Web解析ツールの実践的活用指南 第9回 サイト内検索を最適化する | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

Web解析ツールの実践的活用指南 第9回 サイト内検索を最適化する

2024.5.18 SAT

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Web解析ツールの実践的活用指南


全日空システム企画(株)  安西 敬介
文=
安西 敬介 オムニチュア株式会社 コンサルタント
url.www.omniture.com/jp/



第9回
サイト内検索を最適化する


Googleの登場以降、検索の主流はディレクトリ検索からフリーワード検索に移行していきていると言ってもよいだろう。今回は、サイト内検索を解析しながら最適化していくポイントについて触れていきたい。


■■■
さまざまなサイト内検索プロダクトが提供される中、サイト内に専用のフリーワード検索ボックスを置くことも珍しくなくなってきている。サイト内検索は、訪問者のサイト内の行動を分析するうえで、ニーズが反映された有用な情報ととらえることもできる。そんなサイト内検索を解析していくには、大きく4つのポイントを意識していく必要がある。

1:サイト内検索の利用割合
2:サイト内検索の語句
3:ゼロ検索
4:サイト検索の前後のページ



サイト内検索の利用割合

サイト内検索の利用割合とは、サイト全体の訪問数に対して、サイト内検索の利用割合を指している。この数字を通しサイトにおけるサイト検索の現状を知ることで、どの程度サイトにおいてサイト内検索が重要であるかを知ることができてくる。

また、サイト内検索を利用した訪問のコンバージョン率とサイト全体、もしくは、サイト内検索を利用していない訪問のコンバージョンを比較していくことも非常に有用といえよう。

こういったことを通して、サイト内検索の重要度が高いと判断した場合、どのような対策をとっていけばよいだろうか?

ひとつの方法として、サイト内検索のボックスを目立たせていく方法がある。標準的な画面サイズでサイトを表示した際に、検索フォームの位置がスクロールしないと表示できないのであれば、ヘッダーなどに移動をして表示することを検討するとよいだろう。また、TOPページや主要ページには用意しているものの、サイトのページのすべてに検索ボックスが表示されないサイトも少なくない。

このように検索フォームを見えるところに設置することは、サイト内検索の利用率を挙げていくことにつながるだろう。


サイト内検索の語句

サイト内検索で検索される語句も非常に重要なポイントである。解析ツールによっては設定を行うことで検索語句を集計することが可能なものも多い。

サイト内検索語はサーチエンジンからの検索語とは違った傾向が出てきやすい。より、サイトに求められているニーズが色濃く出てくると言ってもよいだろう。

サーチエンジンから流入するキーワードの場合、そのほとんどがサイト内で利用されている単語になる。これはサーチエンジンがインデクシングする際に、サイト内にあるテキストも参考にしているためである。

これに対しサイト内検索語は、サーチエンジンからの流入するキーワードや、サイト内では利用されない単語も含まれてくることが多い。たとえば、競合他社の商品やサービスなどはその最たるところだろう。

サイト訪問者にニーズを知るためにも、こういった情報を知ることが非常に重要といえるだろう。


ゼロ検索

サイト内で検索をした結果、検索結果に1件も表示できなかった場合を指しているのがゼロ検索である。

検索結果がゼロであった場合に訪問者はどう行動するであろうか? ひとつは検索語を変え再度検索をしているか、そしてもうひとつはサイトから離脱をしてしまう。どちらにしろ、満足度を下げかねない結果である。

ゼロ検索はできるだけ避けたほうが、より満足度も上がってくる。そのためにも、サイト検索結果の表示割合のうち、ゼロ検索であった割合を参照し、少なくしていく努力をする必要があるだろう。

ゼロ検索をなくしていくためには、ゼロ検索の結果を表示した検索語句がどのようなものであったかを確認していく必要がある。ゼロ検索かつ検索回数が上位の語句から対応していくとよいだろう。

先ほど挙げたような、競合他社の商品やサービスを検索された場合、当初は検索結果にヒットなし、つまり、ゼロ検索となってしまうだろう。また、タイプミスによるゼロ検索の結果も比較的上位にあることが多い。

最近のサイト内検索のプロダクトでは、こういったものに対して設定によって検索結果を表示することができるものも多い。まずは上位のものから対応していきながら、検索結果全体の中でのゼロ検索の割合を少なくしていくことで、より訪問者の満足度を上げていくことができるだろう。


サイト検索の前後のパス

サイトのコンテンツを参照し、不明だったために、訪問者はそのページに設置されている検索フォームからさらに答えを探すこともある。

これはサイト検索の前後のページを参照することで、ページにある問題点を探っていくこともできるというふうに読むこともできる。

サイト検索の前のページがTOPページではないページであれば、そのページの内容と検索語を検証するとよいだろう。ページの参照だけでは解決しなかった、訪問者が抱える疑問がそこに潜んでいる可能性が高い。それらをページにフィードバックできれば、そのページを読むことでの満足度の向上が図れるだろう。

逆に、検索ページから先のページを見た場合はどうであろうか【1】。ここではふたつのパスに注目をするとよい。

【1】サイト検索の前後のパスの動線例
【1】サイト検索の前後のパスの動線例


ルート1
検索結果→Aページ→検索結果
→Bページ


ルート2
検索結果→Aページ→サイト離脱


1番目を考えた場合、最初の検索を行った際に、検索結果として満足な結果が得られなかった可能性が高い。こういったパスが多い場合は、1回目と2回目のそれぞれの検索語と検索結果を確認していくとよいだろう。検索語の結果として、どのようなページが求められているかが見えてくる。

2番目のケースはすぐに離脱をしてしまったパータンである。もしサイトがメディアサイトやサポートサイトではないのであれば、サイトのコンバージョンには結びついていないことになる。つまり、コンバージョンに結びつけるためのページの改善が必要になってくる。

検索ワードと遷移した先のページとの関係は、サーチエンジンからの検索ワードとランディングページとの関係に近い。ランディングページオプティマイゼーション(LPO)の手法を参考にしながら改善を行っていくとよいだろう。


まとめ

サイト内検索は、サーチエンジンからの流入に比べ、複数回ワードの検索や検索する前に参照していたページなど、サイト内にあるだけでさまざまなことがわかるようになっている。

サイト内検索の検索結果の表示を、コンバージョンの高いものから順に表示するといったようなテクノロジーも海外で出てきており、日本でもそのうち利用できるようになるだろう。そうすれば、コンバージョンの向上につなげるためにサイト内検索をより積極的に活用できるようになる。

サイト訪問者のニーズを充足させるためにも、サイト内検索もうまく活用しながら、さまざまな視点でサイトの最適化を行っていっていただきたい。


本記事は『Web STRATEGY』2009年1-2 vol.19からの転載です


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