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「Googleの最新ブラウザ『Chrome』──中編」 - MdN Design Interactive

2026.4.29 WED

最新キーワードを読み解くためのニュースコラム

「Googleの最新ブラウザ『Chrome』──中編」
2008年9月22日

TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)


Googleが独自にブラウザをリリースしたことでWebをよく知る人たちがまず疑問に思ったのはFirefoxを開発しているMozzila財団との関係だろう。

Mozilla財団は、Firefoxのデフォルトの検索サービスにGoogleを採用しているが、この設定の大小として、Googleは2006年までに総額5700万ドルを支払っており、しかも、2008年8月には2011年までの継続契約を取り交わしている。この金額はMozilla財団の収益の実に80%以上を賄う金額であり、つまりはFifefoxの開発はGoogleの支援なしに成立しない。

Google Chromeのインターフェイス

MozillaのWebサイト
http://www.mozilla.com/en-US/


今回Googleは自社開発のブラウザ「Chrome」をリリースしたわけだが、コアになるレンダリングエンジンはSafariと同じWebKitを使っていることは前回に述べた通りだ。

つまり、GoogleはFirefoxともSafariとも蜜月であり、彼らのシェアを自ら落とすようなことをする必要がない。反対にIEとの関係は、Googleからすると、一方的な依存である。GoogleはWebの利用者に対する検索サービスの提供と、その見返りとしての広告収入を得ている。Web閲覧の世界の70%以上を抑えるのがIE6とIE7である以上、いまのところGoogleはMicrosoftの掌の上にいることになり、ある意味非常に危険な状態にあるといえるのである。

前回のコラムでは、GoogleがMicrosoftのWindowsの天下を覆そうと考えていると書いたが、反対にMicrosoftに死命を預けているような今の状態から、一刻も早く脱却することがGoogleにとっての最優先事項になっている、ともいえるだろう。

Googleからすれば、ブラウザは彼らが望むHTML+CSS+JavaScriptの標準的なWebをサポートしていてくれればそれでよく、そのうえであれば多種多様なブラウザが存在していてもかまわない。

ただひとつ、自らと限りなく利害関係が密接なMicrosoftとの戦争に勝つ、それがGoogleの戦略目標をもって、IEのシェアをできる限り短期間に落とす、という行動に出ているのである。

次回は、Chromeがもたらす新しいWebの姿を推測したい。


記事リンク
「Googleの最新ブラウザ『Chrome』──前編」へ
「Googleの最新ブラウザ『Chrome』──後編」へ



小川浩氏近影

[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。




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