第4回 2008年の検索連動型広告市場を動かす3つのトレンド | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第4回 2008年の検索連動型広告市場を動かす3つのトレンド

2026.4.22 WED

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賢く集客するためのセオリーを学ぼう

集客のための検索連動型広告活用術


(株)ルグラン 代表取締役  泉 浩人(株)ルグラン 代表取締役
泉 浩人


2002年オーバーチュアの日本進出に参画、同社の経営全般に携わったのち、2006年4月、検索連動型広告ユーザーへのサポートを目的に(株)ルグラン を設立。結果を出すことにこだわりながら、コンサルテーションを中心に、検索連動型広告に関連するサービスを幅広く提供している
url. www.LeGrand.jp/



第4回
2008年の検索連動型広告市場を動かす3つのトレンド


日本に検索連動型広告が上陸してから丸5年が経過し、検索は今や1,000億円を超える巨大な広告媒体となった。一方で、市場には飽和感も漂い始める中、2008年の市場動向を左右すると思われる3つのトレンドに着目しながら、広告効果を高めていくためのヒントを探ってみたい。

■トレンド1 長くなるコンバージョンまでのリードタイム

検索連動型広告をクリックしたユーザーのうち、実際に購買や問い合わせなどのアクションに結びついた割合は「コンバージョン率」と呼ばれ、検索連動型広告の効果に直結する重要な指標である。では、クリックをしたユーザーが、こうしたアクションをとるまでには、どのくらいの時間がかかっているのだろうか?

これを正確に計測するためには特別なツールが必要となる。だが、すでに掲載を停止したはずのキャンペーンに、しばらくたってからコンバージョンが記録されたのを見て、広告がクリックされてからコンバージョンまでのタイムラグが意外に長いことを認識した、という広告主は多いのではなかろうか。

先日マイクロアド社が発表した調査結果によると、決済を必要とするネット上の取引において、広告のクリックから24時間以内にコンバージョンに至った割合は3分の1に満たなかった【1】。

【1】PCや家電など比較検討の対象が多い商品ほどタイムラグが長くなっており、
【1】PCや家電など比較検討の対象が多い商品ほどタイムラグが長くなっており、
消費者が購入を前にあれこれ迷っている様子がうかがえる


また前号のSEM世界紀行でも紹介したとおり、米国でもコンバージョンまでのタイムラグが、ここ2年で1.8倍に伸びているという調査結果が報告されている。

個人情報の流出やネットでの詐欺事件などが頻繁に報道される一方、多くの商品やサービスについて、比較サイトを使えば、価格や販売条件などを簡単に比較検討できる中、今後も消費者の「迷い」が減ることはない、という前提で戦略を立てていくことが重要である。具体的にはプライバシーマークや電子署名の取得などのセキュリティ対策により、サイトの安心感を高める一方、カスタマーサポートやFAQなどを充実させ、消費者の迷いや不安に応えるための努力が、これまで以上に重要となろう。


■トレンド2 多様化するメディアへの対応

PCの検索エンジン上に、検索結果の一部として広告を表示するという形で始まった検索連動型広告だが、広告掲載の場所や方法は多様化を続けている。

そのひとつが、モバイル版検索連動型広告だ。2006年に携帯電話キャリア各社がGoogleやYahoo!の検索サービスを相次いで取り入れたことで、携帯電話が検索連動型広告の配信ネットワークに本格的に組み入れられることになった。オーバーチュアがコンテンツ連動型広告の配信を始めたモバゲータウンでは、1日当たりのPVが4億を超すとも言われており、携帯電話の、広告配信ネットワークとしての存在感は急速に増している。

しかしながら、携帯電話では広告の表示件数が2件程度に限られ、また効果測定の技術も確立されていないなど、PCとは異なる点も多い。配信先のサイトによっては、ユーザーのプロファイルも、PCとは大きな違いがあるといったことも踏まえながら、出稿の是非や入札戦略については十分に検討する必要があるだろう。

また、Googleのコンテンツ連動型広告では、テキスト広告だけでなくイメージや動画広告なども配信できるようになっている。さらに配信するサイトやブログを選択したり、一定の条件を満たせばコンバージョンが発生した場合にのみ広告費を支払う成果報酬型課金システムも利用できるようになった。

