背面にアイスパックを入れて、USB扇風機らしからぬ冷風で集中冷却できるコンパクトな卓上ファン~ドウシシャ「CFW-83B」レビュー。
卓上用の扇風機の中には、タンクに水を入れ、気化熱によって涼しい風を送る製品があります。通常の扇風機に比べて冷却効果は高く、またエアコンが苦手な人にも適していますが、水の入れ替えは手間がかかるほか、転倒させて水がこぼれるリスクもあり、書類や電子機器の近くで使うには適しません。
本体に水ではなく保冷剤(アイスパック)を入れることで、こうした問題を解決したのが、今回紹介するドウシシャのアイスパック付充電式デスクファンです。
本製品の外観は、一般的な卓上ファンと変わりがありません。背面および側面から空気を取り込み、正面に向かって風を送る構造で、ややレトロなデザインのボディ下部にあるボタンを押すことで、電源のオン・オフ、風量の調整が行えます。
そんな本製品の最大の特徴は、背面のパネルを外して、凍らせた保冷剤を入れられることです。これによって、保冷剤によって冷やされた風が、正面から吹き付けられる仕組みになっています。
保冷剤であれば、うっかり転倒させて水をこぼすこともありませんし、また放置しておいても、雑菌が沸くリスクは低めです。同梱の保冷剤だけでなく市販品も使えますので、複数の保冷剤をあらかじめ用意しておき、それを交換しながら使うことで、長期的に涼しい風を送ることもできます。
さて、実際の効果はどうでしょうか。エアコンのような、あからさまに冷たい風が吹き出てくるわけではありませんが、それでも一般的な扇風機の風と比べると明らかにひんやりとした風が出てきます。汗をかいている時など、集中して冷たい風に当たりたい場合にはぴったりです。
ただし30分も運転していると保冷剤がすべて溶けてしまい、効果がなくなってしまいます。なるべくサイズの大きい保冷剤を入れておくにしても、背面のスペースには限界があります。この点だけは構造上、致し方ありません。
もっとも本製品の場合、この保冷剤がなくても、扇風機としての基本性能に優れています。送風は「弱」と「強」の2段階に加えて、一定のパターンで弱と強を切り替える「リズム」という機能も搭載していますので、強い風に常時当たりたくないけれども、弱い風では物足りない場合にもぴったりです。
また、以前紹介した2WAYタイプのUSB扇風機では対応していない、上下方向の角度調節にも対応しますので、顔に当てたい場合や体に当てたい場合など、風の角度を自由にコントロールできます。市販のUSB扇風機は、上下方向の角度調節ができない製品が意外と多いため、この機能は重宝します。
ちなみに本製品は、通常はUSBケーブルを接続して使いますが、バッテリー駆動にも対応しています。風量「強」で3時間、「弱」で8時間の駆動が可能ですので、ケーブル接続が難しい場所への持ち込みも可能です。充電時間は約5時間と、標準的な時間です。
背がやや高いことから、見た目は大柄に見える本製品ですが、実際には手元に置いて使うのに適したサイズで、なおかつファンのサイズも大きく、かなりの風量が得られます。
個人的には「弱」「強」「リズム」のほかに「中」があるとさらによかったように思いますが、保冷剤を入れられるという特徴がなくとも、USB扇風機としてはかなりの実力派です。国内メーカーの製品であることもプラスで、この夏におすすめできる1台です。
製品名:アイスパック付充電式デスクファン(CFW-83B)
実売価格:3,000円
発売元:ドウシシャ
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B08YR859QH/
2021.07.06 Tue