品物以上に喜ばれるかも? インパクト抜群の「食べられる緩衝材 ポップコーン」~あぜち食品「食べられる緩衝材 ポップコーン」
TEXT:山口真弘(IT系以外も書くITライター)
いまから数年前、海外のネット掲示板で、日本から届いた荷物の緩衝材に、袋に入ったスナック菓子が使われていたという報告が寄せられ、評判になったことがあります。窒素による菓子袋の膨らみをそのまま緩衝材として活かすアイディアが斬新だということで、あちこちに転載されて拡散したわけですが、その後国内でもネットオークションでの取引でも類似の事例がSNSで紹介されたりと、小口の取引をするユーザーの間で相手に喜んでもらうためのTipsのひとつとなり、現在に至っています。
そんな、袋菓子を緩衝材に使うというアイディアをそのまま製品化したのが、今回紹介するあぜち食品の「食べられる緩衝材 ポップコーン」です。名前からも分かるように、塩味のポップコーンを、いかにも緩衝材といったパッケージに封入した製品です。
特徴は、なんといってもそのパッケージです。中央に大きく「食べられる緩衝材」と記されており、その下には「食べられません。」を訂正して「食べられます」と記されています。なかなかのインパクトです。
また、スミ1色のテキストを中心に簡潔にまとめられたパッケージは、緩衝材としても違和感がなく、絶妙のバランスです。シンプルに見えて、かなりこだわって作られていることが見て取れます。
その点、今回のサイズであれば、送る品物に対して過剰に大きすぎることもなく、隙間に詰めていくにも違和感がありません。ちなみに袋上下の圧着された部分を省いたサイズ(袋詰め時)はおよそ16×19cmということで、A5サイズ以上、B5サイズ以下といったところです。
またポップコーンという食材のチョイスも絶妙です。販売元のあぜち食品はもともとポップコーンを中心に事業を営んでいるようなので、ニーズに合わせて数ある候補からポップコーンを選んだわけではなさそうですが、これが仮にポテトチップスなどだと、緩衝材として使うことで、輸送中に粉々になってしまう可能性があります。袋の素材が弱いと、破片が袋を突き破るようなことがあるかもしれません。
その点、ポップコーンであれば、多少押されてつぶれることはあっても、原型を留めないほど形状が変わってしまう可能性は低く、使用後においしくいただくにも支障がありません。緩衝材とは極めて相性のよい(?)食品だと言えるでしょう。また今回の品を見る限り、ポップコーンの体積がかなり高めなので、荷重および気圧の変化などで袋が割れる可能性も低そうに思えます。
緩衝材として見た場合はもちろん割高でしょうが、受け取る側にとって嬉しいサプライズとなるのは確実なだけに、単純にコストだけで割り切るのは野暮でしょう。ノベルティとしても相性はよいはずですので、法人の方であれば、そうした使いみちもよいかもしれません。蛇足ながら、販売元のあぜち食品の会社案内には、ポップコーン販売に至るまでのこれまでの山あり谷ありの軌跡も紹介されていますので、興味を持った方はそちらも一読をオススメします。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2019.02.05 Tue