近年、トイカメラやインスタントカメラで撮ったレトロな写真が再評価されていますが、さらに原始的なレンズのないカメラ「ピンホールカメラ」も趣のある写真を撮ることができます。そこで今回は、組み立て式のピンホールカメラ、「JollyLook PINEHOLE MINI INSTANT CAMERA DIY KIT」(ジョリールック ピンホールミニインスタントカメラDIYキット、以下JollyLook PINEHOLE )をご紹介します。シンプルな木製素材なので、カメラ本体をペインティングして自分好みにすることも可能です。
「JollyLook PINEHOLE」の内容物と組み立て準備
「JollyLook PINEHOLE」は、ウクライナ発(スロバキア製)の組み立て式ピンホールカメラです。ピンホールカメラとは、レンズを使わずピンホール(針で開けたような小さな穴)を通した光でフィルムなどの感光材に像を写すカメラで、15世紀頃から使われていました。「JollyLook PINEHOLE 」はその原始的なカメラを自身で組み立てるDIYキットです。
開封すると、部品やパーツがまとめられた8つのパックがあります。裏には1〜7の番号が付いていて、ネジのマークのものはネジやスペアパーツなどが入っています。他に取扱説明書とピンホールカメラを入れる収納袋が付いていました。
取扱説明書は英語ですが、ほとんどイラストだけで理解できるように書かれています。また、購入時に添付されるQRコードから日本語版の取扱説明書をダウンロードでき、組み立て動画も見られます。
自分で用意する必要がある道具はプラスのドライバーのみです。径1.6mm~2.0mmのネジに使用するプラスPH0のドライバーが推奨されています。
組み立てる際は、取扱説明書をよく見てパーツの向きを間違えないよう注意しましょう。特に左右対称の形のものは表裏がわかりづらいですが、ネジ穴が大きい面と小さい面があるので、ネジ穴の大きい面を表にしてとめていきます。
ネジなどのパーツと同梱されている白い六角形のものはワックスです。稼働部やパーツをハメ込むときの滑りがよくなるので、取扱説明書で「WAX」と書かれた部分に塗ります。木製パーツの穴に別のパーツをハメるのは少し難しいですが、真上から一気に押し込むよりも左右に揺らしながら少しずつ押していく方がうまく入りました。それでもパーツをハメ込むのが難しい場合は、紙やすりも同梱されているので適宜やすりがけをして調整するといいでしょう。
ピンホールカメラの組み立て&ペイント
ここからは1〜7のパックを順番に開封し、ピンホールカメラを組み立てていきます。パックを開封した際にパーツをなくさないよう、トレーなどに出すと安心です。接着剤は使わず、ネジでとめるか穴などにハメ込んでいきます。
これらのパーツを1つに組み立て、ピンホールカメラを完成させます。未使用のときは収納や運搬がしやすいようジャバラが中に収まってフロントカバーが閉まり、撮影時はフロントカバーを開けてジャバラを引き出します。
そのままでもピンホールカメラ自体のデザインがカッコイイのですが、無塗装の木製なので絵の具やペンなどで好みのペイントをすることもできます。ここでは胡粉ジェッソで白に塗った後にこげ茶のアクリル絵の具で汚しを入れ、アンティーク風に仕上げました。焼印の文字は金色のアクリル絵の具でなぞっています。
ピンホールカメラで写真を撮影してみよう
ピンホールカメラが完成したら、撮影にチャレンジしてみます。フィルムはチェキなどで使う「Instax mini」が使用でき、これは10枚入り1,000円前後で販売されています。ブレずに撮影するためには、三脚に付けるか台などの上に置くとよいでしょう。ピンホールカメラの下側には三脚の雲台と接続するためのネジ穴があります。
次に、フィルムを入れます。まず、サイドにあるハンドル(クランク)をカチッという音が鳴るまで回します。そうしたらバックカバーを開けて、Instax miniのフィルムカセットをセットし、バックカバーを閉めます。1枚目は黒い保護フィルムが入っているので、クランクを回して取り出します。
ここまで準備ができたら、いよいよ撮影開始です。まずはフロントカバーを開きます。フロントカバーの内側には対象物までの距離を示すアイコンが描かれていて、近い順に花、1人、2人、3人、家、山となっています。上部に折りたたんであるビューファインダーを引き上げ、その下にあるボタンを押してロックを外し、被写体との距離に応じてジャバラ部分を前に引き出します。そしてビューファインダーを覗き、構図を決めます。
そしてバックカバーにある露出計算機の矢印を、撮影場所の明るさに合わせます。明るい順に船、太陽、雲と太陽、雲、家のアイコンになっています。例えば晴天の屋外では太陽のアイコンに矢印を合わせ、矢印の反対側にあるフロントカバーと同じアイコンのうち実際にジャバラを出した位置を見ると、ピンホールに光を入れる時間の目安がわかります。
撮影は、ジャバラの先端にあるシャッター(ピンホールを隠すカバー)を開き、露出計算機で示された時間になったら閉めるだけです。晴天時の遠景であれば0.5秒ほど、屋内の近距離であれば10分以上と撮影条件によりシャッターを開ける時間は大きく変わります。
ピンホールカメラの撮影では、シャッターを開いて光を入れる適切な時間を把握するのは少し難しいです。露出計算機で目安の時間がわかるとはいえ、特に明るい屋外では1秒でも短いと暗くなり、1秒でも長いと光が入りすぎて白っぽい写真になってしまいます。撮ってみて暗すぎたり明るすぎたりしたら、シャッターを開いている時間を調節して撮り直します。シャッターを閉じた後はクランクを回し、フィルムを取り出します。ピンホールカメラは逆さに撮れるものなので、写真は上下逆さの構図で出てきます。ぶじに撮影できていれば、90秒ほどで写真が浮かび上がってきます。
まとめ
ピンホールカメラは原始的な仕組みなので、組み立て自体はそう難しくありません。お子さんと一緒に学習の一環として楽しむこともできます。また、カメラ自体のデザインがカッコよく、好みのペイントにできるのもクリエイティブ好きには嬉しい点でしょう。
撮影では、露出計算機で目安がわかっても、どれくらいの時間シャッターを開けるときれいに撮れるのかを把握するのが少し難しいです。何枚か実際に撮影してみて適切な時間を見つけていくことになる場合もあります。また、昨年頃からチェキ人気によりフィルムが品薄になっているようで、対応フィルムのInstax miniが実店舗では完売のところが多く、ECサイトでも購入制限があるなど少し入手しづらい状態でした。フィルムは量と時間ともに余裕を持って用意することをオススメします。
昨今ではスマホのカメラでもかなりクオリティの高い思い通りの写真が撮れます。しかし、ピンホールカメラはプレビュー機能がないため、撮ってみないとどんな写真が撮れているのかわかりません。レトロな質感に加えて、思い通りにならない偶然性がデジタルカメラにはない魅力となっています。そんな「JollyLook PINEHOLE」ですが、興味のある方は是非試してみてください。
- DATA
製品名:JollyLook PINEHOLE MINI INSTANT CAMERA DIY KIT
定価:17,800円(税込)
発売元:大橋写真機店
商品情報サイト:https://jollylook.jp/
公式ECサイト:https://jollylook.jp/products/jlk1-jlk001
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B0BMDVR233/
- 平田順子
- ライター・編集者
- 大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を手がける。近年はデジタルマーケテイング媒体での執筆が増え、クリエイターをはじめマーケターや経営者の方々の取材を手がけている。https://junkohirata.work/
2024.10.24 Thu