気になるフォント、知りたいフォント。| コミックス『夜と海 2巻/郷本』(2019.8.29) | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

気になるフォント、知りたいフォント。| コミックス『夜と海 2巻/郷本』(2019.8.29)

2019.11.15 FRI

【プロのフォント使いを実例から解く】
気になるフォント、
知りたいフォント。
デザインの構成において、最も重要な要素の一つ「フォント」。本コーナーでは、無数の選択肢から導き出されるプロのフォント使いを、素敵な実例ベースで紹介していきます。
今回取り上げるのは、コミックス『夜と海 2巻/郷本』です。

2019年8月29日 取材・文 山口 優
『夜と海 2巻/郷本』
コミックス/2019/芳文社(URL
●Designer:楠目智宏[arcoinc](URL
少女たちの揺れ動く心象風景を繊細かつ幻想的に
美しく近寄りがたい雰囲気の転校生・夜野月子と、天真爛漫で泳ぐことが大好きな内海彩。二人の不器用な少女たちの日常を描いたコミックスの表紙カバー。作中できめ細かに描写される、水の中で泡のように揺れる少女たちの心象風景が、色相の変化する背景の円形モチーフや繊細なメインイラスト、脆さを感じさせるタイトルロゴなどで表現されている。

使用フォント1(メインタイトル)
「太ゴB101」

安定感のある文字を加工し
繊細で湿度を持った印象に

           太ゴB101

           太ゴB101

メインタイトルの文字は、安定感のある骨格を持つオーソドックスなゴシック体「太ゴB101」(モリサワ)がベース。画線と画線の交差部分に墨だまりを作りつつ文字を細め、部分的に泡状の虫食いをあしらうことで、少女たちの心象風景でもある「水中」の不安定さや繊細さ、作品の持つ湿度などが表現されている。

使用フォント1(作者名)
「太ゴB101」

タイトルロゴに合わせた
ゴシック体で統一感を

太ゴB101

太ゴB101

作者名「郷本」部分の文字は、メインタイトルとの相性や連動性を意識して「太ゴB101」(モリサワ)が選択された。タイトルロゴとのバランスを取るため、若干細く加工して使用されている。

使用フォント1(欧文)
「Mason Sans Regular」

ビジュアルに合わせて
幻想的な雰囲気の書体に

Mason Sans Regular

Mason Sans Regular

タイトルの英字表記「YORU TO UMI」部分は幻想的でエキセントリックな雰囲気の「Mason Sans Regular」(Emigre)が選択された。少女たちの心象風景と実体がクロスオーバーするような画作りのメインビジュアルや、繊細かつ不安定な印象のタイトルロゴとの相性を考慮し、標準の字体ではなく異体字が適用されている。

twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS

こんな記事も読まれています

この連載のすべての記事

アクセスランキング

11.4-11.10

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在