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Photoshopド定番チュートリアル

2022.05.09 Mon

リアルな金属質の映画風ロゴを作る

作例制作:マルミヤン 編集:山口優

今回は、映画のタイトルロゴなどでみかけるリアルな金属質の質感を基調としたロゴの作成方法を解説。遊び心のある、エンタメ感のある印象を与えることができるので、グラフィックや動画サムネールなど、さまざまな場面で活用できる手法です。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を一から手順通りに解説するHow to記事です。

■使用する機能「ベベルとエンボス」「カラーオーバーレイ」「輪郭」「サテン」「描画モード」「レベル補正」「ドロップシャドウ」

1.元になる立体文字を作る

まずは新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:800ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で作成したら、横書き文字ツールで元になる文字(ここでは「ROBOT」)を入力し、文字パネルでフォントやフォントサイズなどを設定(図1)

図1

レイヤーパネルで文字のレイヤーを選択したら、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“ベベルとエンボス...”を選び、[スタイル:ベベル(内側)]、[テクニック:シゼルハード]、[深さ:1000%]、[方向:上へ]、[サイズ:250px]、[ソフト:0px]、[角度:60°]、[高度:30°]、[光沢輪郭:円錐 - 反転]に設定。さらに[ハイライトのモード:オーバーレイ]、[ハイライトのカラー:明るいグレー]、ハイライトの[不透明度]を15%に、[シャドウのモード:乗算]、[シャドウのカラー:濃いグレー]、シャドウの[不透明度]を35%に設定する(図2)

図2。[スタイル:ベベル(内側)]、[テクニック:シゼルハード]、[深さ:1000%]、[方向:上へ]、[サイズ:250px]、[ソフト:0px]、[角度:60°]、[高度:30°]、[光沢輪郭:円錐 - 反転]に設定。さらに[ハイライトのモード:オーバーレイ]、[ハイライトのカラー]を明るいグレー(ここでは、[R:226、G:226、B:226])、ハイライトの[不透明度]を15%に、[シャドウのモード:乗算]、[シャドウのカラー]を濃いグレー(ここでは、[R:31、G:31、B:31])、シャドウの[不透明度]を35%に設定する

続いて、レイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]を選択したら、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]に設定し、[オーバーレイのカラー]を濃いブルーグレー(ここでは、[R:61、G:80、B:92])に変更して適用する(図3)(図4)

図3。[描画モード:通常]、[不透明度:100%]、[オーバーレイのカラー]を濃いブルーグレー(ここでは、[R:61、G:80、B:92])に設定する
図4。これで「リアルな金属質の映画風ロゴ」のベースとなる立体文字ができた

2.文字に金属の質感を加える

ここからは文字に金属の質感を加えていく。まずレイヤーパネルで文字のレイヤーを複製したら、複製した方を選択してレイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“レイヤースタイルを消去”を実行し、レイヤーパネルで[塗り:0%]に変更する(図5)。続いて、このレイヤーを選択したまま、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“ベベルとエンボス...”を選び、[スタイル:ベベル(内側)]、[テクニック:シゼルハード]、[深さ:1000%]、[方向:上へ]、[サイズ:250px]、[ソフト:0px]、[角度:130°]、[高度:20°]、[光沢輪郭:円錐]に設定。さらに[ハイライトのモード:ハードミックス]、[ハイライトのカラー:明るいグレー]、ハイライトの[不透明度]を65%に、[シャドウのモード:焼き込み(リニア)]、[シャドウのカラー:濃いブルー]、シャドウの[不透明度]を20%に設定する(図6)

図5。この時点のレイヤーの状態。文字のレイヤーを複製してレイヤースタイルを消去し、[塗り:0%]に変更する
図6。[スタイル:ベベル(内側)]、[テクニック:シゼルハード]、[深さ:1000%]、[方向:上へ]、[サイズ:250px]、[ソフト:0px]、[角度:130°]、[高度:20°]、[光沢輪郭:円錐]に設定。さらに[ハイライトのモード:ハードミックス]、[ハイライトのカラー]を明るいグレー(ここでは、[R:217、G:217、B:217])、ハイライトの[不透明度]を65%に、[シャドウのモード:焼き込み(リニア)]、[シャドウのカラー]を濃いブルー(ここでは、[R:34、G:45、B:60])、シャドウの[不透明度]を20%に設定する

次に、レイヤースタイルの[輪郭]を選択したら、[範囲:50%]に設定(図7)。続いて[輪郭]のサムネールをクリックして輪郭エディターを開き、マッピング内の線上をクリックしてポイントを追加し[入力:75%]、[出力:64%]に設定して[OK]をクリックする(図8)

