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Photoshopド定番チュートリアル

2023.09.05 Tue

Photoshopでサーモグラフィー風のビジュアルを作る【ユニークな写真加工の表現】

写真加工/サーモグラフィー/カラーグラデーションの応用

作例制作:マルミヤン 編集:山口優

Photoshopで作ったサーモグラフィー風のビジュアル

Photoshopで何気ない普通の写真をサーモグラフィー風のビジュアルにする方法を紹介します。サーモグラフィー・グラフィックは音楽のビジュアルやアパレルの広告、MVなどでも目にするインパクトを残す表現で、印象的なグラフィックに仕上げることができます。 
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。

■使用する機能「スマートオブジェクト」「白黒」「グラデーションマップ」「フィールドぼかし」「Camera Raw フィルター」「描画モード」「レベル補正」 
 

1.元素材を白黒画像に変換してサーモグラフィーのベースを作る

まずは新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:1200ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で作成したら、元となる写真素材を用意して配置する(図1)

図1

続いてレイヤーパネルで元写真のレイヤーを選択したあと(図2)、レイヤーメニュー→“スマートオブジェクト”→“スマートオブジェクトに変換”を実行(図3)

図2。この時点のレイヤーの状態。元写真のレイヤーを選択しておく
図3。この時点のレイヤーの状態。スマートオブジェクトに変換すると、レイヤーサムネールにもスマートオブジェクトを示すアイコンが追加される。これによって、レイヤーの元の状態を維持したままフィルターなどで加工することができる

イメージメニュー→“色調補正”→“白黒...”を選び、プレビューを見ながら明暗差がはっきりするように数値を調整する。ここでは、唇や顔の陰影が濃くなるよう[レッド系:0%]、[イエロー系:ー10%]、[グリーン系:40%]、[シアン系:30%]、[ブルー系:60%]、[マゼンタ系:30%]に調整して適用した(図4)(図5)

図4。ここでは[レッド系:0%]、[イエロー系:ー10%]、[グリーン系:40%]、[シアン系:30%]、[ブルー系:60%]、[マゼンタ系:30%]に設定した
Photoshopでサーモグラフィーを作るために写真をモノクロにした
図5

2. 元写真をサーモグラフィー風に加工する

サーモグラフィー風に加工していく。レイヤーパネルで元写真のレイヤーが選択された状態のまま、レイヤーメニュー→“新規調整レイヤー”→“グラデーションマップ...”を選択。「新規レイヤー」ダイアログが表示されるので、そのまま[OK]をクリックする(図6)(図7)

図6。「新規レイヤー」ダイアログが表示されるので、そのまま[OK]をクリックする
図7。「グラデーションマップ」調整レイヤーを適用すると、画像の明暗差に合わせて色が置き換えられる。この場合は、初期設定の黒白のグラデーションで色が置き換えられたため、陰影が濃くなったように見える

続いて、プロパティパネルのグラデーションサンプル(マウスポインターを合わせると「クリックでグラデーションを編集」とヒントが表示されるバー状のグラデーション見本)をクリックして(図8)、グラデーションエディターを開く。

図8。赤枠部分がグラデーションサンプル。バーの上をクリックするとグラデーションエディターを開くことができる 

グラデーションエディターが表示されたら、グラデーションサンプルのカラー分岐点を設定して濃い紺、青、赤、黄色、緑のグラデーションを作成して適用する(図9)(図10)

図9。グラデーションエディターで設定をカスタマイズする。ここでは、グラデーションサンプルの下辺をクリックしてカラー分岐点を3つ追加して計5つとし、それぞれ[カラー]と[位置]を設定した。ここでは、いちばん左の[カラー]を濃い紺(16進数カラーコード[#00043c])、[位置:15]に、左から2番目の[カラー]を青(16進数カラーコード[#1221de])、[位置:40]に、左から3番目の[カラー]を赤(16進数カラーコード[#ff0000])、[位置:70]に、左から4番目の[カラー]を黄色(16進数カラーコード[#ffea00])、[位置:80]に、いちばん右の[カラー]を緑(16進数カラーコード[#0cff00])、[位置:90]に設定した 
Photoshopで写真加工してサーモグラフィー風のビジュアルを作るために写真にグラデーションをのせた画像
図10

