ここ数年で一気に普及し、それにつれて実売価格が急落しているのが、Bluetoothでスマホなどと組み合わせて使う完全ワイヤレスイヤホンです。左右のピースがそれぞれ独立しているためケーブルが絡まることがなく、また歩きながら使っていてもケーブルが擦れ合う不快な音が発生しないのが大きなメリットです。

この分野ではAppleの「AirPods」など2万円オーバーの製品も数多くありますが、最近は数千円以下で十分な性能を持った製品も続々と登場しています。今回はそのなかでも実売1,100円という激安プライスが目を引く、ダイソーの完全ワイヤレスイヤホン「E-TWS-2」を紹介します。

ダイソーでは複数の完全ワイヤレスイヤホンが販売されていますが、今回紹介する「E-TWS-2」はダイソーオリジナルではなく、ラティーノというメーカーがダイソーを通じて販売している製品で、格安の完全ワイヤレスイヤホンとしては珍しいホワイトのボディが特徴です。

充電器を兼ねたケースが付属し、未使用時にケースから充電を行う仕組みは一般的な完全ワイヤレスイヤホンと同様ですが、本製品は1～1.5時間の充電で約5時間の連続再生が可能であるなど、こうしたエントリー向けの完全ワイヤレスイヤホンの中ではスピーディかつ長寿命なのが利点です。

設定方法は、一般的なワイヤレスイヤホンと変わりません。充電器を兼ねたケースから本製品を取り出すと自動的に電源が入りますので、スマホのBluetoothをオンにします。リストに表示される「BTTWSL2」をタップし、「Connected」という音声が流れれば接続は完了です。これら音声は日本語ではありませんが、特に難しくはないはずです。

操作はスマホ側はもちろん、本体側面のボタンを押すことでも行えます。リモコンの割当は左右で異なっており、再生や一時停止、早送りや早戻しに加えて、音量調整についても行えます。音量調整は上位モデルでも対応しない場合があるだけに、本製品の機能の充実ぶりは目立ちます。

こうしたリモコン機能をきちんと搭載しているなど、千円イヤホンとしては驚くほど機能は充実していますが、じっくり見ていくとコストダウンの跡はちらほらと見られます。

例えば耳に差し込むイヤーピースは、一般的なイヤホンはサイズ違いが3種類程度入っていてフィットするものを選べますが、本製品は1種類しか付属しておらず、耳のサイズに合わなければ市販のイヤーピースを買って交換する必要があります。径自体は汎用的なサイズなので交換品はすぐに見つかるのですが、本製品のイヤーピースは通常品がMサイズだとするとSもしくはSSサイズと思える小ささで、高い確率で交換が必要になります。

本製品はノーズ部分がかなり細長いデザインで、それと合わせるためこうしたサイズを採用しているのかもしれませんが、多くの人にとっては買い替えが必要になる可能性が高く、それゆえプラス100円程度のコストは見込んでおいたほうがよいでしょう。ただしあまりサイズが大きいとケースが閉まらなくなるので、そこが難点といえば難点です。

また本体側面のボタンがかなり硬く、確実に反応させるためには耳の穴に押し込むように押さなくてはいけないなど、細部を見ていくと、やはり上位の数千円クラスの製品との差は感じざるを得ません。値段からして当然と言えばそうなのですが、上位のモデルではおなじみのノイズキャンセリング機能や、最近注目を集めている空間オーディオ機能にも対応しません。

とはいえ、こうした格安タイプのワイヤレスイヤホンは、充電ケーブルすら付属しない場合があるのに対して、本製品はそのようなことはなく、またポートの形状も新しいUSB Type-Cに対応しているため、スマホの充電ケーブルと兼用できます。音質は価格相応ではあるものの、前述のようにイヤーピースを交換してフィット感を向上させれば、かなりしっかりと聴けるようになるのも評価できます。

ダイソーでは本製品を含めて千円の完全ワイヤレスイヤホンが数種類販売されていますが、本製品はその中でもバランスのよい一品としておすすめできます。ダイソーの中では取り扱っている店舗も多いようですので、入門用の一台が欲しい人、スペアとして揃えておきたい人は、ぜひチェックしてみてください。

DATA

製品名：完全ワイヤレスイヤホン2（BTTWSL2）
実売価格：1,100円
発売元：ラティーノ