PCでの作業効率のアップには、キーボードショートカットの利用が欠かせませんが、左手が塞がっているなどの理由でキーボードを押せない場合もあるほか、操作の内容によっては、なるべくマウスからも手を離したくない場合もあります。
このような時に、両手を使わずに操作を行えるデバイスとして挙げられるのが、今回紹介する、足踏みタイプのUSBスイッチです。
Windows PCのUSBポートに接続して使うこの製品、車のアクセルやブレーキのように、踏むことによって操作を行います。これならば、手を使うことなく指定の操作を行えるというわけです。
製品は金属製で、かなりの重量があります。一般的な周辺機器やアクセサリでは、重量があるのはデメリットになりますが、こうしたフットペダルは踏んだ時に位置がずれないことが何より重要ですので、これはむしろメリットと言えます。
また本製品に足の指先を乗せているだけで、その重みでスイッチが押されてしまっては、誤操作が頻発しかねません。本製品のスイッチは一定の重みがあり、きちんと踏み込まなくてはいけませんので、知らないうちにカチカチと押されてしまうこともありません。
こうした仕様ゆえ、デスクの上に置いて手で押すのは現実的ではなく、操作方法は基本的に足踏みに限定されます。一般的なマウスやキーボードとまた異なる、かなり特殊な性質を持った製品であることが分かります。
ペダルを踏んだときの挙動は、付属のユーティリティで指定します。押し下げるという単純な操作方法ゆえ、割り当てられる操作はひとつだけに限定されます。
例えば「Ctrl+S」で保存を行ったり、席を外す時に「Windows+L」で画面のロックを行ったりと、ショートカットを割り当てるのが一般的な使い方です。書類をどんどん印刷していく作業が多い時は「Ctrl+P」を割り当てておくのも便利でしょう。
このほか音量のミュートなど、作業中に瞬時に対応する必要のある、マルチメディア系の操作も向いています。さらにスクリーンショットの保存などは、キーから手を離せない時に発生しがちな操作だけに、本製品に割り当てておくのは賢い使い方のひとつと言えます。
さらにマクロの設定も行えるほか、指定の文字列を入力したり、特定のホームページを開くといった操作にも対応しています。このように、多ボタンマウスなどによくあるカスタマイズは、おおむね対応しています。
注意したいのは、足踏みという特殊な仕組みゆえ、操作に制限があることです。
本製品に近い特性を持ったショートカットデバイスとしては、グラフィック系のソフトでよく用いられる、左手で操作できるテンキー型やジョイスティック型のデバイスがあります。これらは複数のショートカットを割り当てられるのに対し、本製品は割り当てられるショートカットは1つだけで、効果はどうしても限定されます。
また手で操作するデバイスの場合、どんな姿勢をしていても腕を伸ばすだけでキーを押せますが、本製品のような足で操作するタイプは、踏むために姿勢を変えなくてはいけない場合があります。例えばデスクの下で足を組むことが多い人は、本製品を操作するたびに足を崩さなくてはならず、かえって効率が低下してしまいます。
以上のような制限ゆえ、まずは多ボタンマウスや左手用デバイスで効率化を試し、それでも足りなければ本製品を試すといった順序で導入するのが、もっともスムーズでしょう。これまでPCの操作に使っていなかった足を使えるようになるというメリットは間違いなくある一方で、制限も少なくないからです。
こうしたUSBのフットスイッチは、複数のメーカーから発売されていますが、本製品は重量の重さ、さらに実売2千円台のリーズナブルさがセールスポイントです。ソフトウェアの翻訳が怪しいなど、チープな部分は少なからずありますが、それらが許容できるならば、アイデア次第でさまざまな使い方ができる製品としておすすめできます。
- DATA
製品名:FS2019U
実売価格:2,799円
発売元:PCsensor
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B07T2R2CXW/
2021.07.27 Tue