ベッドに寝転がってイヤホンで音楽を鑑賞していると、その快適さゆえ、このまま寝落ちしてしまいたいと思うことがあります。特にカナル型のイヤホンは密閉型で遮音効果も高いため、余計にそう感じがちです。
しかしイヤホンの多くは外側に大きく膨らんでいるため、挿したまま横を向いて寝るのは危険です。ウトウトしつつ寝返りを打とうとしてイヤホンが耳に刺さりそうになり、あわてて飛び起きた経験のある人も多いのではないでしょうか。
小林製薬の「ナイトミン 耳ほぐタイム」は、カナル型イヤホンの構造をそっくり採用した耳栓です。側面はフラットで突起がない形状ですので、装着したまま横向きに寝るのも支障はありません。
もっとも、本製品の売りはそこではありません。本製品の最大の特徴は、耳栓の裏側に超小型の携帯カイロを入れ、耳をじわりと温められることです。
つまり遮音効果に加えて、耳を内側からやさしく温めることにより、快適な眠りをもたらしてくれる、安眠グッズの一種というわけです。もちろん音楽を聴く機能はなく、耳栓の延長線上にある製品です。ホットマスクの耳版と考えれば、わかりやすいかもしれません。
ワンパッケージには5組の発熱体が同梱されており、これをカナル型イヤホンの台座にあたる部分に挿入して使用します。つまり5日分使える製品ということになります。本体の部分は継続利用できますが、発熱体は使い捨てになります。
周囲の騒音をカットしつつスムーズな入眠を可能にしてくれるとしてネットで話題になり、品薄気味になっているこの製品ですが、筆者が実際に使ってみた限り、効果にはかなりの個人差があるようです。
まず遮音性ですが、カナル型イヤホンと同等のピースを使っていることからも分かるように、かなり高い効果があります。さすがに逆位相の音でノイズを打ち消すノイズキャンセリング機能を搭載したイヤホンには及びませんが、大小2種類のイヤーピースを選べるなど、自分の耳の径に合わせて密閉性をカスタマイズできます。
さらに暖かさによる入眠効果も確かにあります。耳あてのように外側から保温するのではなく、内側から温めるため、よりダイレクトに暖かさが伝わってくる印象です。発熱体は裏側が平たくなっており、それが外側を向いているため、横を向いてそのまま寝られるのも大きな利点のひとつです。
その一方で、長時間装着していると耳の中に汗をかくという、カナル型イヤホンの欠点はそのままです。本製品は耳を密閉することに加えて熱も発するため、むしろその傾向は強めです。暖かさによる入眠効果と、汗をかく不快感を天秤にかけて、どちらが上回るかはその人次第と言えます。
またこの発熱体は、効果が約20分しか持続せず、あくまでも入眠を促す役割しか果たしません。何時間にもわたって温め続けると低温火傷のリスクもあるので、これで妥当なのでしょうが、入眠に至るまでの時間がかかる筆者などは、寝付くまでに温度が下がってきて「えっ、もう効果切れ?」と拍子抜けしてしまったほどです。
もっとも筆者の場合、防音効果に加えていくらかの保温性もあるウレタンタイプの耳栓を就寝時に常用しているため、効果がやや弱めに感じられるだけで、ふだん耳栓をせずに就寝している人からすると、体験したことのない快適さはあるはずです。このように、その人がこれまでどんなツールを使ってきたかによって、感じ方はかなり変わりそうです。
このように、人によって大きく評価が変わるのもナルホドと納得させられる本製品ですが、これまで体験したことがない不思議な感覚ゆえ、ツボにはまればスムーズな入眠を促してくれるはずです。5回分の発熱体を使い切ったあとは、空になった本体とイヤーピースを、遮音専用のツールとして活用するのも悪くなさそうです。
不眠を解消したい人にとって魅力的なこのツール、いかんせんその性質上、夏場の利用には向いておらず、実質的に冬専用となります。流通量が少ないのか在庫がやや品薄なのが難点ですが、興味のある人は寒さがピークを迎えるこの1~2月のうちに入手し、試してみることをおすすめします。
- DATA
製品名:ナイトミン 耳ほぐタイム
実売価格:1,414円
発売元:小林製薬
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B09BJ2PKG3/
2022.01.18 Tue