水曜。『幽霊学級』と『マネジメント』。 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

水曜。『幽霊学級』と『マネジメント』。

7:30 起床

起床。今日は立ち寄りでお使いがあるので、そうめんは食べない。

9:30 お使いへ

新宿に向かうために、最寄りの駅に向かう。

私が住む街には小さな路面電車が通っている。「路面電車? だっさー」とバカにされるけれど、私はこの路面電車がいたく気に入っている。一律140円でどこまでも行けるその電車は、乗るときに最初に運賃を払うシステムになっていて、ピッと回数券で支払うと、駅員さんが「おはようございます、ありがとうございます」と必ず声をかけてくれる。そして、すこぶる短い路線にも関わらず「今電車がどの駅にいます」という電光掲示板でもって場所を確認することができるのだ。電車に乗り込んで発車するときに、外を見ると、その駅の駅員さんが電車に向かって必ずお辞儀をして見送ってくれる。私も心の中で「それでは、行ってきます」とその気持ちを受け取る。

そんな可愛い電車は、乗り遅れそうになって「どうしても乗りたいんです」という顔をして走っていると、待っていてくれるし、大きな電車の最終電車の到着を待ってくれていたりする。そして、みんなが乗ったのを確認してから「遅くなってすみません」と発車する。「そんなのいいんだよー」と待っているみんなも寛容になる、不思議な電車です。

いっぽう、ちっこい路面電車のことなど大きな電車はお構いなし。乗り継ごうとしても、そんな小さい路面電車なんて視界にないよ、と全く乗り継ぎの時間を配慮してくれない。そんなことがあっても、ちっこい路面電車は謙虚で、このように親切なその姿勢を今日も貫いてくれています。

10:00 ヨドバシカメラへ

新宿の西口にある「ヨドバシカメラ」へ。キャノンのデジタルカメラを購入しに、店内へ入る。昨日、祖父江さんに検討していただき、製品情報に★印がついた紙を持って、店内をウロウロする。近くの店員さんにその紙を見せて、カメラを案内していただく。買うものが決まっていたが、「これよりも性能が良いものは出ているのですか?」と聞いてみる。すると、店員さんの目が爛々と輝き、いろいろ紹介していただくことに……。

店員さんは接客を生き甲斐としているような親切な方で、その情熱に負けて、うっかり1時間も接客してもらってしまう。取り返しがつかなくなり「ちょっと頼まれただけなので聞いてみます」と救いを求めて、事務所に電話。祖父江さんに店員さんオススメの機種を紹介するが、「やはり昨日決めたもので」とのこと、その旨を店員さんにお伝えする。快く了解していただき、レジへ。今日はいつもより5%も多くポイントをつけていただける特典があるらしい、ラッキー! 達成感を持って、店を後にする。

12:30 スーパーに立ち寄り

事務所の最寄り駅・中目黒に到着。スーパーに寄って食料を買い込む。そろそろ薄着の季節になってきたことだし……ということで今日も低カロリーと決め込んで、サラダ、スープをカゴに入れる。そうだ、スイカ、スイカ。毎日欠かさず食べているカットしたスイカも入れる。気に入ると毎日同じものを飽きるまで食べる癖があります。

13:00 出社

事務所到着。就業開始。引き続き、昨日から作業している「しんみみぶくろ」シリーズ『幽霊学級』(メディアファクトリー)のカバー、表紙、本文を入稿段階までもっていく作業にじっくり取りかかる。
『幽霊学級』入稿準備中です!
『幽霊学級』入稿準備中です!
ここで突然ですが、コズフィッシュ自慢のトイレをちょっとご紹介。真っ赤な壁紙にゴールドのリアルな蜂の柄! かっこいいです。
ゴールドの柄の一つひとつが「蜂」なんです
ゴールドの柄の一つひとつが「蜂」なんです
祖父江さんはなんと「蠅だらけのトイレ」にしたかったとか……(笑)。蠅柄の壁紙は残念ながらなく、蜂柄になったそうで。その代わり、トイレに置いてある大きな灰皿は「蠅」です。
巨大な「蠅」の灰皿です
巨大な「蠅」の灰皿です

