クリエイターズ・プロダクト[Software Review]
このAIツールは初心者だけなくクリエイターにもおすすめ!
最新背景透過AIツール「Aiarty Image Matting」徹底レビュー、驚くほど簡単で精度がスゴい!
写真素材を扱う際、被写体だけを切り抜いたり背景をぼかしたり、素材画像を加工をすることは一般的に多いと思います。しかし、単純な形の被写体ならともかく、手作業で人物や動物などの複雑な形状の被写体を手動で切り抜くのは手間も時間も掛かって結構大変です。
そんな面倒な作業を肩代わりしてくれるのが、Digiarty Softwareの背景透過AIツール「Aiarty Image Matting」です。この背景透過AIツールの最大の特徴は、AIモデルを利用して写真の背景を透明化し、被写体だけを高精度に切り抜けるほか、切り抜き以外にも写真を高画質化できる機能なども搭載されています。
最近では、こうした生成AI技術を活用した最新ツールが数多く登場していますが、使い勝手やその良し悪しまではなかなか見えてこないものです。あくまで一例となりますが、生成AI技術を活かした背景透過AIツール「Aiarty Image Matting」を実際に試してみて、クリエイティブの現場で実用になるかどうかをガチでチェックしてみました。ここでは、その詳細について徹底解説しますので、クリエィティブツール選びの参考にお役立てください。
背景透過AIツール「Aiarty Image Matting」とは?
写真のレタッチの際、手間がかかる作業のひとつに切り抜き(背景透過)があります。とくに人物の髪の毛や動物の毛、植物の葉など、複雑な形状やテクスチャの場合は、手動できれいに切り抜こうとすると手間や時間がかかってしまいがち。スキル不足だと時間をかけても満足できる仕上がりにならないこともあります。
MacやWindowsの現行バージョンには、写真の被写体を自動で切り抜く機能がOS標準で搭載されていますが、あくまでも簡易的なもの。また、Photoshopのような画像編集ソフトにも同様の機能が搭載されていますが、精度や調整のしやすさなどに不満が残ります。結局、複雑な形状や境界があいまいなものは人の手で調整する必要があるため、思ったほど時間の節約にならないことも少なくありません。
そこで今回注目したのが、背景透過AIツール「Aiarty Image Matting」です。32万枚の4K画像で学習したというAIモデルを使うことで高精度な切り抜きを簡単に行えるので、作業時間の短縮に役立ちます。また最大3,000枚の画像を一括で処理できる機能も搭載されているため、商品カタログのように大量の画像を扱う場合でも、生産性を大幅に向上することが可能です。
「Aiarty Image Matting」のインストール手順
「Aiarty Image Matting」はMacおよびWindowsの両OSに対応しています。インストール方法はとても簡単で、Macの場合は公式サイトの[今すぐ無料で始める]ボタンからDMGファイルをダウンロードしたら、ダブルクリックして開いて中にある「Aiarty Image Matting」のアイコンをアプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップすればOKです。
Windowsの場合はダウンロードしたファイルをダブルクリックするとインストーラーが立ち上がるので、画面に表示される[インストール]ボタンをクリックすればインストールが実行されます。
「Aiarty Image Matting」の基本的な使い方
インストールされたアプリを起動すると製品登録画面が表示されるので、すでにアプリを購入している場合はメールアドレスやライセンスコードを入力して登録しましょう。無料版のまま使う場合は[後で通知]をクリックすれば登録をスキップしてメイン画面を開くことができます。
「Aiarty Image Matting」の使い方はとても簡単で、基本的に次の3ステップになります。
- 基本的な使い方
1. 背景を透過したい画像や、その画像があるフォルダをメイン画面に直接ドラッグ&ドロップするか、[追加]ボタンを押して画像を選択する。 2. 画面右側にあるプロパティパネルの[AIモデル]から画像にあったモデルを選び、[背景透過]の[開始]をクリック。 3. 画面右下の書き出し設定で[書き出し]をクリック。
[背景透過]を実行すると、プレビューエリアに背景が透明になった画像が表示されます。ユニークなのは、プレビューの中央にあるスライダーを動かすことで透過前と透過後を見比べることができるところ。仕上がりに不満があれば、さまざまな方法で調整することができます。
たとえば、被写体のエッジに背景の色が境界線のように残ってしまうことがあります。そんなときは、エフェクトの[フェザー]にチェックを入れて[幅]と[強度]を調整することで、ある程度境界をなめらかにすることができます。
また、背景の一部が透過されずに残ってしまったり、逆に被写体の一部が背景と同化してしまったりする場合も。そんなときは、消しゴムツールやブラシツール、覆い焼きツール、焼き込みツールなどを使って細かく修正することが可能です。
