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【お菓子連載・甘いときめき、小さな宝箱】第11回「メリーズラボ」第1弾はチョコレート×お香。チョコレートの新しい愉しみが広がる

2021.1.21 THU

【お菓子連載・甘いときめき、小さな宝箱】
第11回「メリーズラボ」第1弾はチョコレート×お香のマリアージュ。チョコレートの新しい愉しみが広がる情報発信基地
人気のデザイナーやイラストレーターを起用したお菓子のパッケージは、まるで小さな宝箱。デザインに込められた想い、ストーリー、そしてお菓子は宝石のようにきらきらと輝きます……。そこで、コンセプトから、味、デザインに至るまで、こだわりがギュッと詰まったブランドをピックアップ。今回は、少し視点を変えて、1950年に創業し今年70周年を迎えた「メリーチョコレート」による“チョコレートの新たな可能性や愉しみ方の情報発信基地”「メリーズラボ」を紹介します。第1弾として登場したお香「カカオベルト」について聞きました。

●取材・文:中村美枝(JAM SESSION)

▼メリーズラボの成り立ち、コンセプトについて
今回は、「メリーチョコレートカムパニー」の広報宣伝部の課長・山本竜さん、デザインを担当した商品企画部の竹田安澄さん、ネット事業課の金津孝彦さんに加え、お香を手がけた京都「香老舗 松栄堂」の調合師・藤本悌志さんにお話しを伺いました。

──チョコレートメーカーである「メリーチョコレート」が、チョコレートそのものではなく、ライフスタイルにまつわるブランドを立ち上げたことに驚きました。「メリーズラボ」はどのように誕生したのでしょうか?

山本さん:お菓子を召し上がる時間は、ちょっとした癒し、安らぎであるかと思いますが、ライフスタイルの変化とともに、その感じ方も多様化しているのではないでしょうか。また、チョコレートの市場が膨大であることからもわかる通り、多くの方がさまざまな目的でチョコレートをお求めになっています。その中でいかに「メリーチョコレート」を知っていただくか。そこで“食べる”以外の切り口に目を向けてみました。

たどり着いたのは、旅行、美容など、食べることではない事柄からチョコレートとの接点を見つけ、モノやコトを生み出してコンテンツとして発信していくこと。「チョコレートの愉しみ方改革」へのチャレンジの始まりです。「メリーズラボ」は、その情報発信基地。お客様にも、与えられたことに対してたのしむ、受動的な“楽しむ”ではなく、ご自身で能動的にたのしさを見つけていただく、“愉しむ”という表現にもこだわっています。

──「メリーズラボ」の第1弾は、お香「カカオベルト」。とても新しい試みですね。

山本さん:「メリーチョコレート」では、これまでチョコレートを五感で楽しむ提案もしてきましたが、いずれもチョコレートが主体。香りでいえば、カカオ、フレーバー、そしてチョコレートそのものの香り。チョコレートを追求する立場としては、雑念を持たずに、純粋にチョコレートを作ることがセオリーですし、私たちもそのように取り組んできました。ですから、お香とチョコレートの組み合わせはタブーなのかもしれませんが、一歩踏み出さないと新しい道は開けません。

そんな思いから、第1弾はあえて“お香”に。南国のリゾートホテルのほのかな香りが漂う一室で、サービスのチョコレートを口に運んだときに感じる、癒し、安らぎをイメージして企画開発を進めました。
▼メリーズラボの商品・アートワークについて
──お香はどのように開発されましたか?

山本さん:お香の開発はプロにおまかせ。創業300年以上の京都の老舗「香老舗 松栄堂」の調合師・藤本悌志さんに作っていただきました。「カカオベルト」には「ベネズエラ」「ガーナ」「インドネシア」「エクアドル」と、カカオの産地をイメージした4種の香りがあります。名称は南緯20度から北緯20度以内の地域「カカオベルト」から。お香にした4つの産地は、カカオベルトの中でもとくに有名な産地です。お香を焚いて、まるでカカオの産地旅をしているような、いつもと違う空間でチョコレートを味わっていただけたら……。

──お香の開発にあたって、どのような点にこだわったのでしょうか?

藤本さん:最もこだわったのは、いかに各産地の空気感をお香で表現するか。4つの香りが特徴を持ちながら、カカオの香りと調和しなければなりません。香り作りは4つの産地のカカオを使った、「メリーチョコレート」のチョコレートを味わうことから始めました。それぞれのチョコレートに香りのキーワードが効果的に散りばめられていて、ショコラティエがどのような香りのイメージを持っているかを想像できました。とてもスムーズに香りの完成までたどり着けたと思います。

──大変だったこと、苦労されたことはありますか?