一般的に、コンテンツ連動型広告の効果は検索連動型よりも低いとされてはいるが、特に、ブログなどで語られることの多いコンシューマー向けの商品やサービスであれば、こうした新機能を積極的に取り入れることで、広告効果を損なわずに集客力を高めることも可能となろう。そのためにも、つねに最新情報の入手に努め、自らの広告キャンペーンに活用できないかどうかを検討するというオープンな姿勢が求められる。


■トレンド3 入札戦略から品質戦略へ

最後に、すでに多くの雑誌やサイトでも取り上げられているが、オーバーチュアの新プラットフォームへの移行がもたらす影響については、今後の広告管理のあり方にも大きな変化をもたらす重要なテーマとして、あらためて触れておきたい。

特に2007年7月以降、アドワーズと同様に、広告の掲載順位の決定にはクリック単価だけでなく、クリック率に代表される広告の「品質」も大きく影響するようシステムの大幅な改編が行われた。この結果、クリック率を改善すれば、低いクリック単価でも上位に掲載されるようになり、品質戦略の巧拙が、キャンペーンの成否に直結するようになっている。

実際、クリック率対策を講じていない広告主においては、2007年7月以降、クリック単価を引き上げないと掲載順位が維持できないという減少が起きており、適切な対策を講じている広告主と比べ、広告効果に大きな開きが生じてしまっているケースも多く見受けられる【2】。

【2】「パナマ」移行後もキャンペーンや広告グループの編成に手を加えていない広告主の典型的な事例。特に7月以降はクリック単価を大幅に引き上げないと従来並みの掲載順位が維持できなくなっている
【2】「パナマ」移行後もキャンペーンや広告グループの編成に手を加えていない広告主の典型的な事例。特に7月以降はクリック単価を大幅に引き上げないと従来並みの掲載順位が維持できなくなっている


ところで、クリック率対策というとキャッチーなタイトルや説明文でクリックを誘導する、といった小手先の技法を思い浮かべる読者も多いだろうが、ことはそう単純ではない。特にビッグキーワードにおいては、時にクリックをさせない工夫も大切であり、さらに、そうしたキーワードは、キャンペーンや広告グループを別にすることで、クリック率が良好なほかのキーワードの品質評価への悪影響を遮断するといった施策も不可欠となる。

つまり、オーバーチュアやアドワーズの品質測定の基準をきちんと理解したうえで、個々のキーワードを最適なキャンペーンや広告グループに振り分ける「袋詰め」のノウハウこそが品質戦略の要諦といえる。今後は品質戦略いかんで、広告効果にも大きな差が出てくることは必至であり、もしあまり自信がない場合には、この機会に、専門家のアドバイスを仰いでみることも検討すべきであろう。


まとめ

Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンにとって、検索連動型広告は、欠くことのできない収益の柱となっている。それゆえ、広告収入の最大化や利便性の向上を図るべく、2008年以降も、次々と新しい機能やサービスが開発・提供されていくことはまちがいない。こうした変化にいち早く対応しながら、広告効果を上げ続けていくために、筆者も微力ながら、本稿の中で、今後も最新の情報やノウハウの提供に努めていきたい。



column REPORT- SEM世界紀行
「ジャパンパッシング」

世界の関心は日本を素通りして、急速な成長を続ける中国に向かう「ジャパンパッシング」という言葉が使われるようになって久しいが、どうやら検索エンジンの世界でも、似たような状況になりつつあるようだ。

10月にcomScoreが発表した統計によると2007年8月に全世界で行われた検索の回数は約610億回で、その約半数はGoogleが占める一方、中国最大の検索エンジンである百度(Baidu.com)が世界ランクではマイクロソフトを抜き第3位に入った。韓国のNaverも5位に食い込んでいる【図】。

【図】Baiduの創業者Robin Li氏はアメリカで教育を受けInfoseekの検索エンジン開発にも携わった国際派。2005年8月にはナスダックにも上場を果たしている
【図】Baiduの創業者Robin Li氏はアメリカで教育を受けInfoseekの検索エンジン開発にも携わった国際派。2005年8月にはナスダックにも上場を果たしている

Google、Yahoo!への対抗勢力がアジアから誕生していることは喜ばしい半面、和製エンジン台頭の予兆すらまったくないことに一抹の寂しさを感じるのは筆者だけだろうか。



本記事は『Web STRATEGY』2008年1-2 vol.13からの転載です
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