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第5回 モバイル検索連動型広告との上手な付き合い方

2026.4.22 WED

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賢く集客するためのセオリーを学ぼう

集客のための検索連動型広告活用術


(株)ルグラン 代表取締役  泉 浩人(株)ルグラン 代表取締役
泉 浩人


2002年オーバーチュアの日本進出に参画、同社の経営全般に携わったのち、2006年4月、検索連動型広告ユーザーへのサポートを目的に(株)ルグラン を設立。結果を出すことにこだわりながら、コンサルテーションを中心に、検索連動型広告に関連するサービスを幅広く提供している
url. www.LeGrand.jp/



第5回
モバイル検索連動型広告との上手な付き合い方


総務省の発表によれば、携帯電話の人口普及率は78%に達し、携帯端末の87%はインターネットにも接続が可能だ。だれでもどこでも簡単に利用できるようになったモバイル検索エンジン。今回はその広告媒体としての価値と利用術について考えてみたい。


■モバイルでも検索は本当にショッピングの「起点」なのか?

確かに日本は「モバイル先進国」であり、モバイル関連ビジネスの市場予測を見ると、どれも強気な楽観論に包まれている。2007年8月にNTTグループ傘下の情報通信総合研究所が行った予測によると、いわゆるモバイルコマースの取引規模は今後4年間で6.3倍の1兆4,870億円まで急拡大すると見られている。なかでも書籍や化粧品などの「物販」が市場の成長を牽引するとしている【1】。

【1】2008年にはモバイルコマースがコンテンツ取引を抜き携帯ビジネス成長の牽引役に
【1】2008年にはモバイルコマースがコンテンツ取引を抜き携帯ビジネス成長の牽引役に


こうしたモバイルコマース市場の急成長に連動して、モバイル検索連動型広告市場も今後急拡大するという見方もあるが、果たして本当にそうなのだろうか?

PCにおいては、過去数年間、インターネットの普及率やEC市場の伸びに連動して検索連動型広告市場も急拡大した。だが、その背景には、ネット空間に散在する無数のサイトの中から、お目当てのショップや商品を探し出すための羅針盤として、検索エンジンの存在が不可欠であったという事情がある。

つまり、検索が多くのユーザーにとってショッピングの「起点」であったことが検索エンジンの利用を促し、それがまた検索連動型広告に多くの広告主を引きつける結果となったのである。

ひるがえって、モバイルにおいても、検索エンジンは、携帯サイトにたどり着くための不可欠な手段となっているのだろうか?

2006年以降、携帯キャリア各社はGoogleやYahoo! JAPANと相次いで提携し、各社のポータルサイトから簡単に検索も行えるようになっている。しかしながらインプレスR&D社が行った調査によれば「ほとんど公式サイトしか利用しない」「公式サイトの利用が多い」と答えた人は、全体の45%を占めている。

mixiなどの人気サービスが公式サイトに組み込まれる一方、各キャリアでは、検索サービスを導入した後も、基本的には公式サイトにアクセスしやすい構造となっている。このため、今後、モバイル検索がモバイルコマースの「起点」となり得るのかどうかを見極めるためには、携帯ユーザの検索行動などについて更なる検証が必要であろう。


■モバイル検索連動型広告活用のための「傾向」と「対策」

先日発表されたアウンコンサルティング社の予測によると、2007年のモバイル検索連動型広告の市場は164億円に達し、前年比では152%の大幅増となった。この背景には、モバイル検索の利用が増えたこともあるが、携帯サイトの中でも圧倒的なトラフィックを有するモバゲータウンやmixiなどが広告配信ネットワークに加わったことで、期せずして広告費用が大幅に増加してしまったという、「モバゲーバブル」ともいうべき特殊要因があったことも事実である【2】。

【2】今年からモバイル検索連動型広告に関する予測値を大幅に情報修正し、2008年にはPCのコンテンツ連動型広告市場を上回ると発表
【2】今年からモバイル検索連動型広告に関する予測値を大幅に情報修正し、2008年にはPCのコンテンツ連動型広告市場を上回ると発表


