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2月22日は猫の日!猫×デザイン

2020.02.14 Fri2024.01.17 Wed

猫デザインの雑貨&撮り下ろしの猫写真も

2月22日は猫の日!猫×デザイン特集【1】保護猫たちが働く会社「LOVE & Co.」インタビュー

取材・文:編集部、Rio HOMMA 撮影:米山典子

2月22日は“猫の日”ということで、猫にちなんだインタビューをお届けします。今回取材を行ったのは、保護猫たちが働く「LOVE & Co.(ラブコ)」。こちらの会社は、クラウドファンディングで事業を始めていたり、猫たちのイラストをパッケージモデルにした雑貨を販売していたり、新しいかたちの保護猫活動をスタートさせています。そこで、広報の山下恵子さんにそのユニークな活動内容についてお話を伺いました。さらにラブコにいる猫たちの撮り下ろし写真も!すべての猫好きさん必見の内容です。

クラファンで資金募集!保護猫も働くユニークな会社

広報の山下恵子さん

──それではまず初めに、LOVE & Co.の成り立ちを教えてください。

山下 代表の今村が立ち上げました。今村自身が10年以上前に、個人で猫の保護活動を始めていたんです。1匹の猫との出会いをきっかけに、野良猫の過酷な状況や人間が関わることで、ひどい状況が改善されていくってことを知り、近くの神社にいる猫を保護することから始まりました。当時勤めていた動物医療機器の輸入商社を退職して、LOVE & Co.の前身となる事業を開始。その後、クラウドファンディングで資金を募り、2016年にLOVE & Co.を立ち上げました。

──保護団体ではなく、保護猫も働く会社というのはユニークですね。“寄付だけに頼らない長期的なソーシャルビジネスをめざす”というコンセプトも素敵です。

山下 保護団体というよりは“保護猫がいる会社”みたいな意識の方が強く、「寄付ください」って言うだけだと使ってて申し訳なくなってしまうんですよね。自分たちがつくり出したお金で、猫たちのご飯代だったり、医療費だったり、人件費に充てられたらいいよねという考え方で運営しているんです。今は12匹の猫がいて、ソファの下やキッチンの棚の上なんかに潜んでいますよ(笑)。

LOVE&Co.のメイン商品は、保護猫たちがラベルのモデルを務めるオリジナルドリップコーヒー。
味はブレンド、キャラメル、バニラの3種類

保護猫たちがモデルに変身!?かわいい商品パッケージ

──猫たちをパッケージモデルにしたコーヒーや雑貨など、どのアイテムもおしゃれで目を引きますね。販売収益で保護活動費に充当しているとのことですが、このような販売モデルを思いついたきっかけを教えてください。

山下 ドリップコーヒーの売り上げでシェルターをつくろうというのは、前身となる事業で始めたことでした。全く関係ないラベルではなく、猫たちがモデルになっていた方が繋がりがあるということで、スタッフ宅の猫(元野良猫たち)の写真をモデルにして作ったそうです。LOVE & Co.もその流れで猫をモデルにしていて、ハッシュタグも付けているんですよ。このコーヒー(画像参照)が、猫たちの名刺というか、里親募集をしているのがラベルを見て分かるつくりになっています。配ってもらうこともできるので。コーヒーのビジュアルは、最近、ネーミングやデザインも遊びが多く入ってきて、みんなにいじられてます(笑)。

一緒に話を聞くコロ子さん
コロ子さんをモデルに、映画『おしゃれ泥棒』をオマージュした遊び心のあるパッケージ
「COFFEE & BADGE BAG 【 KORO 】」

──コーヒーをはじめ、商品のパッケージはデザイナー自ら考えているそうですね。どのようなコンセプトやテーマでイラストを描いているのでしょうか?

山下 猫を預かると、まず名前を考えるのですが、それにちなんだデザインだったり、かわいかったり、おしゃれだったり……、猫の個性を引き出せるような、クスっと笑えるデザインを意識していますね。例えば、映画『おしゃれ泥棒』や『男はつらいよ』の寅さん、バンドのクイーンのオマージュとかもあるんです。猫がかわいそうに見える、ひどいなと感じてしまうようなデザインはもちろんしていません。

手前がチヨ子さん、後ろがおかみさん
「LOVE ME CHIYOKOLATE ミルク」は、チョコレートにちなんで名付けられらチヨ子さんのイラスト。
シャーと威嚇するのがチャームポイント

──保護猫たちをパッケージモデルにすることで、どんな効果がありましたか?

