iPadとの組み合わせにも対応、左手利用にも適したマルチなUSBタッチパッド~サンワサプライ「400-MA128」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
サンワサプライの「400-MA128」は、USB接続のタッチパッドです。PCに接続することで、タップやダブルタップ、スワイプといった操作を手元で行えるようにする製品です。
タッチパッドは大抵のノートPCに搭載されていますし、またデスクトップPCであればタッチパッドではなくマウスを使うので、わざわざ増設してまで使用する必要性はなさそうですが、実際にはこのデバイスが重宝するシーンはいくつかあります。今回は本製品を活かせる便利な用途について紹介します。
継ぎ目のないデザインが特徴
サイズはほぼ正方形。重量は165g
CDとはほぼ同サイズ。意外と大柄です
側面から見るとわずかに傾斜がついています
こうした時に本製品があれば、右手が使えない状態でも、PCの基本的な操作を左手で行えます。ポインタの移動、左右クリックに加えて、二本指での縦スクロールにも対応しますので、例えばPCの前で食事をとりながら、左手でネットを閲覧するのにももってこいです。マウスではなかなかできない使い方といえます。
キーボードの左側に配置し、左手用の補助デバイスとして活用するにはもってこいです
ノートPCのタッチパッドに比べサイズも大きいので操作性も良好です
iPadの画面に直接触れてタッチ操作を行うのであれば、わざわざ本製品を使う必要はありませんが、例えばSmart Keyboardを使ってiPadを立てたまま操作する場合、打鍵しながら画面に触れようとすると、腕を浮かせなくてはいけません。その点、本製品を使えば、キーボードを操作しながら手元で操作できるため、MacBookに限りなく近い使い方ができるというわけです。
このほか、iPadをサイネージ用途で使う場合のように、画面はあくまで情報表示のためと割り切り、タッチ操作は本製品を使って手元で行うようにすることで、より活用の幅が広がるケースは多々あります。本体のポートは汎用的なUSB Type-Cですので、ケーブルを交換して延長することもできます。
ちなみにiPadに接続した場合、一般的なマウスに比べると、ポインタの精度はそれほど高くなく、細かい動きは苦手ですが、アプリの起動やブラウジングなどにはまったく問題ありません。左クリック、縦スクロールはもちろんのこと、右クリックでメニューを開き、ホーム画面に戻るなどの操作も可能です。
iPad Proには両端Type-Cケーブルに交換することでダイレクトに接続できます
Lightningへの変換には付属ケーブル(Type-A - C)に純正アダプタを追加します

iPadでマウスを使う場合、アクセシビリティの「AssistiveTouch」を有効にします。画面中央の黒丸がマウスポインタに相当します

右クリックで表示されるカスタムメニューではホームに戻るなどの操作が割り当てられており、独自のカスタマイズも行えます
Lightningポート搭載のiPadに接続するには、純正アダプタを使ってType-AポートをLightningに変換しなくてはいけませんが、USB Type-Cポートを搭載したiPad Proであれば、両端Type-Cのケーブルに交換するだけでスマートに接続できるのもメリットです。
外付けのタッチパッドは、ジャンルとしてはやや枯れた印象はありますが、今回の製品は価格も5,000円を切るなど、従来あった同タイプの製品に比べるとかなりリーズナブルな上、ベースが金属製ということでずっしりと安定感もあります。ソフトウェアのインストール無しで使える手軽さも魅力です。
PCやiPadを通常用途とは違ったちょっと特殊な使い方をするにあたり、マウスでは実現しにくい操作方法を可能にすることで、用途の幅を広げてくれる、本製品はまさにそんな製品と言えそうです。

山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn