第13回 Webに適したテキストコンテンツ | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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タイトル画像、Webユーザビリティ―信頼を生む“使いやすさ”のデザイン

第13回 Webに適したテキストコンテンツ


Webでは紙媒体よりも文字を読みづらく、また、パラパラめくって読むということができないため、紙媒体とは異なる文章のライティング作法があることは、これまでもいわれてきました。一番上に概要を入れる、一文を簡潔にし、段落などの余白を多めに入れる、小見出しや箇条書きなどでメリハリをつけるといったことです。

これらを踏まえた上で、ここでは少し視点を変えて、「Webで見るページ」、「Webで読むページ」、「印刷向きのページ」、それぞれのあり方について考えてみます。

(解説:石田優子)

著者プロフィール用イラスト [プロフィール]
いしだ・ゆうこ●クロッシングフィンガーズ代表。ユーザーエンパワーメントという手法により、ユーザー視点に立ったサイト構築、コミュニティ運営のコンサルティングなどを行っている。近著に『Webユーザビリティ・デザイン Web制作者が身につけておくべき新・100の法則。』がある。
(イラスト:MIKAさん)
クロッシングフィンガーズ:http://www.crossingfingers.org/
KeiYu HelpLab:http://www.keiyu.com/


Webで“見る”ページ


通常のサイトの多くのページは、書いてある文章が上から下まで全部読まれることはありません。ユーザーはぱっと目に入ったところを飛ばしながら読む、「読む」というよりも「見る」に近いでしょう。

ブロードバンドでの動画や画像や音声が人気を集める今となっては、長々と文章で表現するよりも、写真や図などビジュアルで表現できるものはビジュアル主体で表現し、補足説明として文章を添えるほうが効果的です。口で説明するよりも、実際に商品を手にとって見てもらうのが早いのと同じように、マルチメディアを使って伝えられるものはマルチメディアで伝えるような時代になりつつあります。

テキストの意味がなくなるといっているのではありませんし、テキストが重要な役割を果たす部分も残ります。しかし、商品やサービス案内などの導入部分はユーザーが「見るページ」です。そこではテキストは目にとまったビジュアルの後で読まれるぐらいの位置づけでデザインのバランスを考えたほうがよいでしょう。

ビジュアル主体というと、Webアクセシビリティに関心のある人には抵抗感があるかもしれませんが、ビジュアルを否定するのではなく、それに対する適切な代替手段をとることを、これからは積極的に考えていくべき時代にさしかかっていると思います。

SONYのVAIOサイト、画面キャプチャ
SONYのVAIOサイトは画像やFlash、動画を多く使ってビジュアルで解説している

Webで“読む”ページ


先の「見るページ」と反対方向の流れもあります。ブログやSNSの日記などに見られるような、テキスト主体のページの人気です。人気のブログや日記には、決まったライティング作法はあまりありません。いかに個性的に執筆者が語りかけてくるか、そしてどのような内容が書かれているのかが大切です。

企業サイトなどで内容自体は決まっている場合は、サイト全体や分野別などで、それぞれひとりの人物が語りかけてくるような個性を演出できれば、読者にブログを読んでいるような親近感を演出することができます。

用語や表記のガイドラインはあっても、サイト全体を通しての文章の個性の統一まで気づかっているサイトはあまりありません。見るページと、次に説明する必要情報として熟読するページの中間的な役割として、コラムなどの読み物系のページで、ユーザーをサイトのファンにするための「読むページ」が求められます。

社長や社員ブログなどで会社の姿や個性を発信しようとする動きもありますが、それをサイト全体に広げるためには、個々のページ担当のコピーライターよりも、サイト全体のライティングディレクターのような存在こそが必要になってくるでしょう。

印刷向きのページ


商品の詳細仕様、投資家情報、レポートなどが、この「印刷向きのページ」に当てはまります。

便宜上、印刷向きのページとしましたが、実際にユーザーが印刷するかどうかはわかりません。ただ、これらのページではユーザーは詳細で正確な情報を求めており、最初から読む目的で閲覧します。といっても、Webで長文を隅々まで読むのは大変です。多くのユーザーは全体を飛ばし読みして自分に必要な箇所を見つけ、そこだけをじっくり読む、あるいはプリントアウトして全体を読むことになります。

W3Cサイト、画面キャプチャ
W3Cの各種のドキュメントは長文を少ないページにまとめた「印刷向きのページ」が多い

長文を20ページに分けてリンクで順に読むようにしている場合がありますが、これでは自分が求める情報にたどりつくのに時間がかかり、また、ページごとに印刷しなければならないため手間です。全体を1ページに入れたり、章ごとに区切るなどして、ページ数を減らしたほうが親切です。

PDFにすると読まれる確率が減ると前回書きました。しかし、長文で読むユーザー層と目的がはっきりしている場合は、本来印刷向きに作られたPDFを使ってもよいでしょう。

印刷されることを想定していないため、ナビゲーションメニューなどの余分な要素が入ったり、右端が切れて印刷されるWebページがありますが、このようなWebページは印刷されることも念頭に置いてデザインしてください。


次回につづく
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