日曜。身の周りのことを。

起床。今日は自分の身の周りの、溜まっていたやらなければいけないことをやる日。まずは、先日届いたお友達の書いた小説を再読する。「デザインをお願いできないかな」というお手紙付きで届いたもの。お金をかけずに、自宅にあるプリンタでジャージャー作る小冊子の、デザインです。

私は4年前、この子の書く文章に惚れこんだ。それからずっとこうして送ってもらって読んでいたので、すごく嬉しい。ありがたくデザインをお受けする。この子の書く小説を読んでいる間は、いつも私でないような、ここではない場所にいるような感覚に陥る。本当にいいなと思いながら、もったいなくて、ちびちび読む。その子が見ているものは、わたしとは全然違う世界、同じ歳なのに全然違うのです。

次は、また別のお友達と作っているものについて考える。これはお友達が勤務している幼稚園の子どもたち向けに制作する、教材のようなもの。3年前くらいから計画していたもので、来年の完成に向けて、これから動いていく予定です。

お金もお客さんも関係がなくて、一緒に作っている相手が同世代だというのは、仕事とはまた違う楽しみがたくさんあります。いかに自分が普段、祖父江さんに頼っているかがよくわかる。そして、本当は自分がどうしたいかもよくわかる。仕事で教えていただいたこと、覚えたことを自分なりに消化するような行為であるなと思う。

この何カ月か、できていなかった運動をしに行こうと用意する。シャカシャカのスポーツウエアを身につけて、やる気満々で出かけます。18歳の頃から、暇をみつけては通っている大きな公園へと向かって走っていく。iPodでお友達が作ってくれた「お散歩ソング」をかけて、どんどん走る。

公園には、いろんな人がいる。みんな日曜日の顔をしている。同じ人と平日の仕事中に会っても分からないかもな、というくらい柔らかい顔をしている。人間と一緒に、いろんな種類の犬もいたるところにいる。私なんて一口で飲み込まれてしまいそうな犬もいる。この公園にはランニングコースがあって、１周が２kmになっています。どこからともなく集まってきた人たちと一緒に走るから、それが励ましになって、自分の実力以上に走ってしまう。重りを持って走っているおじいさんが、私をぐんぐん追い抜かしていく。日々の積み重ねには若さをもってしてでもかなわないわ……と思う。調子に乗って８kmも走ってしまいました。

運動を終えて、帰宅。筋肉が久しぶりの運動にビックリしているのが分かる。

夕食の買い出しに出かける。運動したせいもあって、野菜がたくさん食べたくなり、どんどんカゴに入れる。南瓜の色について、おばさんと立ち話。「あらー、見て！　こんなに色が違うわ」「本当ですね、こっちが外国産で、こっちが鹿児島産みたいです」「やっぱり、国産の方が赤みが多くておいしそうね、値段じゃないわよ」「そうですねー」——私も国産の値段の高い方をカゴに入れる。

買ってきた野菜をどんどん切って茹でる。辛みそやゴマだれをつけて食べる。一人暮らしは食材があまって困る。使わなかった野菜は冷凍する。これは、明日からおみそ汁の具になる。

ぼんやり、文字について考える。祖父江さんから譲っていただいた「ひらがな」や「文字組み」の本を乱読する。