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「3人のゲストエディターが参加した雑誌『wallpaper』」
2008年9月18日

TEXT:蜂賀 亨
(クリエイティブディレクター/エディター)



最近、海外の雑誌などでゲストエディターを迎えるケースが増えてきている。普段は雑誌の編集に関わっていないアーティストやデザイナーなどがエディターとして参加することによって、雑誌そのものがリフレッシュされ、飽きやすくて気まぐれな読者を再度引きつけたり、新しい読者を増やしたりもしている。

ロンドンのインテリアライフスタイル雑誌『wallpaper』10月号は昨年に引き続き、今回も3人のゲストエディターを迎えた。昨年はファッションデザイナーのエディ・スリマン、プロダクトデザイナーのディーター・ラムス、そしてアーティストのジェフ・クーンズといった男性3人をゲストエディターとして迎えたが、今回は「Girl power」と題し、3人の女性アーティストが参加している。前回同様に3人それぞれが表紙をデザインし、3種類のカバーデザインが存在している。ちなみに前回はエディ・スリマンデザインによるカバーのものだけにポスターがついていたようで、3種類あったうち1種類だけがあっというまに売り切れになってしまった。

今回の『wallpaper』にゲストエディターとして参加しているのは、六本木ヒルズの巨大な蜘蛛のスカルプチャーで有名なアーティスト、ルイーズ・ブルジョア。フランス生まれで、現在はNYを拠点として活躍している彼女はなんと現在97歳。2人目はバクダット出身でイギリス在住の建築家ザハ・ハディッド。2008年5月に東京代々木国立競技場で開催された「シャネル モバイルアート」のパビリオンをデザインしたことで有名なアーティストだ。そして、もう1人は日本人でファッションデザイナー、川久保玲が参加している。

ロンドン、NY、そして日本。彫刻家、建築家、ファッションデザイナーといった国籍も、分野も違う3人の女性アーティストたちが、自分が気になるアーティストのビジュアルや、切り抜いた紙のページなど、与えられたページを自由に構成している。通常の雑誌にはない、新しさや面白さがそこにはある。そして、こんなに豪華なメンバーが参加しているのは『wallpaper』というメディアだからこそ。アートファンやファッションファンにとってはまさにコレクティブな1冊だ。

既存のシステムや方法論ではなく、少しだけ編集方法や視点を変えてみると、またそこに新しいなにかがきっと見つかるいい例ではないだろうか。雑誌が売れなくなってきたと嘆くだけではなく、雑誌だからこそできる面白いことはまだまだきっとあるに違いない。

『wallpaper』 2007 october
『wallpaper』 2007 october
手前:エディスリマン、右白い表紙:ディーター・ラムス 左:ジェフ・クーンズによるデザインのカバー。中は同じ


『wallpaper』 2008 october
『wallpaper』 2008 october
右:川久保玲、左:ザハ・ハディッドによるデザインのカバー。もう1種類ルイーズ・ブルジョアのものがある




蜂賀氏近影

[筆者プロフィール]
はちが・とおる●クリエイティブディレクター/エディター。ピエブックスを経て、クリエイターマガジン『+81』を企画/創刊させて11号まで編集長。その後ガスプロジェクトにあわせて、書籍「GAS BOOK」シリーズ、雑誌『Atmospehre』編集長などを担当。現在はフリーとしてグラフィックデザインを中心に企画/ディレクションなどで活動中。
http://www.hachiga.com/






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