁力で吸着させます

充電にあたってはmicroUSBケーブルにDC端子を取り付け、本体に磁力で吸着させます

充電中。磁力はかなり強力ですがバッグの中だと荷物に押されて外れやすいのが欠点です

充電中。磁力はかなり強力ですがバッグの中だと荷物に押されて外れやすいのが欠点です

本製品はメールにこそ対応しませんが、SMSには対応しますので、非常時に家族などにショートメールを打って無事を知らせるにはもってこいです。欲を言うと通常のメールが送れるとよいのですが、そうなるとやれ添付ファイルがどうとか、迷惑メールがどうという話になるのは明白ですので、機能を絞り込むという意味でも、この選択は正解でしょう。

文字入力は一昔前のガラケーのレベルで、日常的に高い頻度で使うのはおすすめしませんが、非常時にこちらの状況を知らせたり、相手から届いたショートメールに返信するぶんには、操作のしづらさは感じつつも使えるレベルです。天地が狭いガラケーのボタンとは違い、ほぼ正方形の、指先でしっかりと押せるボタンサイズを確保できているのは秀逸です。レスポンスも悪くありません。
角型キーは実寸で幅10×縦9mmと大きく、親指でも余裕を持って押せます

角型キーは実寸で幅10×縦9mmと大きく、親指でも余裕を持って押せます

右側面には音量ボタンを備えるほか、底面にはストラップホールも付属します

右側面には音量ボタンを備えるほか、底面にはストラップホールも付属します

上部にはSIMカードのスロットがあります。サイズはnanoSIM

上部にはSIMカードのスロットがあります。サイズはnanoSIM

表示エリアは実寸で幅23×高さ12mm。黒い部分すべてが表示エリアではないので要注意

表示エリアは実寸で幅23×高さ12mm。黒い部分すべてが表示エリアではないので要注意

キー上段の△▽マークを押して機能を選び、OKボタンで選択します。これはSMS画面

キー上段の△▽マークを押して機能を選び、OKボタンで選択します。これはSMS画面

新しくショートメッセージを作成するには「新規作成」を選択してOKボタンを押します

新しくショートメッセージを作成するには「新規作成」を選択してOKボタンを押します

作成画面。宛先には相手の電話番号を入れます。アドレス帳からの選択も可能です

作成画面。宛先には相手の電話番号を入れます。アドレス帳からの選択も可能です

テザリングキーを押すとひらがな/カタカナ/数字/半角英数とIMEが切り替わります

テザリングキーを押すとひらがな/カタカナ/数字/半角英数とIMEが切り替わります

漢字の変換候補を表示中。使い勝手はよくはありませんが最小限のことはできます

漢字の変換候補を表示中。使い勝手はよくはありませんが最小限のことはできます

また見逃せないのが、前述のようにテザリングに対応していることです。つまり格安SIMカードを組み合わせることで、外出先でWi-Fiルーターとしても利用できるので、単に非常用の電話機としてではなく、ふだんから役割を持たせられるのです。複数の格安SIMカードを契約しているのであれば、月末近くになって容量が余りがちなカードをここに挿し、テザリングで使い切ったらまた別のカードに交換、という芸当もできるでしょう。

今回は筆者手持ちのmineoのドコモプラン(Dプラン)のカードと組み合わせてみましたが、問題なく利用することができました。また(製品名からも明らかですが)3Gのみ対応だった従来モデルと違ってLTEにも対応しているので、通信可能エリアが広いのもプラス要因です。
Wi-Fiテザリング機能を搭載。モバイル回線を持たないタブレットを外出先で使うのに最適

Wi-Fiテザリング機能を搭載。モバイル回線を持たないタブレットを外出先で使うのに最適

テザリングはボタンの長押しでON/OFFが切り替えられます。802.11b/g/nに対応します

テザリングはボタンの長押しでON/OFFが切り替えられます。802.11b/g/nに対応します

使用量は管理画面から見ることができます。これらが日本語化されているのは安心です

使用量は管理画面から見ることができます。これらが日本語化されているのは安心です

ドコモやソフトバンク系のSIMカードが利用できます。詳細はホームページに情報があります

ドコモやソフトバンク系のSIMカードが利用できます。詳細はホームページに情報があります

今回筆者が使用したmineo(Dプラン)をはじめ多数のAPN情報がプリセットされています

今回筆者が使用したmineo(Dプラン)をはじめ多数のAPN情報がプリセットされています

国内メーカーが手掛けていることもあり、各種認証もきちんと取得できているのは利点です

国内メーカーが手掛けていることもあり、各種認証もきちんと取得できているのは利点です

ユニークな機能としては、ボイスレコーダー機能があります。機能そのものはとくに珍しいわけではありませんが、本製品は本体の「5」キーを長押しするだけで録音の開始および停止ができるので、急いで録音をしたい場合にぴったりです。何らかのエビデンスを残したい場合などに、ポケットの中に入れたままでも録音を開始できるので、意外と重宝する機会も多いのではないでしょうか。

気をつけたいのは、90×50mmの名刺サイズでありながら、本体の厚みはそこそこあることです。従来のモデルは厚み6.5mmと、無理をすれば財布のカード入れに押し込むこともできなくはなかったのですが、本製品の厚みは9.5mmということで、現行のスマホと大差ありません。バッテリー容量を増やすにあたって面積を変えなかったのは英断と言えますが、もう少し薄ければ、と思ってしまうのは事実です。

文字入力の使い勝手やメールへの対応、ウェブの参照など、機能だけで言えば一般的なガラケーのほうが上ですが、月千円台で運用できる格安SIMカードと組み合わせることが可能で、かつ本体も1万円ちょっとで入手できるということで、コストパフォーマンスは良好です。

本製品に似たカードサイズ端末は他にもなくはないのですが、本製品は国内メーカーが手掛けており、各種認証もきっちりと取得しているのも利点です。またカメラを搭載しないのも、法人ユースではプラスになる場合もあるのではないでしょうか。緊急時に備えて最小限の機能さえあれば構わないという人にとって、よい選択肢だと言えそうです。
製品名:NichePhone-S 4G(MOB-N18-01-BK)
実売価格:12,800円
発売元:フューチャーモデル
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B07H2YRFCH
[筆者プロフィール]
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS

こんな記事も読まれています

この連載のすべての記事

MdN 最新刊

MdN BOOKS|デザインの本

週間アクセスランキング

12.3-12.9