第4回 勝手広告的カンタン撮影術 撮影編 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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クリエイターのライフハック できる人の仕事術を盗め。


第11章 勝手広告クリエイター神酒大亮のライフハック

第4回 勝手広告的カンタン撮影術 撮影編


勝手広告をはじめて、クライアントさんからいただく声の中に多いのは「ウチのも作ってくれない?」です。これからの広告はエンターテイメント性が重要だと思います。あの人に作って欲しいと思われる、そういう作品を作るには?



[プロフィール] 神酒 大亮(みき だいすけ)
1975年、熊本県出身。株式会社ムービーインパクト代表取締役。
クリエイター集団θproject代表。映画監督、フリーの映像ディレクターを経て、YouTubeで発表した勝手広告が話題に。YouTubeで公開中の動画は8 2万v i ewを記録。新作映画「サイクロプスの涙」編集中。


恥ずかしいは伝染する。


前回、撮影の準備までで終わってしまいました。カンタンにできる撮影法。撮影の中で、特に大変なのが演出です。どうやって、仲間だけでオモシロイ動画を作るのか。

その究極の答えは、自然体であることです!

カメラの前で自然体でいる事はプロでも難しいことです。でもプロでなくても不可能ではありません。

難しく感じる原因は、「演じるなんて恥ずかしい」という思い込みかもしれません。出ている人が緊張して顔が引きつっていると、その「恥ずかしさ」が観る人にも伝染し、恥ずかしい動画になってしまいます。

プロではないのですから、「演じる」ことを意識せず気軽に出演してもらいましょう。緊張を取り除いてあげる事が、あなたの一番の仕事です。

出演者には感情的な演技も難しい技術も必要ありません。ヘタな感情表現は、これまた恥ずかしい結果になってしまいます。

「驚いた顔」を鏡を見てやってみましょう。次に悲しい顔、嬉しい顔。こういった表情ができれば十分才能があります。

次に「謝ってみる」「叱ってみる」「褒めてみる」など、断片的な動作を練習してみましょう。謝っている人、叱っている人、褒めている人、誰でも見たことがあると思います。万が一そんな人を見た事がなくても、自分自身が謝ったり、褒めたりした経験はあるはずです。ですから、これができないはずはありません。

演劇と違い映像は、よーい、スタート!からカット!までの短い演技ができれば良いのです。長いシーンやセリフは避けましょう。短い動作、表情を使って演出します。あとは編集で繋ぎます。




たのしいも伝染する。


「恥ずかしい」が伝染するのと同じように、現場の「たのしい」雰囲気も見る人に伝染します。演出側が意図しないにもかかわらず、現場の空気が映像で伝わる事はとても不思議です。できるだけ仲良く、楽しく撮影してください。

撮影によくある凡ミス


撮影が終わったあと映像を見て、肩を落とす事があります。それは、演技の前半がカメラに収まっていないこと。つまり、テープが回っていないのに、演技を始めてしまう事が意外と多いんです。テープが回り出すには少し時間がかかるものです。録画ボタンを押してすぐに録画されないので、注意しましょう。

凡ミスで、もっと酷い事もあります。その名も恐怖の逆転現象です。演技中にテープが回っておらず、カットした後の様子が録画されていた…。録画ボタンを押したつもりが、停止させていて、停止させたつもりが、録画していたという信じられない逆転現象が発生することがあります。

こんなことにならないように、カメラマンは録画ボタンを押してテープが回った事を確認し、監督に「回りました」と声をかけて下さい。それから監督の「ようい、スタート!」で演技を始めます。テープが確実に回ってから演技を始めるようにしましょう。

演技ができたら、「カット!」で録画を止めます。内容が良ければ大きな声で「OK!」と言ってあげましょう。みんなの気持ちが引き締まります。



注意点


外で撮影する場合は、カメラに集中しているので思わぬ怪我や事故に遭うことがあります。周囲に気をつけて下さい。また、夜の撮影で大きな音を出したり叫んだりすると、ご近所の方から警察を呼ばれます。叫ぶシーンが欲しい時は、外で叫ばないで、アフターレコーディングで処理する事をお勧めします。


私のこの作品も、実際は外に叫んでいません。アフレコです(勝手広告 楽天)



