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気になるフォント、 知りたいフォント。

2020.05.07 Thu2021.09.03 Fri

食品パッケージ『きちんとチキン 鶏だし白湯スープ』『きちんとチキン 鶏だし中華スープ』

取材・文:山口優

『きちんとチキン 鶏だし白湯スープ』『きちんとチキン 鶏だし中華スープ』
パッケージ/2019/ポッカサッポロフード&ビバレッジ
●Creative Director+Art Director:佐原暢[ポッカサッポロフード&ビバレッジ]
●Art Director:矢口洋[デザインメイト]
●Designer:呉エステル[デザインメイト]

今回は『きちんとチキン 鶏だし白湯スープ』『きちんとチキン 鶏だし中華スープ』のパッケージの使用フォントをご紹介。本記事はデザイン構成において重要な「フォント」の選定プロセスや加工方法を、貴重なプロの実例から紐解いてデザイン制作に役立てる連載です。

味のあるゴシック体で真摯かつ温かな印象に

独自技術で製造した大きくて柔らかい鶏ムネ肉具材がゴロッと入った、タンパク質がたっぷり摂れるカップ入りスープ。鶏ガラの旨味を溶け込ませて仕上げた「鶏だし白湯スープ」と「鶏だし中華スープ」の2製品がラインナップされている。

パッケージでは、「鶏ムネ肉でタンパク質がきちんとおいしく摂れる」という製品の特徴が、シズル感あふれるビジュアルや真摯かつ温かみを感じさせるブランドロゴなどで表現されている。

Font.01「かんじゅくゴシック」
味のあるゴシック体を加工して温かみを強調

「ブランドロゴ」部分
かんじゅくゴシック

ブランドロゴの文字は、エレメントに独特のニュアンスがあり、熟成された味わいとレトロな雰囲気を感じさせる「かんじゅくゴシック」(フロップデザイン)がベースに。真面目さと温かみを合わせ持つ書体デザインが製品コンセプトに合っていたため選択された。より温かな印象を持たせるため、文字の表面にムラをつけてアナログ的な表情を出す加工などが施されている。

Font.02「うつくし明朝体」
味や食感を意識して柔和な印象の明朝体に

「商品名」部分
うつくし明朝体
うつくし明朝体

商品名部分の文字は、横書きで使用されることを意識してデザインされたオールドスタイルの明朝体「うつくし明朝体」(フロップデザイン)がベースに。丸みを帯びた先端部分や流れるような美しいフォルムが商品の柔和な味感をイメージさせるため選択された。より柔らかな印象を持たせるため、文字の太さや丸みをプラスする加工などが施されている

Font.03「Futura Bold」
オーソドックスな書体で親近感を持たせる

「ブランド名 欧文」部分
Futura Bold

ブランド名の欧文「Kichin to chicken」部分の文字は、幾何学的なデザインが特徴的なサンセリフ体「Futura Bold」(Neufville Digital)。日常で目にする機会が多く親近感やメジャー感があり、可読性も高いため、小さなサイズでも情報が伝わりやすいのが選択された理由。

Font.04「A1ゴシック M」
商品の特性にマッチした温もりのあるゴシック体に

「キャッチコピー」部分
A1ゴシック M
A1ゴシック M

キャッチコピー部分の文字は、角が丸まったエレメントや線画の交差部分の墨だまりが温もりを感じさせる「A1ゴシック M」(モリサワ)。商品の特徴である真摯さや温かさを感じさせる書体だったため選択された。

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