最近は、ネットワークの発達と高速化により、データのやり取りにUSBメモリを使う機会は以前に比べて減っています。とはいえネットワークが使えない場所を中心に、大量のデータを移動させるためには、効率のよい選択肢であることに変わりはありません。
つまり以前に比べ、汎用性の高さや単価の安さよりも、大量のデータを高速に転送できることが、他の方法と比べた時のUSBメモリのアドバンテージになっているわけです。
こうした「大量のデータを高速に」をさらに突き詰めたツールとして、いま注目を浴びているのが、スティックタイプのSSDです。今回はその一例として、エレコムの「ESD-EMNRシリーズ」を紹介します。
見た目はUSBメモリとまったく変わらないこの製品ですが、内部にはSSDが内蔵されており、USBメモリと同じようにデータの受け渡しに活躍します。ボディサイズも同等なので、黙っていればSSDだと気づかれることはないでしょう。
そんな本製品の最大の特徴は、なんといってもスピードです。USB 3.0メモリとの比較であれば数倍、USB 2.0メモリとの比較であれば10倍近い差がつくこともあります。毎日大量のデータを読み書きしている場合、トータルでの所要時間には圧倒的な差が出ます。
また読み込みと書き込みに、USBメモリほどの速度差が出ないのも利点です。高速をアピールするUSBメモリを買ったものの、実は高速なのは読み出しだけで、書き込みは激遅……といったことがよくありますが、SSDならばそうしたこともありません。
その一方で、扱っているデータの容量がそれほど大きくない場合や、読み書きの頻度がそれほど高くない場合は、本製品のメリットはあまり活きてきません。本製品は128GBで5~6千円はしますので、その半値程度で手に入る一般的なUSBメモリで済ませるのが、最適解ということもあるでしょう。
もっとも、今使っているUSBメモリのスピードが遅く、買い替えを検討しているのであれば、フォームファクタ自体が高速なスティックSSDを選んでおいたほうが、急いでいるのになかなかデータの保存が終わらない……という日々のストレスからも開放され、長期的にプラスになることは間違いありません。
また容量ベースで比較するとUSBメモリより高価とはいえ、価格下落が著しいUSBメモリの一昔前の値段と考えれば、そう違和感はありません。これから新たにUSBメモリを購入しようと考えている場合、合わせて検討すべき選択肢として、頭の片隅に置いておくことをおすすめします。
- DATA
製品名:ESD-EMN0128GBKR
実売価格:5,473円(128GB)
発売元:エレコム
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B0991VDSJF/
2021.09.21 Tue