コロナ禍の今だからこそ評価すべき? 丸洗いできて衛生的なウォッシャブルUSBキーボード~ロジクール「K310」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
昨年暮れ、ある医療機関で使われていた共有PCのキーボードが、新型コロナウイルスのクラスター発生の原因になったと報じられたことがありました。
実際には可能性のひとつにすぎなかっただけで、報道自体ややオーバーだったようですが、共有PCのキーボードはさまざまな人の指先が触れることもあり、用心するに越したことはありません。
こうした不特定多数のユーザーが使う共有PCで、少しでも衛生的に使えるキーボードを探すならば、今回紹介するロジクールのウォッシャブルキーボード「K310」は、理想にかなり近い特徴を備えた製品です。
最大の特徴は、キーボード本体が丸洗いできる、ウォッシャブル構造を採用していることです。これならば定期的に本体を真水で洗い流し、衛生的な状態を保つことができます。
キートップはベースから浮いた構造になっており、一般的なキーボードのようにキーの隙間にゴミが挟まることがありませんので、雑菌の繁殖を防ぐのにも効果的です。ブラシも付属しており、こびりついた汚れも掻き出すことができます。
キートップがフラットなことも特徴です。キートップがくぼんだ製品だと、ウェットティッシュなどで表面を拭っただけでは、くぼみの部分をきちんと拭き取れないこともしばしばですが、本製品はそうした心配もありません。
さらにキーそのものも取り外せるので、洗剤でまとめて洗うことで、衛生的な状態を保つことができます。一般的なキーボードは取り外しに専用器具が必要になりますが、本製品は手で簡単に取り外すことができます。
キータッチはややフニャフニャとしており、価格相応の印象は否めませんが、ストロークは十分に深く、ノートPCに多いアイソレーションキーなどと比べても、きちんと押し込んだ感覚があります。上段ファンクションキーも、F1~F4、F5~F8と4つずつのグループになっており、判別しやすいのも利点です。
ケーブルは1.8mとかなり長くしなやかで、PCがデスクの下にある場合でも、余裕をもって設置できます。ちなみにUSBポートにはキャップが付属しており、ケーブル部を含めた水洗いにも対応します。
また直接の後継品がいまのところなく、今後が不透明なのも困りものですが、現状の新型コロナウイルス禍などでニーズありと判断されれば、継続およびニューモデルの登場も期待できるかもしれません。いまだからこそ注目すべき、キーボード選びの候補に入れておきたい製品です。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2021.03.09 Tue