きのうの朝よりも暑い? 寒い? がすぐわかる。最大7日の温度湿度を記録しグラフで表示できる温湿度計~タニタ「TT-580」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
今年の夏は猛暑だったこともあり、自宅内にいても熱中症にかかる人が続出するなど、全国的に大きな影響がありました。年間を通しての異常気象はもはや珍しくないことからも、こうした異常な気温で健康に異常をきたすトラブルは、夏場に限らず今後も十分に起こり得るといえます。
またこれからの時期は、風邪予防のためにも湿度の管理も大事になってきます。今年は新型コロナウイルスがまだ終息していないこともあり、外出先ではマスクなどによる飛沫飛散の防止、また自宅では乾いた空気で喉を痛めないよう一定の湿度をキープすることが、重要になってくるはずです。
こうした自宅内の温度および湿度の管理に役立つのが、今回紹介するタニタの温湿度計「TT-580」です。室内向けの温湿度計はさまざまなメーカーから発売されており、特に珍しいものではありませんが、本製品ならではの特徴は、温度および湿度の推移を、グラフを使って表示できることです。
その点、本製品は24時間分の変化を、液晶画面に1時間区切りで表示してくれますので、自分が不在の時に、温度や湿度がどのように変化しているかを確認できます。リアルタイムでしか温度・湿度が確認できない製品と比べた場合の大きなメリットです。ちなみにデータは20秒ごとに、最新の情報に更新されます。
なおグラフの右端には、快適に過ごすための温度湿度の上限と下限が表示されます。デフォルトでは、温度が「17~28℃」、湿度が「40~70%」に設定されており、グラフ縦棒の先端がこの範囲内に収まっていれば、快適に過ごせるというわけです。この値は環境に合わせて、自由に書き換えることも可能です。
ちなみに利用可能範囲は、温度がー9.9℃から50℃、湿度が20%から95%となっています。今年の夏は最高気温が40℃を超えたことで、一部の家電製品で利用可能温度の範囲を超えてしまったことが話題になりましたが、本製品に関しては十分に余裕がありますので、やや極端な気候であっても、安心して利用できるはずです。
ちなみに設置方法は、背面のスタンドを使ってデスク上などに立てておけるほか、フックを使って壁面に引っ掛けておくこともできます。ざっと見た限りで、競合製品に比べると足りないのは、マグネットでスチール面に吸着させる機能くらいでしょうか。
これから冬場にかけては、温度計よりもむしろ湿度計を探す人が増える時期ですが、温度と湿度の両方に対応していたほうが望ましいのは明らかで、さらに本製品のように過去のデータを保存する機能があれば、毎朝の衣類選びひとつとっても役立ちます。いま温湿度計を選ぶのであれば、よい選択肢のひとつと言えるでしょう。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2020.10.27 Tue