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お洒落クリエイターの心をくすぐるプロダクトレビュー

2023.10.19 Thu

今回は「アンコーラ銀座本店」で文房具づくり体験をレポート

手頃な価格で自分好みの万年筆を作れる「アンコーラMy万年筆」で、お気に入りの1本を手に入れよう!

文・写真:平田順子

デジタル化社会にあっても、アイデア出しのメモやラフスケッチ、サインの際など手書きをする場面はまだまだあるので、日頃からペンを携帯しているという方も多いのではないでしょうか。いつも持ち歩くなら、気に入ったデザインで書き心地のよい1本を見つけたいものです。そこで今回は、各パーツのカラーを選んで自分好みの万年筆をつくることができるサービス「アンコーラMy万年筆」を紹介します。万年筆に興味がありつつも、少しハードルが高いと思っていた方には、特におすすめしたいサービスです。

【三戸なつめの東京文具さんぽ】
150万通りの組み合わせ!カスタマイズできる万年筆も人気の文房具店「ancora銀座本店」
※こちらの連載でも紹介させてもらいました。宜しけれご覧ください

パーツを選んで自分好みのカラーに

万年筆は素敵なデザインのものが多くあり、多種類のインクがあるといった特徴から、熱狂的なマニアがいる文具の一つです。また、自身の書き癖がついていくので、使うほどに書き心地が良くなっていくのも魅力となっています。しかし高価格というイメージを持っていたり、初心者にはハードルが高いと感じたり、興味を持ちつつもまだ手にしたことがないという方もいるのではないでしょうか。

すでに万年筆をコレクションしているという方はもちろん、そうした方々にも最初の万年筆としてオススメなのが「アンコーラMy万年筆」です。4,400円と万年筆としては手頃な価格で、各パーツを自身でセレクトして組み合わせることができます。

「アンコーラMy万年筆」の組み合わせ見本。くすみカラーなので、明るい色を多用しても上品でオシャレにまとまる

「アンコーラMy万年筆」がつくれるのは、東京・銀座にあるアンコーラ銀座本店です。ここでは他にもオリジナルの万年筆やガラスペン、色鉛筆、ノートなどを販売しています。文具メーカーのプラスとセーラー万年筆が合同で開店しました。予約は不要で、営業時間内に来店してパーツを選び、組み立ててもらうとすぐに持ち帰ることができます。

「アンコーラMy万年筆」で選べるのは、蓋栓、蓋、大先、胴、尾栓の5つの樹脂パーツと金属パーツです。各樹脂パーツはブラッシュピンク、ホワイト、クリア、マスタードイエロー、ストレートグリーン、ステラブルー、ブラックネイビー、ブラック、トープ、ローズトープの10色が常時用意されていて、時期によって季節限定パーツが追加されることもあります。

5つの樹脂パーツを10色から、金属パーツをゴールドかシルバーの2色から選べる

まずは金属パーツを選びます。ゴールドとシルバーの2種類があり、これらは色をミックスすることはできず、どちらかの色に統一となります。続いて、樹脂パーツを選んでいきます。面積の大きい部分から選ぶとイメージがわきやすいとのことで、蓋と胴を決めます。

(1)金属パーツをゴールドとシルバーから選ぶ
(2)蓋の色を選ぶ
(3)胴の色を選ぶ

蓋と胴が決まったら、蓋栓と尾栓、大先の色を選びます。大先の首部分は各樹脂パーツと同じ10色から選べ、ペン先はゴールドとシルバーのうち最初に選んだ金属パーツと同色となります。

(4)蓋の先端に付ける蓋栓の色を選ぶ
(5)胴の後ろに付ける尾栓の色を選ぶ
(6)大先を選ぶ。首軸部分は10色の樹脂カラーから決め、ペン先は他の金属パーツと同色のものになる
筆者が選んだ各パーツ

