数カ月分もまとめて表示、巻物のように巻き取れるホワイトボードカレンダー~MetaMoJi「ロールカレンダー 2020」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
壁掛けのカレンダーと言えば、1ヵ月ごとにめくるタイプが主流です。なかでもマーカーを使って予定を書き込むタイプとなると、一定の記入スペースが必要になることもあり、最低でも1ヵ月区切りにならざるを得ません。
こうした月めくりタイプの欠点は、翌月の予定が別ページになっているため、めくるまでは月初の予定が目に入りにくいことです。予定をきちんと記入していたのに、カレンダーを1枚めくるまで予定の存在を失念していて直前で大慌て、そんな経験のある人も多いでしょう。
こうした月めくりカレンダーの欠点を解消したのが、今回紹介する巻物タイプのカレンダー「ロールカレンダー」です。今回は現在発売中の2020年版を紹介します。
1年のカレンダーを上へと巻き取っていく仕組み。曜日表示のプレートは別パーツ構成
最初は下段のロールに1年分が巻き取られており、それを上へと巻き取っていきます
突っ張りポールのような存在感のある支柱。ちなみに幅は約50cmあります
ホワイトボードマーカーを立てておくための簡易スタンドも付属します
月の区切りには、太い罫線で強調されていますので、いつから次の月になるのかも一目瞭然です。1日ごとに予定記入スペースが確保されており、オフィスはもちろん家庭などでも、予定を書き込んでおくのに重宝します。ホワイトボード風の素材で作られていますので、マーカーで記入した予定を消したり、書き直すのも簡単です。
1ヶ月分を表示した状態。カレンダーの高さは左右のボールチェーンで調整します
必ずしも月初から月末まで表示しなくとも、過ぎた週から上に巻き取っていけます
1ヶ月分の巻き取りが終わったら、次の月がきちんと表示されているという仕組みです
月の区切りは太線で表示されているので、月の移り変わりも一目瞭然です
またこれとは逆に、なるべく直近の予定だけを表示したい場合は、天地を短くすることで、例えば翌週までの2週間だけを表示するといったワザも可能です。スタッフの出勤予定日や休みの日を書き込んでいく時に、あまり先の予定まで分からず、コンパクトに掲示したいという場合、こうした使い方もありかもしれません。
なお一般的なカレンダーでは、一年分の前後に多少の日数の余裕をもたせているのが普通ですが、本製品も例に漏れず、2019年12月から2021年1月までの合計14ヶ月間分が印刷されています。年末のかなり早い時期からセットしておけるのは、なかなか便利です。
1ヶ月に限らず、2ヶ月または3ヶ月分をまとめて表示しておくこともできます
逆に天地を狭くして、翌週までの2週分だけを表示したりと、使い方はアイデア次第です
ネックなのは組み立ての難易度がかなり高いことです。組立説明書は、組み立て完了後に見て初めて「なるほどそういう意味だったのか」と理解できるほどで、お世辞にも分かりやすいとは言い難いので、メーカーが用意している動画での組立説明を先に見ることをおすすめします。
またきちんと完成させても、巻き取り方のズレによってカレンダーが傾いて見えたり、また別パーツの曜日表示プレートがねじれやすかったりと、神経質な人にはちょっとつらいところがあるのも事実です。他にない機能を持ったユニークな製品ですが、こうした点を許容できるかどうかで、人によって評価が大きく変わりそうです。
製品は組み立て式。完成までにはかなりの試行錯誤および忍耐が必要です
フックワイヤの曲げ具合によってカレンダー自体が傾くこともしばしば
上部パイプの中央には、カレンダーのずり下がりを防ぐストッパーが付属します
一日あたりのスペースは約5×5cm。かなりの余裕を持ってスケジュールを書き込めます

山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn