本、ポスター、パッケージ、映像作品、Webなど、魅力的な最新のデザインを毎週ダイジェストでお届け。今回は、映画ポスター『偶然と想像』、書籍カバー『図鑑を見ても名前がわからないのはなぜか？　――生きものの“同定”でつまずく理由を考えてみる／須黒達巳』を紹介します。

映画ポスター
『偶然と想像』

●Art Director：宗仲真紀子
●Designer：高野稚奈
●Illustrator：Guido Scarabottolo
●Promotion Producer：筒井史子
2021
有限責任事業組合Incline

『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督作であり、第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した『偶然と想像』。監督初の“短編集”で、偶然をテーマに3つの物語が展開していく。糸のように流れるタイトルロゴ、ひとり一人描いた水彩画タッチのイラストが、ドラマティックな印象を与える映画ポスター。アートディレクションをNEOPAの宗仲真紀子、デザインを高野稚奈、イラストをイタリアのイラストレーターGuido Scarabottoloが手がけている。

書籍カバー
須黒達巳『図鑑を見ても名前がわからないのはなぜか？　――生きものの“同定”でつまずく理由を考えてみる』

●Designer：窪田実莉
2021
ベレ出版

ハエトリグモの研究で知られる須黒達巳の著書『図鑑を見ても名前がわからないのはなぜか？』。同定とは生きものの種を確定させること。本書では、勤務先の敷地内で昆虫とクモ800種以上を同定してきた著者が、同定と図鑑について深掘りする。装丁を手がけたのは、デザイナーの窪田実莉。植物や昆虫の写真を散りばめ図鑑のようなアートワークであり、疑問を含んだ作品名を引き立てるタイトルロゴが、インパクトを与える書籍カバーに。