最近のスマホは、イヤホンジャックを搭載していない機種が増えつつあります。有線での接続にこだわり、機種選定時にイヤホンジャックがあることを条件にする人もいるでしょう。
一方でその中には、今使っているお気に入りの有線イヤホンをそのまま使えさえすれば、有線か無線かには特にこだわらないという人もいるのではないでしょうか。
こうした人におすすめなのが、既存の有線イヤホンをワイヤレス化できるBluetoothアダプタです。複数のメーカーから製品が発売されていますが、今回は音楽再生に特化した、エレコムの製品を紹介します。
利用にあたっては、まず本体上面の3.5mmジャックに有線イヤホンを差し込みます。物理的に差し込むだけですので、イヤホンでもヘッドホンでも、あるいはスピーカーであっても、3.5mmのピンジャックに差し込めさえすれば問題ありません。
続いてスマホとBluetoothのペアリングを行います。具体的には、本体側面のスイッチをオンにして、スマホ側で「PAR01」という型番が表示されれば、タップするだけで接続が完了します。ワイヤレスイヤホンを初めて使う人でも、それほど迷うことはないでしょう。
以上で設定は完了。既存のイヤホンやヘッドホンが、Bluetoothを経由してワイヤレスで利用できるようになります。専用アプリをインストールするような手間はかかりませんし、もちろんスマホにイヤホンジャックがなくとも問題ありません。
3.5mmジャックに差し込むことさえできれば何にでも対応しうる便利な製品ですが、もともと有線の製品を力技でワイヤレス化しているため、万能ではありません。例えばイヤホン側の再生/一時停止ボタンや、音量調整ボタンなどが利用できないのはそのひとつです。
また、BluetoothのプロファイルがA2DPのみ、コーデックはSBCのみで、音の遅延は少なからず発生します。音楽を聴く場合は問題ありませんが、話者の口の動きと音声が合っていないと気持ち悪く感じるトーク番組などは、本製品の利用にあまり向いていません。
さらに、Bluetoothデバイスということで、この製品自体、利用にあたっては定期的な充電が必要です。充電の手間を嫌って有線イヤホンを使い続けている人にとっては、わざわざ本製品を使う意味はありません。バッテリーも、満充電での駆動時間が6時間と、それほど長くないのもデメリットです。
このように、気をつけるべき点はなくはないのですが、手持ちの有線イヤホンの音質やデザインが気にいっていたり、あるいはイヤーピースがオーダーメイドであるなど、コスト以外の理由で有線イヤホンを使い続けたい人にとっては、救世主のような存在です。
ちなみに今回紹介した製品は、ちょうどモデルチェンジの時期なのか、すでに流通在庫のみとなっており、価格も千円を切るなど(本稿執筆時点で999円)、気軽に試すのにぴったりです。
他社製品ではさらに遅延の少ないコーデックに対応した製品や、音楽再生以外にも対応する製品もあるようですので、自分の用途に合った製品を探してみてはいかがでしょうか。
- DATA
製品名:LBT-PHP01AVBK
実売価格:999円
発売元:エレコム
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B01N7DGN1J/
2020.06.30 Tue