次に、レイヤーパネルで元写真のレイヤーを選択したあと、フィルターメニュー→“ぼかしギャラリー”→“フィールドぼかし...”を選択。画面上に小さな円(フィールドぼかしピン)と、その周りにドーナツ状の円(ぼかしハンドル)が表示されるので、画像のぼかしたい位置にピンをドラッグする(図11)。続いてハンドルをドラッグして白い部分の長さを調節すると、ぼかし具合を変更できる(図12)

図11
図12

画像の任意の場所をクリックするとフィールドぼかしピンを追加できるので、ぼかしたい部分をクリックしてピンを打ち、ハンドルでぼかし具合を調節していく。ここでは画像の中央に加え、右上と右下の2箇所にもピンを追加してぼかし具合を調整し(図13)、サーモグラフィーカメラで撮影したような輪郭のぼやけた画像に加工した(図14)

図13。ここでは、右上と中央、右下の3箇所にピンを追加し、右上を[ぼかし:60px]、中央を[ぼかし:10px]、右下を[ぼかし:80px]に設定した
Photoshopでサーモグラフィー風のビジュアルを作るベース
図14

3.画像に質感をつけてビジュアルを仕上げる

ビジュアルを仕上げていく。まずはレイヤーメニュー→“画像を統合”を実行してすべてのレイヤーを背景レイヤーにまとめたら、フィルターメニュー→“Camera Raw フィルター...”を選択。[基本補正]タブの[テクスチャ]、[明瞭度]、[かすみの除去]のスライダーを右側に動かして、全体的にくっきりした印象に調整する(図15)

図15。ここでは、[基本補正]タブで[テクスチャ:+100]、[明瞭度:+40]、[かすみの除去:+40]に設定した

続いて、[効果]タブの[粒子]のスライダーを右側に動かしてザラっとした質感を加えたら(図16)、[OK]をクリックして効果を確定する(図17)

図16。ここでは、[効果]タブで[粒子:35]に設定した
Photoshopで写真加工した質感を加える前のサーモグラフィー風ビジュアル
図17

前面にシワの寄った黒い紙のテクスチャを配置し(図18)、レイヤーパネルでこのレイヤーを[描画モード:スクリーン]に変更する(図19)(図20)

図18
図19
図20。この時点のレイヤーの状態。テクスチャのレイヤーを[描画モード:スクリーン]に変更する

テクスチャのレイヤーが選択された状態のまま、イメージメニュー→“色調補正”→“レベル補正...”を選び、中間調のスライダーを左に動かして紙のシワを少し強調する(図21)(図22)

図21。ここでは、ヒストグラム下のグレーの三角形(中間調のスライダー)を動かして[中間調:1.30]に設定したが、テクスチャによっても最適値は異なるのでプレビューを参考にしながら調整してみてほしい
Photoshopで写真加工したサーモグラフィー風のビジュアル
図22

ここでは、さらに文字要素などを配置して完成とした(図23)

Photoshopで写真加工したサーモグラフィー風のビジュアル
図23。完成ビジュアル

以上、Photoshopで普通の写真をサーモグラフィー風のビジュアルにする方法でした。ポイントは写真を一旦モノクロにして、サーモグラフィー風の色味のグラデーションをのせることです。一度手法を覚えてしまえば簡単にサーモグラフィー・グラフィックを作成できて、モチーフをモノや動物などに変えれば作例とは違う印象も演出できます。ぜひ色々なパターンでトライしてみてください。

制作者プロフィール

MARUMIYAN(マルミヤン)
グラフィックデザイナー/イラストレーター
2007年より「マルミヤン」(Marumiyan)名義で、福岡を拠点に活動を開始。雑誌、広告、CDジャケット、パッケージ、アパレル、プロダクト、Webなど、様々な媒体で活動を行う。人物や植物、動物、建物など、様々なアイコンをグラフィカルに組み合わせ、洗練された作品作りを目指す。また “FOUR DIMENSIONS WORLD” をテーマとした作品も精力的に制作している。2008年「FUNKY802 digmeout」オーディション通過。https://marumiyan.com/
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