図7。[範囲:50%]に設定したあと、[輪郭]のサムネールをクリックする
図8。マッピング内の線上をクリックしてポイントを追加し[入力:75%]、[出力:64%]に設定する

さらにレイヤースタイルの[サテン]を選択したら、[描画モード:覆い焼き(リニア)-加算]、[効果のカラー:白]、[不透明度:10%]、[角度:90°]、[距離:21px]、[サイズ:13px]、[輪郭:ローリングスロープ - 下向き]で適用する(図9)(図10)

図9。[描画モード:覆い焼き(リニア)-加算]、[効果のカラー:白]、[不透明度:10%]、[角度:90°]、[距離:21px]、[サイズ:13px]、[輪郭:ローリングスロープ - 下向き]に設定する
図10。立体文字に光沢感を加えることで金属の質感を演出できる

3.文字にグランジ風の質感を加える

ここからは、文字にグランジ風の質感を加えていく。まず、傷や汚れなどのある金属のテクスチャを用意したらコピー&ペーストで文字の前面に配置し(図11)、レイヤーパネルで[描画モード:オーバーレイ]に変更する(図12)(図13)

図11
図12
図13。この時点のレイヤーの状態。テクスチャを配置して[描画モード:オーバーレイ]に変更する

続いてイメージメニュー→“色調補正”→“レベル補正...”を選択し、[入力レベル]の各スライダーを動かして画像のコントラストを高める。ここではスライダーを動かし[シャドウ:39]、[中間調:0.80]、[ハイライト:235]に調節して適用した(図14)(図15)

図14。ヒストグラムの下の黒い三角形がシャドウ、グレーが中間調、白がハイライトのスライダー。ここでは、それぞれのスライダーを動かして[シャドウ:39]、[中間調:0.80]、[ハイライト:235]に設定しているが、テクスチャによっても最適な数値は異なるので、プレビューを確認しながら調節してみてほしい
図15。これで金属質の加工が完成
(図15の拡大図)かすれた傷や汚れ、陰影を足すことで金属の質感にリアルさが増すことがわかる

4.文字にドロップシャドウをつける

ここからは、文字にドロップシャドウをつけていく。まず、レイヤーパネルで文字のレイヤーのレイヤーサムネールをcommandキー(Macの場合。WindowsではCtrlキー)を押しながらクリックして選択範囲を作成する(図16)。選択範囲メニュー→“選択範囲を反転”を実行したら、テクスチャのレイヤーを選択してdeleteキーを押す(図17)

図16。文字の輪郭に沿って選択範囲を作成する
図17。この時点のレイヤーの状態。テクスチャが文字の形に切り抜かれている

続いて、レイヤーパネルで背景レイヤー以外をすべて選択して、レイヤーメニュー→“レイヤーを結合”を実行(図18)

図18。背景レイヤー以外をすべて選択して結合し、ひとつにまとめておく

結合したレイヤーを選択したまま、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“ドロップシャドウ...”を選び、[描画モード:通常]、[不透明度:75%]、[角度:90°]、[距離:6px]、[スプレッド:7%]、[サイズ:6px]、[ノイズ:8%]で適用する(図19)(図20)

図19。[描画モード:通常]、[不透明度:75%]、[角度:90°]、[距離:6px]、[スプレッド:7%]、[サイズ:6px]、[ノイズ:8%]に背テチする
図20。文字にドロップシャドウ(影)をつけて、立体感、量感を出した

ここではさらに、背景にグラデーションを敷いたり、文字要素などを配置して完成とした(図21)

図21。完成ビジュアル

以上、「リアルな金属質の映画風ロゴ」の作り方でした。色味や素材画像を変えることで、より重厚にすることも、よりポップにすることもできる手法です。ぜひご利用ください。

制作者プロフィール

MARUMIYAN(マルミヤン)
グラフィックデザイナー/イラストレーター
2007年より「マルミヤン」(Marumiyan)名義で、福岡を拠点に活動を開始。雑誌、広告、CDジャケット、パッケージ、アパレル、プロダクト、Webなど、様々な媒体で活動を行う。人物や植物、動物、建物など、様々なアイコンをグラフィカルに組み合わせ、洗練された作品作りを目指す。また “FOUR DIMENSIONS WORLD” をテーマとした作品も精力的に制作している。2008年「FUNKY802 digmeout」オーディション通過。https://marumiyan.com/
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