ナゾの突起がその秘訣? デスク周りのゴチャゴチャを解消できるマルチマウスパッド~Pallo「POKEY」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
日々デスクワークを行っていると、デスクの上はなにかと乱雑になりがちなもの。なかでもディスプレイとキーボードの間のエリアや、マウスの奥あたりのエリアには、文具やメモ、メモリカード、USBメモリ、はたまた取引先からもらった名刺など、さまざまな小物が入り乱れて、カオスになっている人も多いのではないでしょうか。
こうした小物類は、引き出しの中に片付けてしまうのがベストですが、利用頻度が高いアイテムであれば、すぐに手が届く場所に置いておきたい人も少なくないはず。それならせめてスッキリ見えるようにすることで、整理整頓できている印象を周りに与えられるのはもちろん、個々のアイテムの紛失防止にも役立ちます。
既存のマウスパッドと交換するだけで、こうした整理整頓に威力を発揮するのが、「POKEY」なるマルチマウスパッドです。マウスパッドとしての機能は至って普通ですが、上部に無数の突起(ポール)が生えており、メモや小物、スマホなどを立てておけるという、オーガナイザーの役割を備えた製品です。
マウスパッド本体がフラットなだけに、上部の突起が余計に目を引くデザイン
ポールは3列にわたって設置されています。ちなみに本体(TPU)とは一体成型
横から見たところ。前後の間隔は左右よりもやや狭めに作られています
本体と一体成型なので折れることはありませんが、あまり荷重をかけるとしなる場合も
実際に使ってみて、よく考えられているなと感じるのが、ポールの間隔です。ポールは前後3列にわたって設置されていますが、前後の間隔はやや狭めに、左右の間隔はやや広めに作られています。これにより、メモや名刺などの薄いものは正面向きに、スマホなど一定の厚みがあるものは斜め向きに、それぞれ立て掛けることが可能になります。
メモや名刺など薄いモノは前後の狭い間隔を利用して立てるのがベター
メモリカードやUSBメモリなど小物類も、厚みに合わせて挟み込むことができます
これにより、視野角があまり広くないスマホでも、電話やメール、メッセージの着信など、画面に変化があった場合に気がつきやすくなります。ポールの間隔を場所によって変えることなく、薄いものから厚いものまで立てられるようにするこの仕組みは、なかなかのアイデアです。
なお試した限りでは、スマホは約10mm以下の厚みであれば挟むことが可能ですが、あまり細長く、かつ重いスマホだと、このポールの長さと硬さでは支えきれない場合があります。例えば今回、Pixel 3(148g)はセーフでしたが、iPhone XS Max(208g)だと支えきれずに背後に転倒してしまいました。どうしてもという場合は、縦ではなく横向きに置く必要がありそうです。
スマホは斜め方向に立てることでちょうど顔のほうを向く角度になります
ポールが短いこともあり、縦向きで支えられるスマホは実測150g程度が限界です
また本体のTPU素材はマウス裏面のソールと相性がよく、マウスをスムーズに動かせるようになります。本製品はリストレストなどもなく、手を休めるという目的ではあまり機能豊富ではありませんが、少なくともマウスが動かしづらくて使い物にならないという心配とは無縁です。
左側面には目盛りが刻まれており、簡易メジャーになります。数字がないのがやや不便?
今回紹介したミットナイトブルー以外にアーバンブラウン、ダストグレーもあります
もうひとつは、サイズがかなり大きいことです。マウスパッドは、光学式マウスが全盛になって以降、A5サイズ程度のコンパクトなタイプも増えていますが、本製品は前述の目盛りが全長20cmあることからも分かるようにかなりの奥行きがあり、また幅もそこそこあります。設置場所が狭くて収まりきらないことがないよう、購入前に寸法をチェックしておくことをおすすめします。
さまざまな小物を配置した状態。突起を用いてキーホルダーなどを引っ掛けておくこともできます。マウスのケーブルがあまり硬い素材だと動かしづらくなる点に注意

山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn