最大45WのUSB PDにも対応、出張や旅行で大活躍の3ポートUSBアダプタ~Nimaso「TC-063」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
今年夏に発売になったiPhone 11では、標準添付の電源アダプタが、USB Type-C仕様のモデルに変更されました。iPhone本体側のポートは従来と同じくLightningですが、出力側にUSB Type-Cを用いることで、USB PD(USB Power Delivery)に準拠した高速充電を行おうというわけです。
もっともこの電源アダプタは搭載ポートがUSB Type-C×1のみで、複数のデバイスを持ち歩く出張や旅行のお供にはいまいち向いていません。ボディサイズはなるべく控えめなまま、USB Type-Cポートに加えて複数のポートを搭載したモデルがほしい、そんな人は少なくないのではないでしょうか。
今回紹介するNimasoの「TC-063」は、そうしたニーズにぴったりの、USB Type-C×1ポートに加えてUSB Type-Aを2ポート、合計3ポートを搭載した電源アダプタです。
自宅に設置するならば、ポート数が足りなければ、単純に電源アダプタを買い足せば済みますが、出張や旅行に持ち歩くとなるとそうはいきません。1台の電源アダプタで、USB Type-Cと、最低でも2ポートのUSB Type-Aを搭載したモデルがあれば、荷物も減らせてベターです。
この製品は、そうしたニーズにぴったりフィットします。ボディサイズも、合計3ポートを搭載したモデルとしてはかなりコンパクトで、プラグも折りたたみ式ゆえ、バックに入れて持ち運ぶ場合も邪魔になりません。PSE認証も取得済ですので、国内での利用も支障ありません。
つまりこの製品があれば、iPhone 11シリーズを高速充電できるのはもちろんのこと、iPad Proや、USB PDによる急速充電に対応したノートPCにも使えるなど、つぶしが利くというわけです。またUSB Type-Aポートも、最大4.2Aまでの出力に対応していますので、2.1A出力の機器を2台つなげられるなど、かなりのポテンシャルがあります。
なおUSB PD対応の電源アダプタの中には、規格に準拠していない信号のやりとりを行って危険な充電を行う製品もありますが、筆者がチェックした限りでは怪しい挙動はなく、デバイスとの間できちんと定められた手順でやりとりをし、安全な高速充電を行っているようです。ただし製品背面に書かれている出力値の中で「14.5V/2A」だけは確認できず、非対応の可能性があります。
ただし、これはiPad Proだけで45Wの出力を使い切っているのが原因で、iPhone 11シリーズを接続した場合は最大18Wしか使わないため、USB Type-A側も(低速であっても)同時に充電が行なえます。こうした仕様は、Type-CとType-Aの両方を搭載したUSB電源アダプタでは概ね共通なので、ユーザーの側で運用を工夫すべきでしょう。
このほか、日本HP製のノートPCには対応しないなど若干の制限はあるようですが、価格も2千円台と安く、セール時はさらに安くなる場合もあるようです。筆者は購入して約半年ほど利用していますが、これまでに不具合もなく、十分に合格点が付けられます。
なお今回紹介したホワイトモデルは現時点では終息しているようで、現時点ではブラックモデルと、ケーブルが付属したセットモデル、またホワイトはボディがひとまわり大きい61Wモデルのみの販売となっています。両端がUSB Type-Cのケーブルは単体では高価なことが多いため、ケーブルのセットモデルがお得と言えそうです。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2019.10.21 Mon