編集


さあ、最高に楽しい編集作業です。センスが問われる段階です。自分の撮り集めた素材を組み合わせます。ガンプラ以来の楽しさです。まずは、コンテどおりに繋げましょう。思ったようにカット割りが繋がらないかもしれませんが、諦めずにチャレンジしてください。納得いくまでコツコツ繋げるのが編集のオモシロさです。

最後まで繋がりましたか?でもそれで終わりじゃありません。そこからブラッシュアップします。コンテのままだと固い感じがしてしまいます。一度コンテは忘れてください。

撮った素材でさらに良くなるように手を加えていきます。撮影で苦労したシーンでも「いらない」と直感したら容赦なく切り捨てましょう。編集で大切なのは、テンポです。リズム感を持って編集してください。

また、見る人の目線に立って、そのシーンで何を伝えたいのかはっきりとしたビジョンを持ちましょう。どのカットをどのくらいの長さで見せるべきか、よ.く考えてください。

たいていの場合、編集では同じ映像を何度も見ることになるので、短いカットが増えがちです。初めて見る人には意味が伝わらない編集に陥ることも多々あります。特に若い人は、テンポに乗りすぎて、最初から最後まで同じリズムで編集してしまいます。

重要なアイテムのアップや、登場人物の気持ちの変化など重要なシーンは、「最低3.5秒は溜める」「BGMを変える」などあえてテンポを壊し、注目させる方法があります。
(音楽の著作権などキチンと守ってくださいね)


ちなみに私はMac派なので編集はFinal Cut Proを使用しています。これさえあれば何でもできる優れものです。たまにアニメーションを合成する事もあります。


こちらの作品のボールは、絵で描いたものを合成しました。お絵描きソフトはコーレルのPainterとAdobe Photoshopを使っています(勝手広告 ヤマト運輸)



アップロード


お疲れさまです。おもしろい勝手広告はできましたか?

TVCMは1分か30秒か15秒と決まっています。でも勝手広告は自由ですから、10秒でも10分でも大丈夫です。私の勝手広告は45秒とか62秒とか適当です。よく30秒に収めれば完璧なのになど言われますが、TVCMじゃないんだからネットの世界では自由にやりましょう。というのが私の考えです。

チャンネルをつければCMを見させられるテレビと違い、ネットは好きでクリックして見てもらうものです。だから、クリックしてもらうにはオモシロそう、オモシロイと思ってもらえる事が大切です。ネット動画に秒数は関係ありません。

動画が完成したら、興味を魅きそうなそうなタイトルを付けてアップします。タイトル付けは非常に重要です。できれば「勝手広告 ○○○○」とつけてください。検索で発見されやすくなります。


無名の僕でもチャンスがある


アップロードはできましたか。お手伝いしてくれた関係者、知り合い、家族、愛する人にお知らせしましょう。誰かが気に入ってくれたら、ブログで紹介してくれたり、メールで広めてくれます。みんなからの反応を待ちましょう!

さて、まだまだ書きたい事は山ほどありますが、今回で終わりです。私は勝手に広告を作ってYouTubeにアップしました。そしてライフハックで執筆できるという素晴らしい機会を得ることができました。YouTubeやニコニコ動画の楽しさは、見た人からの書き込みなどレスポンスがある事です。動画への書き込みだけでなく、こういったチャンスが返ってくることもインターネットらしい反応(レスポンス)なのかもしれません。

無名の僕でもチャンスがある。それがインターネットの世界です。有名無名、コネの有り無し、年齢も地域もまったく関係なく、住む場所が都会じゃなくて田んぼばかりでも勝手広告は作ることができます。大切なのは仲間がいること。

クライアントが「勝手広告」というワードで検索し、全国の腕利きクリエイターを一本釣りする時代は近い。そういう気がしています。ぜひオリジナル勝手広告を作って腕前を披露してください。特に地方に住んでいるクリエイターの方、今から僕たちと一緒に映像の腕前を発表しませんか? 腕の立つクリエイターをインターネットの世界は探しているようです。


11月より地方在住の映像系クリエーターのトピックで続編が開始します。勝手広告については、これでおしまい。短い間でしたが、前編を最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ご感想、お問い合わせは miki@movieimpact.net までお気軽にどうぞ


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