藤本さん:嗅覚と味覚は非常に強く関連しています。香りが強すぎると、カカオの風味とケンカしてしまうと感じていましたから、香りの強さは慎重に調合しました。お香の香りが部屋の空気感を変え、その空気感がカカオの香りを引き立てられるような。ちょうどいい香りの強さを見つけ出すのに試行錯誤を重ねました。

カカオベルトの香り作りをしているときは、チョコレートを実際に食べながら試作の香りを確認。香りを作っていると鼻と脳がとても疲れるのですが、チョコレートを食べることで、頭と鼻をリフレッシュできるというチョコレート力を感じました。開発が終わった今も研究室の机にチョコレートを忍ばせ、疲れたときのリフレッシュに味わっています。
──パッケージも素敵ですね。パッケージのデザインコンセプトを教えてください。

竹田さん:デザインに取り組む前に、4種の香りを実際に体験してみました。香りをしっかり感じられるよう、4つの部屋でそれぞれを同時に炊いてみたんです。甘い香りがあったり、雨上がりを感じさせる香りもあったり、4つの部屋の印象が違うくらい香りに個性があって。そんな体験から「香りが広がる空間」をコンセプトに制作しました。

──どんな点にこだわりましたか?

竹田さん:今までにない商品でしたので、いつも以上にリサーチにも時間をかけました。とくに活用したのがSNS。「#お香」を入口に、お香が好きな方たちのライフスタイルや、好みのインテリアや食をたどり、好みのトーンを絞っていきました。落ち着いた色味で部屋に置いても違和感がなく、リラックスできるデザインを心がけました。

パッケージには、4つの産地からイメージしたモチーフとカカオなどのイラストと、「メリーチョコレート」の顔でもあるロゴマークをあしらいました。ロゴマークの下のデザインは無限大がモチーフ。チョコレートには無限の愉しみがあることを伝えることが「メリーズラボ」の使命だと思っていますので、その無限の可能性と、お客様との結びつきがより深くなりますように……との願いを込めています。また、先入観なく純粋に香りを楽しんでいただきたかったので、カカオベルトをイメージした4色のライン以外は、モノクロに仕上げています。

──「メリーズラボ」は、店頭ではなくサイトで情報を発信されていますね。どんなことを心がけて運営されていますか?

金津さん:「カカオベルト」は販売もオンラインショップのみで展開。対面販売できないので、お客様とコミュニケーションを取りにくいのですが、だからこそ、お客様のニーズや、知りたいことをじっくりと考え、チョコレートのソムリエやコンシェルジュのような立場で情報を発信していきたいと思っています。

とくに、お香とチョコレートの組み合わせは、斬新なイメージがあります。ですから、親しみやすさも重視。TOPICSでは、フードとドリンクのペアリングのような感覚で、それぞれのお香に合うチョコレートを取り上げています。最近は、旅をイメージしてカカオ産地の情報とともに、お香、チョコレートを紹介するページも始まりました。これからもいろいろな角度からチョコレートに光を当て、チョコレートを愉しむ発見につながるサイトをめざしたいですね。
▼4種のお香の特徴、おすすめのチョコレートは……?
ベネズエラ「果実と澄んだ空気をイメージした香りには、すっきりとした味わいの『エスプリドメリー パッションフルーツ』『ハイカカオセレクション ベネズエラ』がおすすめ。仕事や家事の合間にリフレッシュしたいときにぴったりです」(山本さん)

ベネズエラ「果実と澄んだ空気をイメージした香りには、すっきりとした味わいの『エスプリドメリー パッションフルーツ』『ハイカカオセレクション ベネズエラ』がおすすめ。仕事や家事の合間にリフレッシュしたいときにぴったりです」(山本さん)

ガーナ「雨や深緑を思わせる香りのおともは『ファンシーチョコレート ミルクチョコレート』『ハイカカオセレクション ガーナ』といったまろやかなチョコレートを。休日のリラックスしたいときにおすすめです」(同上)

ガーナ「雨や深緑を思わせる香りのおともは『ファンシーチョコレート ミルクチョコレート』『ハイカカオセレクション ガーナ』といったまろやかなチョコレートを。休日のリラックスしたいときにおすすめです」(同上)

インドネシア「潮風にスパイスの香りがほんのりと漂う、浜辺をイメージしたお香です。香ばしいチョコレート『ファンシーチョコレート コーヒー』『セゾン ド セツコ ショコラの調べ 醤油』と相性がよく、心地よく気分転換できます」(同上)

インドネシア「潮風にスパイスの香りがほんのりと漂う、浜辺をイメージしたお香です。香ばしいチョコレート『ファンシーチョコレート コーヒー』『セゾン ド セツコ ショコラの調べ 醤油』と相性がよく、心地よく気分転換できます」(同上)

エクアドル「バラの華やかさや甘い蒸留酒、森の静かな空気をイメージ。フルーティな味わいの『エスプリ ド メリー、洋梨トリュフ、ラズベリー』『ハイカカオセレクション エクアドル』とよく合います。くつろぎの時間にぴったりなので、1日をがんばったご褒美にぜひ」(同上)

エクアドル「バラの華やかさや甘い蒸留酒、森の静かな空気をイメージ。フルーティな味わいの『エスプリ ド メリー、洋梨トリュフ、ラズベリー』『ハイカカオセレクション エクアドル』とよく合います。くつろぎの時間にぴったりなので、1日をがんばったご褒美にぜひ」(同上)

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