• はてなブックマーク
  • RSS
  • Line

ニュース

伝統を革新する固形墨2種「黒鉛墨」「無膠墨」が寺田倉庫「PIGMENT TOKYO」で限定販売中...その魅力を深堀り

2023.07.28 Fri

先日、株式会社呉竹が発売した「黒鉛墨(こくえんぼく)」と「無膠墨(むこうぼく)」は、伝統的な墨製造技術と現代のニーズを融合させた、革新的な墨として注目しておきたい画材である。そこで今回は、従来の墨が持つ伝統を維持しながらも、新しい製造方法を試みた製品として、特徴や開発の経緯を紹介していく。ちなみに同製品の販売については、5月30日より寺田倉庫株式会社が運営する画材ラボ「PIGMENT TOKYO」とオンラインショップで販売されており、価格は6,600円(税込)となっている。

黒鉛墨と無膠墨は、伝統的な墨製造技術と現代のニーズを融合させた新商品である。墨は油や木を燃やした際に生じる「煤(すす)」と獣や魚類の皮・骨などを煮詰め、冷ましてゼリー状にした後、乾燥させた糊材「膠(にかわ)」を混ぜ合わせて作られる。黒鉛墨は煤を使用せず、無膠墨は膠を使用せずに製造されているという今までにない特性を持っている。

黒鉛墨は黒鉛を主成分とした墨で、グラファイト(黒鉛)の特性を活かした墨である。無膠墨は、動物由来の膠を一切使用せずに製造されており、動物由来の成分を使った墨に抵抗があるクリエイターに向けた新たな選択肢となる。

「黒鉛墨」の開発は、古代の墨がどのようなものだったのかという疑問から始まったという。黒鉛は鉛筆やコンテでおなじみの素材だが、墨は煤以外に黒鉛も使っていた可能性があるという仮説に基づいて開発された。結果としてグラファイトは煤と比べるとグレーの色味を含んだ、少し鈍い黒色となったという。独特の色合いと質感を持つ墨として、新たな表現の可能性を提供している。

鈍い黒色が特徴の黒鉛墨

無膠墨の開発は、寺に勤める僧侶から「殺生をしない写経用の墨は無いか」という要望に応える形で始まった。基本的に固形墨の原料は煤と膠だが、無膠墨は名前のとおり、膠を一切使用せずに製造している。

墨の原料は、1500年以上前の時代から煤と膠を基本にして作っていたとされており、現代に至るまでその製法はほとんど変わっていない。長い伝統を持つ製造方法だが、本製品は固形墨として使えるよう10個ほどの要件をクリアする試行錯誤を経て完成した。

無膠墨は動物由来の膠を使用していない

呉竹は120年の歴史ある墨造りの技術と、100色の顔彩を展開できる顔料の知識を持っている。開発にはその経験値を存分に発揮しており、詳しい経緯については製品開発を担当した野田盛弘氏のインタビューで語られている。ただし、詳しい内容については「企業秘密」であるという。呉竹は墨を文房具ではなく芸術の素材として捉えており、その気持ちと長年の経験があるからこそ開発に成功した革新的な画材だ。

なお、本商品は店頭でお試し描きも可能とのこと。「黒鉛墨」と「無膠墨」が気になったクリエイターは「PIGMENT TOKYO」を利用してみるのもいいだろう。

寺田倉庫株式会社が運営する画材ラボ「PIGMENT TOKYO」とオンラインショップで先行販売

関連ページ:https://pigment.tokyo/blogs/article/kuretake-new-inksticks 

寺田倉庫株式会社 
価格:6,600円(税込) 
URL:https://www.terrada.co.jp/ja/ 
2023/07/28

ニュースの他の記事

一覧を見る

読込中...

逆引き辞典逆引き辞典