Illustratorはイラストを描くうえでかかせないアプリケーションです。その機能や操作は数限りなくありますが、はじめからすべてをマスターするのではなく、まずは基本的な機能を集中しておぼえていきましょう。Illustratorの基本的な機能を確実にマスターすることが、Illustrator上達の近道と言えます。
| 第2章 ベジェ曲線を操ろう！（1） |
Illustratorにおいて、ペンツールでベジェ曲線を描くことは、一番はじめにぶつかる壁と言えますが、逆にこの機能を無視してIllustratorは語れないほどの重要性があり、結果的に厄介な機能になっています。しかし、ベジェ曲線は構えるほど難しいわけではなく、操作方法もそれほど多くありません。
一般的にペンツールを使って「絵を描く」という考え方がありますが、それよりも「点と線を操って形を作る」という考え方の方がベジェ曲線の性質を表しています。
絵を描くという固定概念を押さえて、まずはペンツールで点と線を操るということに徹してみましょう。ベジェ曲線は、点と線を確実に操れるからこそ、ロゴマークなどの正確性の高いオブジェクトも対応できる機能なのです。
●オブジェクトの構造
▲基本的にIllustratorで作成されるオブジェクトは、すべてベジェ曲線で構成されています。図形ツールなどで描く四角形や円もベジェ曲線で作られています。ベジェ曲線はベクトルデータとして数値計算をしてオブジェクトを表示するため、拡大しても表示が劣化せず、DTPなどで扱う一般的なデータになっています。また、ベジェ曲線はアンカーポイント（点）とセグメント（線）で結ばれており、これをパスと呼びます。
●ペンツールで直線を描く
（1）ペンツールを選択し、適当な場所をクリックします。
（2）少し離れた場所をクリックします。
（3）直線が描けました。
（4）ペンツールで適当な場所をクリックし、Shiftキーを押しながら適当な場所をクリックします。
（5）水平の線が描けました。Shiftキーを押すことで、水平、垂直、さらに45°線を描くことができます。
●ペンツールで複数の線を描く
（1）ペンツールで直線を描きます。少し離れたところに線を描く場合には一度ペンツールをクリックします。
（2）ペンツールで適当な場所をクリックし、直線を描きます。複数の線が描けました。
●ペンツールでギザギザの線を描く
（1）ペンツールで直線を描きます。
（2）続けて別の場所もクリックします。
（3）何度か続けると、ペンツールでギザギザの線を描くことができます。
●ペンツールで多角形を描く
（1）ペンツールで多角形を描きます。多角形になるようにクリックしていきます。
（2）最後に一番はじめに描いたポイントへ、ペンツールを重ねます。
（3）ペンツールの右下に○のアイコンが表示されます。
（4）○を確認してクリックすると、パスが閉じられたオブジェクトになりました。図形ツールで描くようなパスが閉じられたものを、クローズパスと呼びます。逆に線などをオープンパスと呼びます。
●ペンツールで曲線を描く
（1）ペンツールで右上にクリック＆ドラッグします。
（2）少し離れた場所で右下にクリック＆ドラッグします。
（3）曲線が描けました。
●ペンツールで曲線を続けて描く
（1）ペンツールで右上にクリック＆ドラッグします。
（2）少し離れた場所を右下にクリック＆ドラッグします。
（3）さらに離れた場所で右上にクリック＆ドラッグします。
（4）山なりと谷なりに線が描けました。
（5）さらに続けて描くと、延々と山と谷を描くことができます。
●ペンツールでうねった曲線を描く
（1）ペンツールで右上にクリック＆ドラッグします。
（2）少し離れた場所を右上にクリック＆ドラッグします。
（3）波のような線を描くことができました。
（4）さらに続けて描くと、延々と波を描くことができます。
第1章 基本のツール 1＞2＞3
第2章 ベジェ曲線を操ろう！ 1＞2＞3
第3章 図形だけで作る模様 1＞2＞3
第4章 塗りと線しくみ 1＞2
第5章 透明効果
第6章 グラデーションとグラデーションメッシュ 1＞2
第7章 マスク機能
第8章 ブレンド機能
第9章 文字の基本 1＞2
第10章 パスファインダと整列 1＞2
