連載で生まれたももちゃん&みみちゃんのことも
キャラクターの誕生や色使いなど、挿絵制作の秘話
──絵の仕事は、どのくらい取り組まれていますか?
中野 コロナと同時に上京してきて、引っ越し後すぐに緊急事態宣言で外に出られない状況だったんです。その時、以前お世話になっていたディレクターさんから、芸人の日常4コマ漫画を描く仕事をいただいて、1年ほど制作していました。その後も単発でのイラスト依頼はありますが、連載になったのはMdNさんが初めてでした。連載はすごく楽しいです。毎回、メインになるイラストを描いているときがいちばん楽しい!
──挿絵は依頼の内容に沿うので、自主制作に比べると自由度は少ないと思いますが、どのようなことを意識されていますか?
中野 イラストの依頼がある時点では、文章が全て揃っているわけではないので、リクエストいただいた内容がキャラクターの表情、特に目で伝わるように意識して描いていますね。
──「クリエイティブ力を高める、気功レッスン」では、キャラクターのももちゃんを中野さん自身に作っていただきましたが、どういった経緯で生まれたのでしょうか?
中野 「気功なので中華風にしたい」というご依頼を受け、新幹線での移動中に考えていたことは覚えています。気功の「き」を取ってカタカナで「キキちゃん」ってメモ用紙に走り書きをして、それをお送りしたら編集担当さんから「ももちゃんかわいいですね!」ってお返事が返ってきて(笑)。その時点のラフでは白黒だったんですが、せっかくなので名前に合わせてキャラクターのメインカラーをピンク系の紫にしました。
──編集担当の勘違いによる名前だったんですね……!(笑)
中野 「すみません、キキちゃんです」って言おうかと思ったんですけど、僕も熟考して作った名前ではなかったので(笑)。
──中野さんのイラストには、独自の色彩センスやバランス感覚を感じます。珍しい組み合わせのようでいて、調和が取れていますね。
中野 色については独学ですね。デジタルイラストを描くようになってから特に、「こういう絵はどうやって描くのかな?」と調べていくと、自然と明度や彩度という概念には出会うので、自然に意識するようになりました。
連載中は「気功」というカラーパレットを作って、ベースの白と黒、キーカラーの黄色とピンク紫と青を入れていました。同じ色が隣り合わないように描いていましたね。彩度が近いのでまとまりよく見えているのかもしれません。
──気功連載と今回スタートした東洋医学連載とのイラストの違い、差別化させた部分を教えてください。
中野 気功連載のキャラクターであるももちゃんより、少しだけ大人っぽくなったかと思います。名前はみみちゃんです。とはいえ僕の表情の引き出しが少ないのもあって、もうすでに少しずつ性格が似てきてしまいました(笑)。もしかしたら姉妹かも。相棒にうさぎのキャラクターが横にいてくれています。名前募集中です。
──それでは最後に、連載を通してどんなところに注目してほしいですか?
中野 東洋医学って難しそうですが、知らないと損なことばかりでした。みみちゃんを通して知っていただけたら嬉しいです!
2023.12.15 Fri