このほかにも、さまざまな機能が用意されています。たとえばエフェクトの[ぼかし]を使うと、背景だけをぼかして被写体を引き立たせることができます。一眼カメラの明るいレンズを使い絞り開放で撮ったような表現をしたいときに効果的です。
エフェクトの[白黒]は、被写体のみカラーで背景を白黒にしたり、逆に背景がカラーで被写体のみ白黒にすることができます。ファッション広告やアート写真のような表現を手軽に実現可能です。
エフェクトの[ピクセル]を使うと、被写体または背景に好みの大きさのモザイクをかけることができます。SNSに投稿する写真で人物の顔を隠したいときなどに役立ちそうですね。
ちなみに、被写体の背景だけをぼかして、しかも白黒にするという具合に、エフェクトの効果を複数組み合わせることも可能です。ちょっとした画像加工であれば、他の画像編集ソフトを併用しなくても本ソフトだけである程度完結できるのは便利だと感じました。
切り抜き以外では、画像を高画質化する機能も搭載されています。AIを使って画像の解像感を高めたり、ディテールを保ったまま画像の解像度を最大2倍にアップしたりできるので、撮影に失敗したピントの甘い写真や解像度不足の写真の救済などに重宝しそうです。
手軽に画像を高精度に切り抜けるところが魅力的
実際に、さまざまな画像で試してみて魅力的に感じたのは、やはりAIによる精度の高い切り抜きが可能なところです。プロパティパネルでは、AIモデルを4種類から選ぶことができますが、画像にあった適切なAIモデルを選択することでよりよい結果を得ることができます。
たとえば、髪の毛や動物の毛のような複雑なエッジを持つ被写体、薄手の生地、ガラスや水滴などの透明なオブジェクトは「AlphaStandard V2」、昆虫や花などのマクロ写真、工業製品などエッジがシャープなものや、ポートレート、食べものの写真は「AlphaEdge V2」、自動車やアクセサリー、家具などのエッジがシャープで反射があるものは「EdgeClear V2」、バッグ、靴、車、建物などの固体オブジェクトは「SolidMat V2」という具合です。
単純な形の被写体はもちろんですが、猫や犬のような動物のフワフワした毛や細いヒゲまでしっかり切り抜いてくれたのには驚きました。クラゲのような半透明な生き物は、体の輪郭に沿って切り抜いてくれるだけでなく、その透明感まできちんと再現してくれます。人の手による作業だと、なかなかこうはいきません。
ただ、写真によってはどのAIモデルを選ぶべきか判断に迷うこともあります。うまく切り抜けなかった場合は別のAIモデルで試してみると切り抜けることもありますが、どのAIモデルでも一発で満足いく仕上がりにならないこともあります。とくに似たような色合いの複数のモチーフが重なり合っているような写真は苦手なようです。
また、人物のグループのうち特定のひとりだけ切り抜きたいという場合も手動で調整が必要になります。そのため、どんな被写体も完全に自動で切り抜けるというわけではありませんが、日常のクリエイティブ作業の生産性を大きく向上してくれるのは間違いありません。
精度の高さを考慮すれば納得のコストパフォーマンス
「Aiarty Image Matting」は、一部機能が制限された無料版と、10,808円(税込)ですべての機能が制限なく使える有料版の2種類が用意されています。ソフトウェア自体はどちらも同じで、無料版にライセンスコードを入力することで制限が解除される仕組みです。
無料版では起動時に製品登録画面が表示されることや、一括書き出しができないこと、書き出した画像に透かしが入るなどの制限はありますが、それ以外の機能はすべて利用することができます。自分の環境で問題なく動作するか、実用になるかどうかを知りたい人は、まずは無料版を試すことをおすすめします。
ほぼ切り抜きに特化したソフトウェアということを考えると、有料版にハードルの高さを感じる人もいるかもしれませんが、切り抜きにかかる手間や時間を考えれば十分元を取れるという人も少なくないでしょう。機能が特化しているぶん、PhotoshopやCanvaなどの類似する機能を持つツールに比べると細かい調整がしやすかったり、大量の画像の切り抜きを一括で処理できたりするなど、使い勝手がよいのも魅力的なポイント。デザイナーやレタッチャー、DTPオペレーターなど、写真を切り抜く機会の多いクリエイターには、業務効率を大きく向上してくれるコスパのよいツールだと言えそうです。
初心者だけでなくプロのクリエイターにもおすすめ
【まとめ】
髪の毛や動物の毛などの複雑な形も、AI技術を活用して高精度に切り抜くことができる「Aiarty Image Matting」。
AI任せならわずか3ステップで切り抜ける手軽さは、画像加工の初心者にはピッタリ。各種ツールを使って切り抜き精度を高めたり、大量の画像の切り抜きを一括で処理したりすることもできるので、初心者だけでなくプロにもおすすめすることができます。
主要な機能のほとんどを試せる無料版が用意されているので、導入のハードルが低いのも魅力的なポイント。ふだん写真の切り抜きに手間を取られているデザイナーや、生産性を上げたいと思っているクリエイターは、一度無料版を試してみてはいかがでしょうか。
2025.03.19 Wed