Illustratorはイラストを描くうえでかかせないアプリケーションです。その機能や操作は数限りなくありますが、はじめからすべてをマスターするのではなく、まずは基本的な機能を集中しておぼえていきましょう。Illustratorの基本的な機能を確実にマスターすることが、Illustrator上達の近道と言えます。
第5章 透明効果 |
オブジェクトには、透明効果を適用することができます。透明効果を適用すると、重なり合ったオブジェクトの色が重なり、単色とは違う効果を表現することができます。透明効果はIllustrator ver.9.0からある機能で、さまざまな表現が可能になりました。また、不透明マスクという機能もあり、このマスクを利用するとオブジェクトをグラデーションのような階調のあるものでマスクできるので、徐々にイラストを消すことができます。
●透明パネル
(2)重なっている上のオブジェクトを選択し、不透明度を「50%」にすると、上のオブジェクトに透明度が適用され、下のオブジェクトが透過されます。
●描画モードの種類
透明パネルには、透過させる方法にいくつかの種類があります。これらを描画モードと呼び、それぞれのモードごとに適用結果が変わってきます。
・通常
・比較(暗):上に重ねる色が暗ければ、乗算して暗くなります。上の色が明るければ乗算のような効果です。
・乗算:上と下の色を掛け合わせるので暗い感じになります。
・焼き込みカラー:下のオブジェクトをすべて暗く反映させます。
・比較(明):上に重ねる色が明るければ下の色を明るくします。下の色の方が明るい場合は影響しません。
・スクリーン:重なるオブジェクトの色を反転させて掛け合わせ、明るい感じに影響します。
・覆い焼きカラー:重なるオブジェクトを常に明るくします。
・オーバーレイ:下のオブジェクトの明るさに応じて乗算かスクリーンをかけたようにします。
・ソフトライト:スポットライトのように、色を重ねた部分が明るくなります。
・ハードライト:ソフトライトより強い感じに影響します。
・差の絶対値:明度を比較します。だいたい黒く反映します。
・除外:差の絶対値と同じような効果ですが、コントラストが柔らかくなります。
・色相:下の色の輝度と彩度が上の色相と反応します。
・彩度:下の色の輝度と色相が上の彩度と反応します。
・カラー:下の色の輝度と彩度と上の色相と彩度で反映します。
・輝度:下の色の色相と彩度と上の明るさで反応します。
●不透明マスク
(1)不透明マスクはオブジェクトを自然な感じで消すことができます。イラストにグラデーションを重ねてみましょう。
(2)透明パネルのオプションから「不透明マスクを作成」を選択します。
(3)イラストが徐々に透けて背景の色が見えるようになりました。
(4)背景にパターンを適用してみると、不透明マスクで透けている様子がよりわかります。
第1章 基本のツール 1>2>3
第2章 ベジェ曲線を操ろう! 1>2>3
第3章 図形だけで作る模様 1>2>3
第4章 塗りと線しくみ 1>2
第5章 透明効果
第6章 グラデーションとグラデーションメッシュ 1>2
第7章 マスク機能
第8章 ブレンド機能
第9章 文字の基本 1>2
第10章 パスファインダと整列 1>2