これからライター、Webライターになりたい人&なりたての人に向けてお届けする「あたりまえライター処世術」。11回目のテーマは、「専門分野について考える」。経験を積み、仕事が増えていったとしたら。今までのようになんでも仕事を引き受けるべき?それとも、自分の興味がある、好きな分野を伸ばしていくべき?将来のことを考えます。
はじめに
この連載も残り2回!11回目のテーマは“将来のこと”について触れたいと思います。フリーランスのライターとしてデビューしてすぐは、いい仕事に巡り会えなかったり、安いギャラの仕事しかなかったり、大変なこともたくさんあると思います。生活のために、どんなジャンルであっても引き受けなくては……なんてことも。
けれど、着実に、丁寧に、仕事をして、仕事が増えていったときに、デビューしたてのころと同じように、なんでもかんでも仕事を引き受けるべきなのか。わたし個人として思うのは、少しでも自分の興味がある、好きな分野を伸ばしていくべきで、それがライターとしてがんばれるコツなのではないかと思います。
専門分野があるって心強い!依頼したくなる!
編集さんの考えの一つとして、「この人は●●に詳しいから、このジャンルをお願いしたい。書いてもらいたい」という考えがあります。たとえば、アート系が得意なライターに、金融関係の記事を依頼はしないですよね?実際、わたし自身が編集としてライターに仕事をお願いするときも、アート系の記事を書いてもらうなら、アートをよく知っている人をいちばんに選びます。
つまり、「このジャンルではこの人にお願いしなくては!」と思わせることが大事。その分、自分が進んでいく分野の知識量を増やす、文章力を上げるなどの努力はしなくてはいけません。
とはいえ、いきなり専門分野を見つけるのは難しいですし、ガッチリ専門分野を決めすぎなくてもいいと思います。例えば、旅だけに特化するのではなくお出かけ情報全般にする、ライフスタイル関連の記事に力を入れるなど……。ただ特定の分野では、突き詰めていかないといけないものもあるので、目指す方向性が決まったら、自分なりに調べていってみてくださいね。
専門分野があるとないではどう違う?モコ(仮)の場合
ちなみにわたしは、いくつかのジャンルに絞って記事を執筆しております(^^)。専門分野がある・ないで感じたことをまとめてみたので参考になれば……。
1)専門分野、得意なジャンルがあり、かつ、しっかり納品できていると、安定して仕事が来る。ただし、わたしの場合は一つのジャンルに絞るわけではなく、複数のジャンルで仕事を受けています(ただし興味のある分野にしています)。フリーランスなので何かあったときのためのリスクヘッジという意味もあります。
2)わたしも、わりといろいろな仕事をしていました。しかし、自分と合わない仕事をしてしまうと、企画が思い浮かばなかったり、原稿が書けなかったりと、ストレスが……。なので、自分に向かないと思ったもの、伸ばしていきたいジャンルでないときは断るようにしています。
3)「このジャンルで仕事をして行くぞ!」と決めたら、担当編集以上の知識を身に付ける、しっかりリサーチできるようになる。編集さんも豊富な知識がある人の方が安心です。
4)“なんでもかんでも引き受ける”というのは、便利屋にされてしまう気がします(市場価値も低い!?)。自分が編集だった場合、「なんでもやります!」と言われるより、「このジャンルでがんばっていきたい」という方が説得力がありますね。
あふれるようにフリーランスのライターがいる今だからこそ、自分が書き続けていきたい、好き・興味のあるジャンルを見つけ、スキルの高いライターをめざすのがベストなのかもしれません!
第11回 まとめ
なんでもやりますは、自分の価値を下げる可能性があり。自分の進むべき道を見つけ、スキルの高いライターを目指そう。
次回はついに最終回……!
著者プロフィール
- モコ(仮名)
- 編集、ライター
- 都内住みのしがない編集兼ライター。フリーランスになって早5年が経とうとしている。広告関係の案件を担当したり、編集部から依頼されて原稿を書いたり、いろいろする人。
2020.12.14 Mon