一度組み立てるとパーツの取り外しはできないので、色合わせに迷ったときはスタッフの方が軽くハメてイメージを見せてくれます。

万年筆の組み立てと梱包

パーツを選び終わったら、店舗のスタッフの方に組み立ててもらいます。まず胴に少しノリを塗った尾栓を置いて道具を使って圧着し、大先を回転させて取り付けます。

胴に尾栓を圧着する
胴に大先を回しながら取り付ける

次は蓋に金属パーツを取り付け、ノリを塗った蓋栓を圧着します。組み立てにかかる時間はほんの数分です。混んでいるときでも、何十分も待つことはほとんどないそうです。むしろパーツのセレクトに悩んで時間がかかる人が多いので、その分の時間の余裕を見て買いに行くとよいでしょう。

蓋に金属パーツを取り付ける
蓋に蓋栓を圧着する

カートリッジインクはブルーブラック、ブラック、ブルーの中から好みの1色が2個付きます。これは使い切りタイプなので、途中で色を変えたい場合は使用中のカートリッジは破棄しなければなりません。セーラー万年筆の「セーラー プロフィットJr.」がベースとなっているので、セーラー万年筆のカートリッジインクと交換できます。頻繁に色を変えたい、あるいはボトルのインクを使いたいという場合には、インクの詰め替えができるコンバーターを別途購入します。万年筆が完成したら、専用の箱や紙袋に入れてもらえます。プレゼント用の場合は、さらにラッピングをすることも可能です。

カートリッジインクは3色から選べる
オシャレな専用の箱や紙袋に入れてもらえる

万年筆の使い方とお手入れ

万年筆を使うには、カートリッジインクを装着します。大先を回転させて胴から外し、カートリッジインクの凹みのある方を大先に差し込みます。そうするとカートリッジに穴が空き、ペン先にインクが染み込み書けるようになります。滑るような書き心地で、文字や絵を書くのが快適です。

カートリッジインクの凹んだ方を大先に差し込む
蓋のクリップとペン先の方向を揃えた方がスマートなのだそうだ

万年筆はインクが乾いて固まると詰まってしまうため、お手入れが必要です。固まらないよう毎日使うか、定期的に水で洗浄するようにしましょう。お手入れ方法はスタッフの方が説明してくれますし、その方法を記載した用紙がもらえます。同内容のお手入れ方法は、セーラー万年筆のサイトにも掲載されています。

コロナ禍を経てアルコール消毒が身近になっていますが、「アンコーラMy万年筆」をアルコール消毒すると樹脂部分が割れてしまうので注意が必要です。汚れがついてしまったときは、乾いたクロスで拭きます。また、落としたりぶつけたりするとペン先が歪んでしまうことがあるので気をつけましょう。もし歪みや破損が生じてしまったら、有料で修理できる場合もあるので、アンコーラ銀座本店に問い合わせてみてください。

まとめ

「アンコーラMy万年筆」は、高価なものも多くある万年筆の中では4,400円と比較的手頃な価格で、初めての万年筆やプレゼントとしてオススメです。カラーがカスタマイズできるので、どんな好みの方にもお気に入りの1本をつくることができるでしょう。

しかし、このサービスが利用できるのは、東京の銀座本店のみです。オンラインショップでも、不定期にMy万年筆の販売が行われていますが、こちらは店舗側で組み合わせを選んだもので購入者がパーツを選んで指定することはできません。また、使い切りのインクではなくインクの詰め替えができるコンバーター付きであるため、価格も少し高くなっています。ただ遠方で銀座本店まで直接足を運ぶのが難しいという方は、オンラインショップをチェックしてみるのもよいのではないでしょうか。

DATA

製品名:アンコーラMy万年筆
実売価格:4,400円(税込)
販売店アンコーラ銀座本店
営業時間:11時〜19時
定休日:水曜日
公式サイト:アンコーラMy万年筆

平田順子
ライター・編集者
大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を手がける。近年はデジタルマーケテイング媒体での執筆が増え、クリエイターをはじめマーケターや経営者の方々の取材を手がけている。https://junkohirata.work/
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