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甘いときめき、小さな宝箱

2020.12.09 Wed

ノスタルジックなパッケージ!クッキー缶が人気のパティスリー「cake太陽ノ塔」

取材・文:中村美枝(JAM SESSION)

大阪の人気カフェ「café太陽ノ塔」の姉妹店で、セントラルキッチンでもあるパティスリー「cake太陽ノ塔」。「タイヨウノカンカン クッキー10種アソート」は、イラストを陶芸作家が手がけています。こだわりのお菓子、レトロなデザインに込めた思いを聞きました。

cake太陽ノ塔の成り立ち、コンセプトについて

今回は、「cake太陽ノ塔」を運営する「TNT MARKET」の代表取締役・広畑典子さんと、企画デザインの藤原萌さんにお話しを伺いました。

──大阪市内で4店舗展開されている「cafe太陽ノ塔」のセントラルキッチンでもある「cake太陽ノ塔」。誕生のきっかけを教えてください。

広畑 「cafe太陽ノ塔」は2002年に開業しました。しばらくはカフェでケーキを作っていましたが、店舗数が増え、他社ブランドの製品も製造するようになったことから、品質の安定した商品作りに専念するため、セントラルキッチンとして2012年に「PATISSERIE TAIYO NO TOU(パティスリー太陽ノ塔)」を立ち上げました。

ただ、双方の関連性や違いがわかりにくいという意見もありまして。2019年9月にリニューアルし、ネーミングもシンプルに「cake太陽ノ塔」としました。

──「cafe太陽ノ塔」の公式サイトには“インスタ映えるカフェ”とあります。「cake太陽ノ塔」でも“映える”ことを意識されていますか?

広畑 カフェ開業当時は宣伝などにかける予算はありませんでしたから、お客様の口コミで、ここまで成長できたと思っています。店で過ごしていただく時間を「より楽しいものにしてほしい!」という思いのもと、ケーキのお皿に鮮やかなソースアートを添えるなど、おいしさはもちろん、見た目にもこだわって。誰かに伝えたくなるような、ワクワクするスイーツを常に意識してきました。そんな開業時からの積み重ねが、今で言う“インスタ映え”につながったと感じています。

「cake太陽ノ塔」では、そうしたカフェでの経験を生かしています。「ありそうでない、こんなの欲しかった!」をカタチにして、かわいらしくありながら、ときにはシュールに。そして独自の感性やブランディングも大切に、新しいものを常に取り入れていく。「太陽ノ塔らしい」と言ってもらえて、思わず誰かにプレゼントしたくなるような商品を提案し続けていけたらと思っています。

cake太陽ノ塔の商品・アートワークについて

──「cake太陽ノ塔」では、「素朴で体にやさしく、きちんとおいしい」をコンセプトにされています。素材選びや製法など、どんな点にこだわっていますか?

広畑 見た目からは想像しにくいかもしれませんが、シンプルにおいしく飽きのこない味わいを追求しています。めざすは、老若男女どんな方にもおいしいと感じてもらえる王道パティスリー。

開業から20年近くが経ち、スタッフにも結婚したり、家族が増えたりと、それぞれに変化があって、口に入れるものの安全性を考える機会が多くなりました。「大切な人にも食べさせられるものを」と、シンプルな素材で保存料や添加物も最小限に抑え、すべて手作業で製造する。そんなスタイルが、ごく自然になっていったんです。なかでもオリジナルクッキー缶「タイヨウノカンカン」は無添加で保存料不使用。注文後に焼きあげ、作りたてを順次お届けしています。

母の日シーズン限定の「チョコナッツメレンゲ」
母の日シーズン限定の「チョコナッツメレンゲ」
夏季限定の「レモンクッキー」
夏季限定の「レモンクッキー」

──「タイヨウノカンカン」は、レトロな趣のパッケージも素敵で、こだわりを随所に感じます。社内でデザインされているのでしょうか。

藤原 社内の製作物は、基本的に私がデザインを担当。自由にデザインさせてもらうことがほとんどですが、店舗でも一貫しているレトロでノスタルジーなイメージを崩さず、シンプルにかわいいものを作ることを大切にしています。