山下 ファンやフォロワーが付いてくれるんです。アイドルみたいに“推しメン”ができたり。パッケージもいろいろ作ることで、コレクションをしようという方も結構いますね。購買意欲をそそっているのかしらと思うんですけど。コーヒーのラベルも「この子のがないから作ってください!」っていう要望もあるくらいです。お客様側が盛り上がってくれる、ブロマイドみたいな役割になっていますね。

「VALENTINE GIFT B」。こちらは、皮膚病治療中のホイップさん。
引っ掻き防止のためにつけているドーナッツ型のカラーも一緒に描かれている
ハーブティー「LOVE ME TULSI TEA」、タンブラー「OSSAN ROCK'N ROLL TUMBLER」も人気のアイテム

──どの商品も魅力的ですね。その中でも人気のアイテムを教えてください。

山下 いちばんはドリップコーヒーです。あとは、ハーブティー、チョコレートも出るとすぐに品切れになるくらいリピーターの方も多くて。同じアイテムばかりだとつまらないので、季節も意識しています。例えば2月ならバレンタインアイテム(画像参照)も。猫によっては、大きな検査が必要な場合もあるので、「内視鏡検査お疲れ様セット」みたいなものを数量限定で販売して、買ってもらう作戦を考えたり。どんなものを作るか、考えるのが楽しくてしょうがないです。自分が欲しいものじゃないと嫌なので、話し合ったり、カタログ見たりしながらじっくり考えています。

陶芸家の大場紀穂子さんが手掛けた「豆皿」は、成形・焼き・柄付けまで、すべて手づくり
LOVE & Co.を卒業した猫たちを描いた「2020 LOVE & Co. CALENDAR」

もっとおしゃれな商品作りを!今後の活動について

──今後はどのような展開を考えていますか?

山下 新しいことはあまり考えていないんですが、商品をつくって買ってもらうのがメインなので、どうやって楽しんでお買い物してもらえるか、うちの保護猫たちに注目が集まるかということを絡めながら、もっと楽しくておしゃれで買いたくなっちゃうような商品づくりを考えている感じですね。猫の日に向けて、今はクリエイターさんたちに声をかけています。毎年1回「クリエイター祭り」という、オークション、LOVE & Co.の保護猫をモデルにした商品をつくってもらうイベントを開催しているので、今年は、毎月何かしらのイベントをして、目玉商品をひとつは考えてつくれたらなと思っています。

──それでは最後に、ここ数年巻き起こっている猫ブームについてどう思っていますか?

山下 猫は以前からかわいいと思っていたので、何を今さらと(笑)。一時のブームで終わらないでほしいですよね。まだまだ野良猫ってすごく多いじゃないですか。外の生活は本当に過酷。夏は猛暑だし、雪が降れば凍った地面の上で過ごす子もいるので、そういう子たちがいることを知ってほしい。そんな子たちをなんとか助けられるように目を向けてほしいなと思います。個人で猫を保護している人も増えたなと思います。みんなそれぞれで頑張ってるっていう感じがありますね。

おまけ!LOVE & Co.の猫たちを撮り下ろし

人にも猫にも優しいNATSUMEさん
エイズキャリアのファンファンさん
多摩川の河川敷出身のちびさん
大きい体でびびりの勝新さん

一般社団法人LOVE & Co.
飼い主のいない猫を保護し、新しい家族を見つけるための活動を行う。オフィスにいる保護猫たちをパッケージモデルにしたコーヒーや雑貨を販売し、その収益を保護活動費に充当。長期的なソーシャルビジネスをめざしている。商品のデザインは、代表理事の今村友美さんによるもの。毎週毎週土曜日にワークショップ、日曜日は12時~16時まで「オープンラブコ」を開催。

公式サイト:http://love-and-co.net/
オンラインストア:https://loveandco.easy-myshop.jp/

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