第2回 検索ユーザーの行動心理学と買わせるサイトのつくり方 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第2回 検索ユーザーの行動心理学と買わせるサイトのつくり方

2026.4.22 WED

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Yahoo!やGoogleを味方につけて、
賢く集客するためのセオリーを学ぼう

集客のための検索連動型広告活用術


(株)ルグラン 代表取締役  泉 浩人(株)ルグラン 代表取締役
泉 浩人


2002年オーバーチュアの日本進出に参画、同社の経営全般に携わったのち、2006年4月、検索連動型広告ユーザーへのサポートを目的に(株)ルグラン を設立。結果を出すことにこだわりながら、コンサルテーションを中心に、検索連動型広告に関連するサービスを幅広く提供している
url. www.LeGrand.jp/



第2回
検索ユーザーの行動心理学と買わせるサイトのつくり方


検索連動型広告のターゲットは検索ユーザーである。「見込み客」となってサイトを訪れた検索ユーザーを首尾よく「顧客」に転換するためには、検索ユーザー特有の心理や行動パターンを十分に理解したうえで、サイトづくりに反映させることが不可欠である。


■まずは「転換率」の意味と重要性を理解する

検索連動型広告の役割はYahoo!やGoogleを利用する検索ユーザーに広告をクリックさせて、サイトに誘導するところまでとするのが一般的な考え方だろう。だが、サイトを訪れた段階では検索ユーザーはまだ「見込み客」であり、彼らが実際に商品やサービスの購入をしなければ検索連動型広告の究極の目的である「顧客」の獲得にはいたらない。

もし、サイトを訪れた100人の検索ユーザーのうち、1人が商品やサービスを購入した場合、「見込み客」が「顧客」に「転換」した割合は1%となる。この比率は「転換率」や「コンバージョン率」と呼ばれ、検索連動型広告の効果を左右する重要な指標である。

たとえば、平均クリック単価30円で100回のクリック=サイトへの訪問があった場合にかかる総コストは3,000円である。このとき、転換率が1%であれば、顧客ひとりを獲得するために3,000円を要した計算となる。だが、もし転換率を2%に改善することができれば、獲得できる顧客数は2人となり、1 人当たりの獲得コストは1,500円に半減する。つまり、総コストは同じでも転換率が違えば、広告の費用対効果には大きな差が出てくるのである。


■検索ユーザーは超短気な「目的買い」に来たお客と心得よ

読者が検索ユーザーとして検索エンジンを利用するときにいちばん期待することは何だろうか? それは、おそらく自分が探しているものができるだけ早く、簡単に見つかることだろう。

つまり、サイトを訪れた検索ユーザーとは、お目当てのモノが見つからなければ、すぐに店から出て行ってしまう非常に短気なお客なのである。したがって、広告をクリックしてくれた、この短気な「見込み客」をサイトのどこに誘導するかは転換率に非常に大きな影響を与える。

ところが、検索連動型広告を管理・運用する側になると、往々にして検索ユーザーの気持ちを忘れ、トップページをリンク先に指定する。その理由を尋ねると、まずまちがいなく「トップページに誘導すればいろいろな商品を買ってくれるかもしれないので」という答えが返ってくる。これは、滞留時間をできるだけ長くして「ついで買い」を誘うリアル店舗の動線設計によくある考え方だが【1】、ネットショップの場合、お目当てのモノが見つからなければ、短気な検索ユーザーは、クリックひとつで簡単に店舗から出て行けるということを忘れてはならない。

【1】典型的なスーパーマーケットのレイアウト。頻繁に買われる鮮魚や精肉をいちばん奥に配置することで、店舗の奥まで動線を引き込み「ついで買い」を促進することが狙い。入り口側のレジまで戻らないと退店できないところがミソ
【1】典型的なスーパーマーケットのレイアウト。頻繁に買われる鮮魚や精肉をいちばん奥に配置することで、店舗の奥まで動線を引き込み「ついで買い」を促進することが狙い。入り口側のレジまで戻らないと退店できないところがミソ


■ビックキーワードは上位階層、スモールキーワードは下位階層へ

検索とは「購入を決断するために必要な情報を集める作業」であると考えると、転換率を上げるための最適なリンク先を見つけるヒントが見えてくる。

つまり、検索ユーザーがもっている情報量が多ければ、サイト側でさほど多くの情報を提供する必要はない。たとえば、商品の「型番」で検索をしている場合、そのユーザーはすでに異なる商品の比較検討はもとより、仕様やデザインから色目まで調査と検討を終えているからこそ「型番」で検索ができるのである。こうしたユーザーは、該当する商品ページに誘導し、価格や納期の情報さえ提供すれば、あとは条件が合えばお買い上げということになるはずだ。

