毎日使用しているわけではない予備のマウスは、いざ取り出して使おうとすると、電池がなくなっていることもしばしばです。出張用のPCや、緊急時のためのサブPCなどとともに持ち歩いているマウスでは、こうした事態がよく起こります。
こうした場合にぴったりなのが、今回紹介する「SMART R MOUSE」です。これはリコーが開発した固体型色素増感太陽電池を本体に内蔵し、1日12時間600lxの照明が照射されている室内では、充電不要で駆動できるワイヤレスマウスです。
電池自ら発電することが売りのこの技術、2020年秋に発表された時に、その採用例としてこのマウスの名前も挙がっていたのですが、その後目立った告知もないままひっそりと発売になり、筆者も今年夏になってようやく現物をAmazonでゲットしました。画期的な技術を使った製品にしては、実売価格は千円台と格安です。
安価なプライスにもかかわらず、使い勝手はなかなか秀逸です。ホイールの代わりに搭載されているタッチパネルは感度もよく、スクロールも容易に行えます。またワイヤレスレシーバーを採用しており、ドライバのインストールやペアリングの作業もなしで、USBポートに挿してすぐ使えるのも利点です。
現時点では購入後3ヶ月程度しか使っていませんが、いまのところ売り文句の通り、一切の充電なく使えています。いざという時のために有線で充電を行うためのケーブルも付属しており、それを使った場合は90秒でフル充電が行なえますので、そうした意味でも安心感があります。
マウスとしてはいわゆる2ボタンマウスで、ブラウザの「戻る」「進む」に相当する拡張ボタンはもちろん、ホイールクリックにも対応しないため、多ボタンマウスに慣れているとやや辛いところがありますが、普段使いではなく、予備PCと組み合わせて使うのならば十分でしょう。
さらにボディの中央から折りたたむことで、体積を半分ほどに減らすことができます。これにより、バッグの中に入れての持ち運びも容易です。冒頭に述べた、出張用のPCとの組み合わせにもベストマッチです。こうしたギミックがありつつ前述のように千円台というのは、かなりリーズナブルに感じます。
なお充電不要なのは「1日に1時間操作した場合」とのことなので、普段使いのマウスとして毎日数時間使うのであれば、別途充電を考慮する必要があります。前述のようにボタン数が少なく、最低限の機能しかないことを考えると、普段使いにはやや向かない仕様ということになります。
唯一のネックは、この太陽電池パネル面が、手のひらで覆ってしまう位置にあるため、利用しながらの充電には対応しないことです。マウスは一般的に、使用中は本体上面をほぼ完全に被ってしまうので、当然といえば当然なのですが、ちょっとした盲点と言えます。
本製品は90秒の急速充電に対応していますので、USB給電ができる環境であればそれほど困ることはないのですが、ソーラーパネルから充電できない状態のまま長期間放置されていた場合は、いかに本製品と言えど、すぐに使えない可能性はあることは、考慮しておいたほうがよいでしょう。そこさえクリアできれば、頼もしいパートナーになってくれるはずです。
- DATA
製品名:SMART R MOUSE
実売価格:1,628円
発売元:ビフレステック
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B097SNKF8C/
2021.10.05 Tue