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テクノロジー

Adobe Premiere Proベータ版の新機能がすごい。「えーと」や無音の一括削除や文字起こしの機能強化で動画編集が超はかどる!

2023.10.02 Mon

Adobeは9月13日、Adobe Premiere Proなどビデオ編集ソフトのベータ版にてAIを活用した新機能をリリースしました。特に注目すべきはPremiere Proの文字起こし機能の強化で、「えーと」「あの」といった無意味なセリフを一括でまとめて削除できるようになります。本記事では実際にPremiere Proベータ版を使い、動画編集にかかる時間が大幅に縮小できそうかどうか試してみました。

Adobeビデオ製品の新機能概要と特徴

AdobeがIBC2023で発表したビデオ製品の最新アップデートは、YouTubeの動画制作をするクリエイターには大きなインパクトとなりそうです。Adobe Premiere ProとAdobe After Effectsのベータ版がリリースされ、それぞれの製品でAIと3Dの新機能が追加されました。

Adobe Premiere Proベータ版の新機能には、音声のクリーンアップがより迅速に行える「スピーチを強調」や、文字起こしベースの編集での「フィラーワードの検出」、自動トーンマッピングの強化などが含まれています。無意味なシーンをまとめて選択して削除できるので、これまで動画編集にかかっていた時間を大幅に短縮できる期待ができます。

また、Adobe After Effectsのベータ版ではクリエイティブなビジュアル表現が可能になります。3D機能を特に強化していて、コンポジションに3Dモデルを読み込み、統合された空間上で操作、奥行きと深みを加えられます。さらにロトブラシにはAIモデルを搭載し、腕や髪の毛などの重なりがある被写体であっても、手軽に背景からの分離が可能となりました。

Adobe Premiere Proの「フィラーワード(つなぎ語)の検出」を試してみた

ここからはAdobe Premiere Proベータ版に搭載された「フィラーワード(つなぎ語)の検出」を使って実際に動画の検出と除去を試してみます。まずはiPhoneで撮影した31秒の動画を用意しました。「本日は天気が非常に良い1日でした。でも、ここから雨が降るそうです。傘を持ち歩くのに傘を持ち歩くのを忘れないようにしましょう」と話していますが、話し始めや話の間に「えー」や「無音」といったカットしたいシーンが入っています。この動画がどの程度まで短くなるのか確認していきます。

まずは動画素材を読み込みます。「読み込み時の設定」にある「自動文字起こし」をオンにします。言語は「日本語」、スピーカーのラベル付けは「はい、スピーカーを区別します」、文字起こしの環境設定は「読み込まれたすべてのクリップを自動文字起こし」に設定して読み込みました。

自動文字起こしをオンにして読み込む

すると編集画面のシーケンスに動画素材が配置されますが、文字起こしの内容を確認するための画面を表示しなくてはいけません。メニュー画面の「ウィンドウ」から「テキスト」選択します。

動画素材が読み込まれた

動画でしゃべっている内容がしっかりと表示されています。テキストの認識率もかなり高いようです。

自動で文字起こしされた

テキストのウィンドウに表示されているフィルターのマークを選択します。すると「テキスト」「つなぎの言葉」「語間」「検索設定」といった表示が確認できます。まずは「えー」「あー」といった無意味な発話をカットしていきたいので、「つなぎの言葉」を選択します。

「つなぎの言葉」を選ぶ

「つなぎの言葉」にあたる部分に「filler」とオレンジ色に表示されました。

「filler」がオレンジ色に表示される

「filler」を選択すると、動画内の該当箇所も選択されるので、Deleteキーを押すだけで削除されました。手作業でカットしていく際には動画の素材と素材に起こる間を詰める作業も必要になりますが、この機能を使うとリップル削除も行ってくれるので、とても簡単に不要なシーンを削れます。

該当箇所が選択される
Deleteキーを押すだけで削除され、リップル削除もされた

次に無音のシーンをカットしています。先ほどと同じくフィルターを開き、今回は「語間」を選択します。「…」というカ所が複数選択されました。

無音のシーンを抽出

 「削除」を押してから、「すべて削除」を選択します。するとすべての無音がカットされ、動画全体がとてもなめらかになりました。

ゴミ箱マークを選択してから「すべて削除」を選択

動画の長さは最終的に12秒となりました。作業時間は数分で完了するので、動画素材が長ければ長い程、編集時間の短縮が可能になるのではないでしょうか。

30秒の動画が不要シーンのカットで12秒に

ただし注意点として、言い直しなどの検出はされないので、うまくしゃべれなかった場合のリテイクなどは手動で削除が必要です。 

Premiere Proで動画編集の時短が可能に

Premiere Proベータ版では既に「文字起こしベースの編集の強化」が搭載されていますが、本製品への搭載は今秋の予定となっています。動画編集を経験したことがある人であれば、新たに搭載された機能が驚いてしまうほど革命的であることが想像つくはずです。本機能への搭載が待ち遠しいですね。

また、文字起こしした内容はキャプション機能で字幕として表示することもできます。英語だけでなく日本語にも対応しているのでベータ版でも十分に実用性があると言えるでしょう。動画制作や動画編集を行うクリエイターは試してみることをオススメします。

関連ページ:アドビビデオ製品最新アップデート

アドビ
URL:https://www.adobe.com/jp/
2023/10/02

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