気軽にご購入いただける価格帯の「タイヨウノカンカンmini」は季節限定品もご用意。商品ごとに異なる包装紙は、いくつも欲しくなってしまうような、遊び心のある色使いとわかりやすいモチーフ選びを心がけています。手刷りによる色のズレを取り入れたり、2色刷りのような色の重なりや手描きのテイストを出したりして、“どこか懐かしい”と感じていただけるような工夫も。わら半紙を使用しているのもポイントです。

「タイヨウノカンカン」すべてに共通しますが、缶の中の耐油紙をすべてそれぞれの缶や包装紙に合わせたバイカラーにしています。包装紙をはずして缶を開けて……と、プレゼントの包みを一つひとつ開けていくような所作にプラスの高揚感を持たせました。

──「タイヨウノカンカン クッキー10種アソート」では、イラストを陶芸作家の野田夏実さんが手がけています。どのような経緯で依頼されたのですか?

藤原 以前から、食べ終わった後もずっととっておきたくなる缶パッケージを作りたい思いがありました。依頼のきっかけは、クッキー缶の製作が決まった頃、メインパティシエが訪れた展示会で野田さんの作品にひと目惚れして、お声がけしたことから。野田さんは普段、陶芸作家として活躍されていますが、平面での依頼を快くお引き受けいただきまして。「cake太陽ノ塔」をイメージして特別に描き下ろしてくださったんです。

最終的なデザインは、野田さんの世界観を大事にしつつ、40以上のカラー案から「太陽ノ塔」のイメージに沿ったものを検討して、現在のグリーンとエンジの配色に決定しました。「タイヨウノカンカン クッキー10種アソート」は、今では「cake太陽ノ塔」のシグネチャー商品となり、自慢のクッキー缶にもなりました。

お菓子ギャラリー

陶芸作家・野田夏実さん描き下ろしのイラストが印象的な「タイヨウノカンカン クッキー10種アソート」3,400円(税込)。「図案とリンクするフラワークッキーをはじめ、無添加にこだわった素朴でおいしい焼きたてのクッキーを10種、宝石のようにお詰めしております」(広畑さん)

陶芸作家・野田夏実さん描き下ろしのイラストが印象的な「タイヨウノカンカン クッキー10種アソート」3,400円(税込)。「図案とリンクするフラワークッキーをはじめ、無添加にこだわった素朴でおいしい焼きたてのクッキーを10種、宝石のようにお詰めしております」(広畑さん)

しっかりした厚さに焼きあげたスパイス風味のジンジャーブレッド型クッキー「タイヨウノカンカン mini ジンジャーマン」980円(税込)はクリスマス限定品。「ちょっとしたギフトにもなるシーズンイベント限定のmini缶はわかりやすいモチーフとカラーが喜ばれています」(藤原さん)

しっかりした厚さに焼きあげたスパイス風味のジンジャーブレッド型クッキー「タイヨウノカンカン mini ジンジャーマン」980円(税込)はクリスマス限定品。「ちょっとしたギフトにもなるシーズンイベント限定のmini缶はわかりやすいモチーフとカラーが喜ばれています」(藤原さん)

クッキーそのものもレトロ感いっぱいの「タイヨウノカンカン mini ドレンチェリー」980円(税込)。「ドレンチェリーのクッキーは、今はあまり見かけないけどかわいいよねという代表のひと言から誕生しました。定番のmini缶で唯一、柄ありの包装紙は甘くなりすぎないモダンな藍染の浴衣をイメージして柄を組みました」(同上)

クッキーそのものもレトロ感いっぱいの「タイヨウノカンカン mini ドレンチェリー」980円(税込)。「ドレンチェリーのクッキーは、今はあまり見かけないけどかわいいよねという代表のひと言から誕生しました。定番のmini缶で唯一、柄ありの包装紙は甘くなりすぎないモダンな藍染の浴衣をイメージして柄を組みました」(同上)

スタンダードないちごサンドショートケーキ「オリジナルデコレーションホールケーキ」9cm 2,370円~。「デコレーションはチョコグラサージュとメレンゲで縁取ったチョコプレートにベリー。開業当初にオーダーメイドでケーキを作っていた頃のデザインを引継いで開発しました」(広畑さん)

スタンダードないちごサンドショートケーキ「オリジナルデコレーションホールケーキ」9cm 2,370円~。「デコレーションはチョコグラサージュとメレンゲで縁取ったチョコプレートにベリー。開業当初にオーダーメイドでケーキを作っていた頃のデザインを引継いで開発しました」(広畑さん)

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