Illustratorはイラストを描くうえでかかせないアプリケーションです。その機能や操作は数限りなくありますが、はじめからすべてをマスターするのではなく、まずは基本的な機能を集中しておぼえていきましょう。Illustratorの基本的な機能を確実にマスターすることが、Illustrator上達の近道と言えます。
第1章 基本のツール(1) |
Illustratorにはさまざまなツールがツールボックスの中にあり、これらのツールを使ってイラストやロゴなどを作成していきます。ここではIllustratorで作成されるオブジェクトの構成とともに、描画の基本的なツールを説明していきます。
そもそもIllustratorで作成されてるオブジェクトはどうなっているのでしょう?
Illustratorは「ベクトルデータ」というもので構成されていて、オブジェクトの形状を数値計算で割り出すため、拡大してもオブジェクトの表示が劣化しないという特長があります。オブジェクトはすべてパス(線)とアンカーポイント(点)で構成されており、この点や線を移動して変形することができるのです。
▼ベクトルデータ(上〜中)に対して、ビットマップデータ(下)はオブジェクトをピクセルで表現するため、拡大すると表示が粗くなります。
▼オブジェクトは、パス(線)とアンカーポイント(点)と方向ハンドルなどで構成されています。
●選択系のツール
オブジェクトを選択するために使います。ただし、ベクトルデータにはオブジェクトを構成するパスやアンカーポイントもあるため、各用途に合わせて選択ツールを使い分けたりします。それぞれの特徴を説明していきましょう!
▼選択ツール
オブジェクト全体を選択します。パスやアンカーポイントだけを選択することはできません。
▼ダイレクト選択ツール
パスやアンカーポイントさらには方向ハンドルなどを選択することができます。オブジェクトの一部を変更したい場合などに大変便利。
▼グループ選択ツール
グループになっているオブジェクトの一部を選択することができます。
●描画系のツール
Illustratorには描画に関するツールもいくつか用意されています。代表的なのがペンツールがですが、この扱いがIllustratorのキモとも言えます(次の項目で詳しく説明します)。
▼ペンツール
ペンツールは直線・曲線を描くことができ、正確な線が必要になるトレースなどに向いています(次の項目で詳しく説明します)。
▼鉛筆ツール
ペンツールと同様に線を描くツールですが、マウスを自由に動かして線を描くことができます。ラフな線を描くのに便利なツールです。
▼ブラシツール
鉛筆ツールと同様、ラフな線を描くことができますが、ブラシツールで描いた線は、ブラシ機能によって線にさまざまな表情を付けることができます。筆で描いたような線などはこのブラシツールを使います。
▼直線ツール
Illustrator10から直線を描くツールが追加されました。ワンクリックで直線を描けるほか、アートワーク上をクリックすれば数値入力でも描くことができます。
▼円弧ツール
Illustrator10から曲線を描くツールが追加されました。ワンクリックで曲線を描けるほか、アートワーク上をクリックすれば数値入力でも描くことができます。
▼スパイラルツール
らせんになった曲線を描くことができます。アートワーク上をクリックすれば数値入力でも描くことができます。
スパイラルツールは、描いている最中に形状を変更することができます。
・[command]キーを押しながら作成すると、円の比率を可変します。
・[→]キー:可変したらせんをデフォルトに戻します。
・[↓]キー:辺の数を減らします。
・[↑]キー:辺の数を増やします。
第1章 基本のツール 1>2>3
第2章 ベジェ曲線を操ろう! 1>2>3
第3章 図形だけで作る模様 1>2>3
第4章 塗りと線しくみ 1>2
第5章 透明効果
第6章 グラデーションとグラデーションメッシュ 1>2
第7章 マスク機能
第8章 ブレンド機能
第9章 文字の基本 1>2
第10章 パスファインダと整列 1>2