20:00 出力のチェック 

祖父江さんに『幽霊学級』入稿前の出力をチェックしていただく。祖父江さんはいつも鉛筆で細かく調整の必要なところを書き込んでくださいます。
写真ではちょっと見にくいのですが、祖父江さんからの細かい指示が記入されています
写真ではちょっと見にくいのですが、祖父江さんからの細かい指示が記入されています
文字やイラストのバランスに、細心の注意を払ってデザインしていきます
文字やイラストのバランスに、細心の注意を払ってデザインしていきます

21:00 『マネジメント IV』フォーマット作成

進行中の『マネジメント IV』(日経BP社)の参考文献ページのフォーマットを作成。この本は「日経BPクラシックス」というシリーズの中に含まれています。このシリーズは、経済界の巨匠たちの名著をよりわかりやすく新訳したもので、今年創刊したばかり。その創刊からたずさわらせていただきました。

「幅広い読者の方々に読んでいただけるようなデザインで」というのが先方のリクエストで、カバーのイメージや、本文の見え方を何案も提案させていただき、最終的にシリーズ全体の雰囲気を統一させた案が決定しました。通勤の途中、片手で持っても読めるくらいの、軽く読みやすい、スタイリッシュなシリーズに仕上がりました。
「日経BPクラシックス」シリーズ。持って読んでいると、ちょっとかっこいい!? 統一されたデザインとなっています
「日経BPクラシックス」シリーズ。持って読んでいると、ちょっとかっこいい!? 統一されたデザインとなっています

22:00 『マネジメント IV』カバー・表紙・本文作成

『マネジメント IV』(日経BP社)のカバー、表紙、本文に取りかかる。1972年に刊行されたピーター・ドラッカーの『マネジメント』の原著は、分厚く1冊にまとまっていますが、日本版では4册に分冊して刊行です。「IV」が発売されれば『マネジメント』は完結! もう少しだ。ふー。
『マネジメント IV』カバー入稿指示書など
『マネジメント IV』カバー入稿指示書など

23:00 本を送る

弟に送るための本を用意する。担当させていただいた作品は、納品後、1冊いただけることになっているので、度々実家などに送っています。今回は「よりみちパン!セ」シリーズの『ひとはみな、ハダカになる。』(理論社)を選ぶ。こちらは、バクシーシ山下さんというAV監督が書かれたハダカの世界です。
デザインを担当した「よりみちパン!セ」シリーズの『ひとはみな、ハダカになる。』
デザインを担当した「よりみちパン!セ」シリーズの『ひとはみな、ハダカになる。』

実は私、5人兄弟の2番目。上に姉がひとり、下には弟が3人もいます。今年の4月に無事、親元から離れて働き始めた、下から2番目の弟宛てに送ることにする。彼は獣医の母の影響もあり、大の動物好き。さらにピンポイントで馬が好き。高校は馬を目当てに農業高校に入学。3年間、馬と寝食を共にして過ごした。会話は基本的に馬に関することしかしません。そのせいか、もしくは他に理由があったのか、在学中は付き合う彼女に振られどおしでした。そんな彼も晴れて牧場への就職が決まり、新しい彼女もできたという。「これからも、素のまま、ハダカのままで、がんばってください!」と応援の言葉とともに本を送ることにする。

24:00 退社

本日のお仕事終了。テクテク駅へと歩く。終バスを逃してしまったので、渋々電車に乗り、深夜バスに乗り換える。

25:00 帰宅

風呂にお湯をためつつ、「今日は何だか疲れたなー」と思いながら、風呂で読む本を選ぶ。疲れた日は、日記ものを読むと決めています。いろんな人が書いた日記をたくさん並べて、それらを繰り返し読む。嘘でも本当でもいい。自分とは別の人の生活に入りこんだつもりになって、疲れていないつもりになるのです。

26:30 就寝

twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在