だが、もし、こうしたユーザーをトップページに誘導したらどうなるだろう? よほど気の長いユーザーでない限り、サイトの階層をたどって、検索した商品の該当ページを探し当ててくれることはないだろう。

つまり、一般的には「型番」の例でも明らかなように、概念の絞り込まれているスモールキーワードで検索をするユーザーは、すでに相応の情報をもっていると考えられているため、なるべくキーワードの内容に直結する下位階層の該当ページに直接誘導するほうが購買の可能性は高まる。

それに対し、たとえば「パソコン」といった概念の幅が広いビッグキーワードで検索されている場合、検索ユーザーはまだ商品に関する十分な情報をもっていないことが多いことが考えられる。そのため、ユーザーをトップやカテゴリページなど上位階層に誘導し、サイトの中で購買決定のための情報を収集してもらうよう、仕向けることが必要だ【2】。

【2】検索ユーザーは検索を通じて購入を決定するために必要な情報を集めようとするが、個々のユーザーがもっている情報量に応じて、売り手が提供する情報量をコントロールすることが肝要である
【2】検索ユーザーは検索を通じて購入を決定するために必要な情報を集めようとするが、個々のユーザーがもっている情報量に応じて、売り手が提供する情報量をコントロールすることが肝要である


■「楽天型」のサイトが検索連動型広告に向かない理由

楽天などのショッピングモールで一定の成果を上げたのち、「本店」として自社サイトを立ち上げるケースは多いと思うが、その場合、サイトのつくりはモール用のショップに似てしまうことが多い。こうしたサイトの特徴としては、まずサイトの上部に非常に大きい商品や店長さんの写真が掲載されていて、その下をスクロールしていくと、まさに「ふんどし」のように延々と商品が現れるというものである。

だが「本店」の集客を検索連動型広告で行おうとするならば、こうしたサイトで転換率を上げるのは難しい。なぜなら買う気満々でモールを訪れるユーザーと検索ユーザーとでは、その行動や心理に大きな差があるからである。

前述のとおり、検索ユーザーは目的買いをするためにサイトを訪れたのであり、最小のクリックでお目当ての商品を見つけられることが、最高の喜びなのである。こうしたお客に買ってもらうためには、誘導されたページの、しかももっとも視線が集中するエリアにお目当ての商品を載せておくことが肝要である。スクロールなど検索ユーザー側に余計なアクションを取らせれば取らせるほど、購買の可能性は低くなると心得るべきである【3】。

【3】パソコンの画面に向けられる視線の集中度をモデル的に表示したもの。特に対角線の左上に視線が集中しているので、このエリアに検索ユーザーが探しているお目当ての商品や情報を効果的に配置することが転換率の向上につながる。(source:Eyetools Inc.)
【3】パソコンの画面に向けられる視線の集中度をモデル的に表示したもの。特に対角線の左上に視線が集中しているので、このエリアに検索ユーザーが探して いるお目当ての商品や情報を効果的に配置することが転換率の向上につながる。(source:Eyetools Inc.)


まとめ

検索連動型広告の管理・運用というとキーワードやタイトル&説明文に意識が向いてしまいがちだが、せっかく見込み客を捕まえても、誘導先が悪ければ簡単に逃げられてしまう。検索ユーザーの心理や行動パターンを熟知して、したたかに買わせる術を身につけよう。



column REPORT- SEM世界紀行
「キーワード提案ツールの人気度」

欧米では検索連動型広告の利用者を対象としたさまざまなキーワード提案ツールが有料サービスとして提供されている。先日、米国のTopRank Online Marketing社が行った人気ツールのランキング調査の結果【図】、米国では2007年1月をもってデータの更新が終了したオーバーチュアのキーワードアドバイスツールが上位に食い込み、はからずも同ツールへの根強い人気が証明される結果となった。
【図】「キーワード提案ツール人気ランキング」(Source:2007年6月 TopRank Online Marketing社調べ)
【図】「キーワード提案ツール人気ランキング」(Source:2007年6月 TopRank Online Marketing社調べ)

日本でも、本年4月をもって同ツールのデータ更新は終了と発表されているが、特に日本では、有償・無償を問わず有力な代替ツールも存在しないだけに、今後キーワードアドバイスツールの復活待望論が高まる可能性もありそうだ。



本記事は『Web STRATEGY』2007年9-10 vol.11からの転載です


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