たとえば、オーバーチュアを利用する場合、出稿した広告はYahoo!ケータイなどのモバイル検索に加えて、1日4億以上のページビューを持つモバゲータウンにも「コンテンツ連動型広告」として掲載されるため、出稿しているキーワードによっては、クリック料金の急増を経験した読者もいるのではないだろうか。

一般的にコンテンツ連動型広告の「成約率」は検索連動型広告に比べて低いため、オーバーチュアでも、PCではコンテンツ連動型広告からオプトアウトしたり検索連動型広告とは異なるクリック単価を設定できるようになっている。だが、モバイルでは、そこまで細かい設定ができないため、将来、こうした機能が提供されるまでは、コンテンツ連動型広告に配信されにくいキーワードを選んで出稿するといった工夫も必要となろう。

もちろん、検索連動型であれコンテンツ連動型であれ、最終的には、広告効果を見ながら出稿の可否やクリック単価を決めればよいわけだが、現状、多くの携帯端末はCookieに対応していないため、携帯サイトのコンバージョンを測定するためにはWebビーコン方式などCookie以外の技術を使った測定ツールを別途導入することが必要となる。したがって、モバイル検索連動型広告を出稿する際には、コストをかけて測定ツールを導入するか、コストを抑えるために、コンバージョンの測定には目をつぶるか、という難しい判断も迫られることになる。


■リスクを回避するためには集客手段の多用が不可欠

ここまでは、広告が掲載された場合に起こりうる問題点について述べてきたがモバイルでは、広告が期待どおりに掲載されない、という難しさもある。特に中堅中小の広告主にとっては、こちらのほうが厄介な問題かもしれない。

ご承知のとおり、携帯電話ではPCのモニタにくらべて、表示できる画面の大きさが圧倒的に小さいという物理的な制約がある。このため、広告の表示枠も2件程度に絞られていることが多い。つまり上位2件に入らなければ、獲得できるクリック数がゼロになってしまうというリスクをつねに考えておく必要がある【3】。

【3】PCに比べると広告の表示枠は限られている
【3】PCに比べると広告の表示枠は限られている


特に人気の高いキーワードにおいては上位掲載をめぐって、激しい価格競争に巻き込まれることもあり、さらに効果測定も難しいとなると、潤沢な予算を持つ大手企業がどうしても有利となる。また、掲載順位を維持するために入札価格を調整し続けるとなると、専任担当者を配置したり、広告代理店に管理を委託するための費用も考えておく必要があるだろう。

携帯サイトの集客をモバイル検索連動型広告のみに依存することは集客面でのリスクも大きい。特に中堅・中小広告主においては、モバイルSEOやアフィリエイトなど、多様な集客手段を併用し、リスクの分散を図っておくことが肝要だ。


まとめ

オーバーチュアやグーグルが積極的に広告配信ネットワークを拡大する中、モバイルにおいても、検索連動型広告の利用価値は高まっているように見える。だが「ブーム感」に乗せられて漫然と利用を始めるのではなく、PCとの違いを十分認識したうえで、想定されるリスクについても、あらかじめしっかりと対応策を検討しておくことが重要だ。



column REPORT- SEM世界紀行
「ユーザー連動型広告」登場?

本文でも触れたとおり、コンテンツ連動型広告の費用対効果は、検索連動型広告に比べると低くなる傾向が強い。個人ブログを例にとってみると、エントリーの内容は恋愛から昨夜食べたラーメンの味まで、書き手の心情や行動によって日々大きく変化する。しかし、そのブログを読みにきているのは書き手の友人や仕事仲間などが中心であり、その顔ぶれが毎日入れ替わるということは考えにくい。

つまり、読み手の嗜好や興味関心は大して変わらないわけだから、技術を駆使してエントリーの内容と広告との関連性を高めてみても、クリック率や成約率にはあまり影響はないのではなかろうか。

そんなことを思っていたところ、先日グーグルは、特定の年齢層や性別のユーザーだけに広告を配信できるというサービスの試験運用をアメリカとイギリスで開始すると発表した。

いわば「ユーザー連動型」とでもいうべきサービスだが、果たして、コンテンツ連動型広告の費用対効果を改善する切り札となるのか、試験運用の結果が今から待ち遠しい。



本記事は『Web STRATEGY』2008年3-4 vol.14からの転載です


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