第16回 サイト内検索の重要性 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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タイトル画像、Webユーザビリティ―信頼を生む“使いやすさ”のデザイン

第16回 サイト内検索の重要性


検索エンジンを利用して、キーワード入力し、目的のページを探すという操作は多くのユーザーがWebを閲覧するようになって最初に覚えるもののひとつでしょう。Webサイトの中にも「サイト内検索」があると、ユーザーが情報を探すのに迷った場合に、自分がすでに知っている検索という操作を頼りに情報を探すことができます。サイト内検索の重要性は、検索エンジンの普及とともに増してきているといえます。

(解説:石田優子)

著者プロフィール用イラスト [プロフィール]
いしだ・ゆうこ●クロッシングフィンガーズ代表。ユーザーエンパワーメントという手法により、ユーザー視点に立ったサイト構築、コミュニティ運営のコンサルティングなどを行っている。近著に『Webユーザビリティ・デザイン Web制作者が身につけておくべき新・100の法則。』がある。
(イラスト:MIKAさん)
クロッシングフィンガーズ:http://www.crossingfingers.org/
KeiYu HelpLab:http://www.keiyu.com/


サイト内検索ボックスを各ページにつける


サイトに空白のボックスがあって隣に「検索」ボタンがあれば、ボックスにキーワードを入れて検索すると、キーワードにマッチするページ一覧が表示される。これは誰にでも一番わかりやすい機能です。

どんなにナビゲーションに工夫しても、情報を見つけるのには時間がかります。実は下の階層に求める情報があったとしても、少し探して見つからなければ、サイトを離れるユーザーも多いでしょう。しかし、検索ボックスがあれば、とりあえず検索してみようという気になります。

中にはメニューも何も見ず、サイトを見たら、ともかく検索ボックスに突進して、検索してみるという行動に出るユーザーもいます。サイトの種類に限らず、100ページを越えるようなサイトならば、サイト内検索機能は必須といえます。

各ページに検索機能をつけていても、空白のボックスをつけずに、ただの「検索」という名前のボタンやメニューだけにしていては、ユーザーは見落としてしまいます。ぱっと見て空白のボックスがあれば検索できる、なければ検索できない。そうユーザーは思います。各ページの上部、定番の位置としては右上に検索ボックスをひとつ置くとよいでしょう。

検索結果表示の最適化が重要


大規模サイトの場合、検索結果が1,000件を越えたりする場合もあります。これではユーザーの求めている情報がどれか判断できません。検索結果からさらに追加キーワードを指定したり、特定のキーワードを含まないものだけにするなどの絞り込み検索機能や、価格順、日付順などのソートなどで、ユーザーが求めているページを探しやすくするための配慮が必要になります。

サントリーのサイト
サントリーのサイト。各ページの右上に検索ボックスを1つ設置している

サントリーのサイト、検索結果のページ
サントリーのサイト、検索結果のページ。「おすすめ」として、キーワードからユーザーが求めていると考えられるページが一番上に置かれ、その下にサントリーサイト内とニュースリリースそれぞれの検索結果が分かれて表示される。標準、一致順、新着順でソートでき、絞り込み込み検索も可能

絞り込み検索などの検索オプションは、トップページなどの検索ボックスと並べて置くとユーザーが使い方に迷うので、最初は検索ボックスをひとつ置き、検索結果ページに検索オプションとその操作方法の説明を入れるほうがよいでしょう。また、検索結果は、検索キーワードの出現率から単純に判断するのではなく、ユーザーの求めているものに近いページを検索結果の上位に出すような検索アルゴリズムが求められます。

このような検索機能をサイトごとに開発するのは大変なため、検索サービス会社の有料の検索機能を自社サイト用にカスタマイズして組み込む企業が増えてきました。Googleの検索アルゴリズムをソフトとハードと組み合わせたGoogle Mini、ASPサービスではNewsWatchのサイトナビ、マーズフラッグのMARS FLAGなどがあります。

無料の検索システムもカスタマイズで使いやすく


無料の全文検索システムとしてはNamazuが有名です。高度な検索機能が魅力ですが、標準の検索画面や結果画面がそっけなく、また検索キーワードが強調表示されないなど、見づらくわかりにくい面があります。

NMZ.head.jaなどいくつかのファイルを書き換えることで、Namazuを使いながらも、はるかに見栄えと一覧性のよい画面に変更できますので、検索結果表示のカスタマイズに力を入れてください。

また、Googleフリー検索もよく使われていますが、このGoogleフリー検索の画面のカスタマイズの自由度を高めたGoogle Co-op(Googleカスタム検索)のベータ版も提供されはじめました。Google Co-opは英語版の説明ページからしか利用できませんが、日本語も検索できる検索ボックスを設置することができます。

Googleカスタム検索の検索ボックス例
Googleカスタム検索の検索ボックス例

URLや検索結果画面の表示色などを指定して生成されるコードを自分のサイトのページに貼り付けるだけで、検索ボックスが設置できますので、検索エンジンを開発する技術やコストがない場合には、手軽に設置できるこのような無料サービスの利用も検討してみてください。


次回につづく
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