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お洒落クリエイターの心をくすぐるプロダクトレビュー

2024.02.26 Mon

「SURIMACCA」でシルクスクリーンをやってみた【応用編】

インクの使い方を工夫しながら、スリマッカでさまざまなシルクスクリーンの印刷表現を楽しもう!

文・写真:平田順子

刷り方を工夫することで、さまざまな印刷が楽しめる

「SURIMACCA」では、きっちり図案に沿って色を刷り分けるだけでなく、刷り方を工夫することで、さまざまな印刷表現が可能です。例えば、インクの色を重ねて印刷することもできます。同じインクの組み合わせでも、どちらを上にするかによって、色の出方が変わってきます。

くすみブルーで印刷した上に、少し版をズラしてコーラルを印刷。色が重なっているところは下のくすみブルーが透けてグレーがかったピンク色に
コーラルで印刷した上に、少し版をズラしてくすみブルーを印刷。くすみブルーの方が色が強く下のコーラルはあまり透けないので、色が重なったところもくすみブルーに

また、1つの版にインクを左右に分けて置くことで、版を重ねずとも2色使った印刷をすることが可能です。インクを交互に少しずつ置いて、ボーダーにするといったこともできますし、例えば図案の上部にくすみブルー、真ん中くらいの高さにコーラルのインクを置いて刷ると、くすみブルーからグラデーションで真ん中辺りからコーラルに色が変わるといった刷り上がりになります。

版の左側にコーラル、右側にくすみブルーのインクを置いて刷る
左がコーラル、右がくすみブルーのツートンカラーに刷り上がった

「SURIMACCA」のインクは混色できるので、くすみブルーとコーラルを混ぜて印刷してみました。相性によっては、混色したものにアイロンをかけると変色することがあるそうなので、布に刷る場合は余り布などでテストをしておくと安心でしょう。

コーラル2:くすみブルー1くらいの割合で混色したインクを版の上に置いて刷る
ピンク寄りの紫色に刷り上がった

版にインクをランダムに置くと、マーブル模様にすることもできます。こちらは、【基本編】で使ったフクロウ柄の1色の版を使いました。版の上でくすみブルーとコーラルのインクを軽く混ぜてマーブル状にし、布バッグに印刷しています。

版の上にくすみブルーとコーラル2色のインクを出し、軽く混ぜてマーブル状にする
フクロウがくすみブルーとコーラルのマーブルに刷り上がった

他にも、プリンターなどで印刷した線画のキャラクターの、洋服部分にだけ「SURIMACCA」で印刷するなど、さまざまな使い方ができます。デザインやものづくりが好きな人であれば、そうしたアイデアを考えること自体が楽しいでしょう。

まとめ

シルクスクリーンで多色刷りをする際には、色ごとに版をつくる必要があります。そのため、たくさん色を使う複雑な図案でつくるのは楽しい反面、手間や費用がかかってしまいます。しかし、1〜2色の図案でも刷り方を工夫することで、ボーダーやマーブルといったさまざまな印刷表現ができます。また、「SURIMACCA」のインクは混色することができるので、数色の購入でも混ぜて色の幅を広げることができます。印刷でオーダーするのとは違い、1刷りごとに色の出し方を変えることができるのもシルクスクリーンならではの楽しさです。

印刷は布や紙のほか、無塗装の木材などにも行えます。紙はツルツルしたコーティングがされたものだとインクの定着が悪くなるので、ケント紙などある程度インクを吸い込んでくれるものがよいでしょう。また、コピー用紙など薄い紙だとインクが乗ったときに波打ってしまうことがあるので、少し厚みのある紙が適しています。

インクは、乾燥すると布では洗濯が可能になるほどにしっかり定着します。そのため作業時の服や台などにインクをつけてしまうと取れなくなってしまいます。印刷作業をするときは、机にカバーをかけたり、汚れてもよい服装で行うと安心です。

大阪と東京にある店舗のワークスペースでも、「SURIMACCA」を使った印刷をすることができます。道具を揃えるのは大変だ、自分で作業をするのは不安だという方は、スタッフに相談もできるのでこちらで制作するとよいでしょう。

DATA

製品名:SURIMACCA(スリマッカ)
実売価格:製版990円〜、インク770円〜、SURIMACCAセット4,840円(すべて税込)
公式サイト:https://surimacca.com/
発売元、公式ECサイト:https://jam-p.com/
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B097BLDGB8/

平田順子
ライター・編集者
大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を手がける。近年はデジタルマーケテイング媒体での執筆が増え、クリエイターをはじめマーケターや経営者の方々の取材を手がけている。https://junkohirata.work/
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