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三戸なつめの東京文具さんぽ

2022.07.13 Wed

華やかな千代紙に、おしゃれな便箋・レターセットも!日本橋で200年以上続く和紙舗「榛原」

構成:編集部 取材・文: 水澤舞衣子 撮影:米山典子 ヘアメイク:桂川あずさ(CANNA)

文房具好きとして知られる女優でモデルの三戸なつめさんと、東京の文房具店で“ときめき”を見つける連載「三戸なつめの東京文具さんぽ」。第8回は、日本橋で200年以上続く老舗「榛原(はいばら)」へ。

榛原は、文化3年(1806年)に日本橋で創業した和紙舗。日本の伝統文化である和紙をベースに、便箋や金封、和小物などの加工製品を多数展開。“和紙のある暮らし”を提案し続けています。

榛原ってどんなスポット?
デザイン性の高い、伝統とデジタルが融合した店舗

榛原は創業時から日本橋に拠点を置いていますが、日本橋二丁目北地区の再開発のために中央通り沿いに移転。2015年には現在の建物を新築しました。

伝統的手工芸の煉瓦とデジタルファブリケーションを組み合わせた外観は、重厚感とインパクトがあり目を引きます。「色硝子」をモチーフとした「3Dカワラファブリック」で構成されており、光に照らされる具合によって多様な菱型文様に変化。朝と夜でも異なった表情を見せてくれます。こちらは2016年度の「グッドデザイン賞」にも選ばれました。入り口には暖簾が掛けられており、四季の移り変わりとともにデザインを変えています。

榛原の魅力その1
華やかでかわいい図案にキュン!オリジナルの千代紙も

画像提供:榛原

榛原の代名詞と言える和紙。上質でシンプルであることが「粋」とされていた江戸時代の信念を今も受け継ぎ、各地から良質な和紙をそろえています。薄く滑らかな紙肌の「雁皮(がんぴ)紙」は墨が途切れず美しい文字が書けると江戸時代から人気を集め、「榛原」が現在に及ぶ基礎を作ったのだそう。

鮮やかな色合いの「榛原千代紙」は、明治・大正にデザインされたオリジナルデザイン。引き出しを開けると華やかな色柄がズラリ。写真上段の「色硝子」は榛原のショッピングバッグにも使われている定番デザイン。三戸さんが思わず「かわいい!」と手に取ったのは「重陽(ちょうよう)」という菊柄で、黄色の他に赤や紫の色違いも展開していました。千代紙はご自身で工作をされる方が購入されることが多いのだとか。

このほかにも、ちぎり絵や包装に活躍する色和紙や書道用の半紙、水墨画に使われる画仙紙など、さまざまな用途に対応した和紙商品がラインナップしています。

榛原の魅力その2
蛇腹のユニークな便箋など、レター系のアイテムも豊富

長く愛されている榛原のオリジナル便箋やレターセット。上質な和紙を使い、文字の書きやすさにもこだわり続けています。シンプルなデザインのものから、淡い色合いのグラデーションや季節の風物詩が描かれたものまで、幅広く取り扱っています。

なかでも注目したいのは「蛇腹便箋」。便箋の折り目ごとにミシン目が入っていて、書き終わった部分で切り取ることができるんです。巻き紙の発想から生まれた新しいデザインは、2012年には「グッドデザイン賞」を受賞。手のひらサイズの「ちいさい蛇腹便箋」はメッセージカードとしても使え、気軽なお便りにぴったり。便箋だけでなく、封筒がついているのもうれしいポイントです。

季節の挨拶に使いやすいポストカードも豊富。「色合いもポップでかわいいですよね。絵の先生をしていたおばあちゃんの絵を思い出します」と三戸さん。新鮮ながらどこか懐かしさも感じられるのは和柄の魅力の一つかもしれません。

榛原の魅力その3
貼り箱、ノートetc.千代紙デザインの愛らしい和紙小物

明治・大正にデザインされたオリジナル千代紙を使った小物がとても豊富で、ノートに、貼り箱、フォトフレームに、携帯ミラーなどもラインナップ。壁一面に並んだ和紙小物はとってもカラフルで、見ているだけでもワクワクします。

夏の暑い季節にはうちわを探しに来られる方が多いそう。小さいサイズのうちわは浴衣に似合うよう、持ち手の部分を長くして帯に挿しやすくなっているという工夫も。

色柄には限りがあるので、気になる柄を見つけた方は早めにゲットしてくださいね!

華やかな朱印帖もたっぷりそろうので、こちらに来ればお気に入りの一冊に出会えるはずです。

榛原の魅力その4
丁寧に作られる水引が美しい、贈り物に欠かせない金封

結婚式など、大切な贈答に使用される金封。きらびやかな水引も基本的な結びのものは一つひとつスタッフの方が手で結んでいるんです。桐箱を和紙で包み、水引で鶴や亀を描いたものも。こちらは結納金などにも使われるのだそう。「すごく立派ですね…!」と三戸さんもその完成度に驚きます。

手のひらにすっぽりと収まる小さなポチ袋も人気のアイテム。榛原の伝統的な絵柄を復刻したもので、長い耳で空を飛ぶウサギや、真っ直ぐにこちらを見つめる鶴など、ユニークな絵柄がそろいます。

店内奥にあるのは500円玉サイズの「百福袋」。「福」にちなんだ文字を絵柄にしたもので、こちらもちょっとしたお礼を渡す際に便利◎。

今回初めて、榛原に訪れた三戸さん。「店内のディスプレイも迫力があってとても素敵な世界観。普段は和紙製品をなかなか目にしませんが、ここに来ればたっぷり味わえますね。日本橋という街は自分にとってちょっと背伸びした雰囲気でしたが、意外にも入りやすいお店なのでぜひ来てみてほしいです!遊び心のあるデザインで日本の伝統を身近に感じられますし、商品も手に取りやすくて選ぶのがすごく楽しいですよ」。

伝統的な和紙を現代に守り伝えてきた「榛原」。日常使いのアイテムや特別なプレゼントを探すのにもおすすめのスポットです。

榛原で三戸さんがセレクトしたアイテムは、7月27日(水)に公開予定です。

おまけ♡榛原の魅力あれこれ

華やかな和紙を飾った店内
河鍋暁斎の手掛けた榛原千代紙《牡丹》の木版が展示されています
レトロな図案がかわいい「ちいさい蛇腹便箋」がズラリ
色帯をデザインした「蛇腹便箋 色はけびきレターセット」
絵はがきの「犬張子」と一緒に♡
ご朱印帳も豊富にラインナップしています
榛原の意匠を使った文庫革の小物「榛原革小物」

DATA

店舗名榛原
住所東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー
アクセス東京メトロ銀座線・東西線、都営浅草線日本橋駅B6出口直上
問い合わせ先03-3272-3801
公式サイトhttps://www.haibara.co.jp/
備考画像提供:榛原

プロフィール

三戸なつめ
俳優、タレント、モデル
1990年2月20日生まれ。奈良県出身。2015年に中田ヤスタカプロデュースによる『前髪切りすぎた』でアーティストデビュー。2018年より本格的に俳優としても活動を開始。2020年11月より放送が開始されたNHK連続テレビ小説「おちょやん」では実母役に挑戦。2021年秋公開の映画「シノノメ色の週末」ではトリプル主演で出演するなど、今後も多数のドラマや映画の出演を控えており、モデル、タレント、女優として幅広いジャンルで活躍している。
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